日本画の一つの流派である琳派。その琳派の発展に大きく貢献した人物、尾形光琳。尾形光琳の代表的な作品には風神雷神図や燕子花図などがあり、作品を一度は目にしたことがある人は多いと思います。
尾形光琳「燕子花図」、「風神雷神図」
尾形光琳の作品は現在でもとても人気が高いですが、当時も相当な人気を誇っていました。作品的には浮世絵・錦絵が庶民の間で流行したのに対し、尾形光琳は作風的にも京都の富裕な町衆を主な顧客としていたそうです。
そんな尾形光琳の作品でしたから、彼を慕っていた絵師はそれは多かったでしょう。今回紹介する「中村芳中(なかむらほうちゅう)」という絵師もその一人。芳中は江戸時代中期から後期の琳派の絵師。琳派というと豪華絢爛で装飾的なイメージがありますが、芳中の作品はその中では異色とも言える画風。
芳中は尾形光琳が好きすぎるあまりになんと「光琳画譜(こうりんがふ)」という画集まで出版してしまいます。光琳という名前が付いているので初めは尾形光琳によるスケッチ画集かとおもっていましたが、紛れもなく中村芳中の作品。この光琳画譜で描かれた作品が芳中ワールド炸裂なのであります。
そのふわふわ感がハンパない作風はきっと現代の人たちにも受け入れられるはず。作品を見ていると「この人いい人だったんだろうなぁ」なんて芳中の人柄まで伝わってきてしまうよう。(実際に人柄が良かったかはわかりません…。)
ちなみにゆるふわ炸裂の作品集といったら以前このような作品を紹介しましたね。
ゆるカワ炸裂だ〜!葛飾北斎に真似された男、北尾政美の「鳥獣略画式」の可愛さよ!
可愛いすぎて病みつきだ!江戸時代の絵師 仙厓義梵のゆるふわ日本画コレクション
「たらし込み」という日本画の技術をふんだんに使った光琳画譜。丸々としたワンコの作品はとっても人気が高いですよ。それではどうぞ!
光琳画譜の全ページは古典籍閲覧ポータルデータベースで閲覧可能になっています。
光琳画譜 – 古典籍閲覧ポータルデータベース
使用画像: 資料No.Ebi0503 – 古典籍閲覧ポータルデータベース より
(ライター: 増田 吉孝)
スポンサーリンク
スポンサーリンク