【サクっと東大に挑戦】東大の英語の入試問題は日本語で解いても難しいのか？

東大の英語の問題は、日本語で解いても難しいのか。
という実験をしてみようと思います。

そもそも東大の英語の入試問題の難しさは時間に対する問題量の多さが大きなウェートを占めているわけですが、1つ1つの問題もなかなか骨のある内容になっています。

そこで今回は東大の英語の入試問題で毎年出されている段落整序問題を日本語に直した問題をチョイス。
全体の流れに即した文章を順に並べていく問題です。
もちろん、英語でそのまま解くときは代名詞や接続詞などが答えのヒントになっているわけですが、日本語でもそうした点が読み取れる場合もあります。

答えは問題を解き終わると結果で表示されます。
レッツチャレンジ！

参照：東京大学2012年度入学試験問題 英語大問1(B)

その朝、いつものバス停で、私たちは満員のバスに乗り込んだ。息子のニックは、後方に空いている席を見つけて座り、彼の妹のリジーと私はその反対側の席に座った。
リジーが私に向かって何か話しているときに、ニックが席から立ち上がったのを見て私は驚いた。ニックが、見たことのない少し年を取った女性に丁寧に話しかけていたのだ。私は彼が席を譲っていることに気付いた。些細なことだが、それでも私はとても嬉しかった。「すみません」と言ったり、咳をする時は口を覆ったりするように言い聞かせたり、人を指差したり違った見た目の人を見つめたりすることはいけないと言い聞かせるなど、これまでずっとバスの中で何をするべきで、何をするべきでないかを教えて来たが、今回のニックの行動は私が聞かせたことのないものだった。それは小さな優しさであり、彼が自ら行ったことだった。
人がどのように行動するべきだと私たちが信じているか、そして私たちが子供にどのように行動してほしいかを実際に見せて伝えてきたが、それを理解していることを示す行動を見て私は驚きと喜び、そして安心を感じた。社会的交流を支配するルールが、私たちの子供時代よりもずっとあいまいになっている世界でニックが生きていることを考えればなおさらだ。子供たちは何が賞賛されるべきかは言うまでもなく、何が容認されるのかを表すいくつもの複雑でややこしいシグナルに日々さらされている。どのような態度やマナーが正しいのかわからない状況になっているのだ。

この状況では、他人や友人など隣に座っている人が私たちから何を期待していて、何を必要としていて、何を求めているのかがわかりにくくなったということだけが理由だとしても、より良いマナーを保つためには今までよりも大きな想像力が必要になってくる。

上の文章で空欄になっている(a)〜(d)には下記のア〜オのうち4つが当てはまる。それを踏まえて1〜3の問題に答えよ。

ア
もちろん先に述べたややこしさは、公共交通機関でのエチケットに限った話ではない。それはお互いのために何をするべきで、お互いに何を期待するべきかということでもある。なぜなら私たちの役割はもはや男性か女性か、若いか年を取っているかで決定されるものではないからだ。

イ
ふとある朝の満員電車での出来事が頭をよぎった。高級なスーツに身を包んだ若い男性が、新聞を読んだまま白髪の紳士や流行の服を着た若い女性を華麗にかわして、空いている席に座り込んだのである。

ウ
男性に力と機会を与え、女性にバスの席を与えるような社会的契約の消滅を悔やんだことは一度もない。しかし社会的契約なしで生活するのもまた居心地が悪いものである。もう誰もどんな行動が正しいのかわからなくなってしまったかのようである。先を予測をすることもできなくなってきたため、私たちは様々な状況で神経質になるようになってしまった。そしてややこしさは、誰が先に入り口を通るのか、誰がデートでお金を払うかにまで広がって来ている。

エ
親が経験するこのような出来事は、私が子供たちを学校に連れて行った時にも起こった。子供が初めて外で1人で遊んだ時や、家に帰って来て学校での出来事を楽しそうに話す時や、嫌いな食べ物を食べてくれた時などのような、子供についての新しい発見の瞬間であり、誰も気にかけるわけではないが自分の頭の中では何度も何度も繰り返される瞬間なのである。

オ
私がまず思ったことは、彼の母親が彼のことを恥じるのではないかということだ。しかしその後、私は自分が時代遅れの人間であることに気付いた。なぜなら、もしかしたら年を取った男性は10歳も20歳も自分より若い男から席を譲られることを失礼だと思うかもしれない。そして女性たちは、礼儀正しい行動を差別だと感じるかもしれない。それに、例えばうちの会社の若い役員（投資銀行員）はこれまで仕事で女性と競争てきたのかもしれないし、そんな彼が競争相手に席を譲るとも思えない。