今回はその中でも、上野動物園の公式Twitterアカウントが投稿し話題になった、2つの感動ストーリーをご紹介します。
子トラと母の代わりになった野良犬
母トラに育児を放棄された子トラたち。そこで以外な案が。
昭和33(1958)年5月に上海動物園から来園したワン(オス)とシュフ(メス)は仲が良く、1960~1970年に12回・43頭という多産記録を作りました。これが上野動物園の初繁殖ペアで、トラの繁殖にはオスとメスの相性が重要なことがわかりました。 #トラ130年 pic.twitter.com/XSFQtJjPF3
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) March 15, 2017
たくさんの子を残した母トラ・シュフですが、最初の何回かは子育てをしませんでした。当時、動物用の粉ミルクは開発されておらず、牛乳やヤギの乳ではトラが育つための栄養が足りません。そこで、同じ肉食動物であるイヌに乳母を頼むことになりました。 #トラ130年
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) March 15, 2017
出産直後に子を亡くし、動物愛護協会に保護された元・野良犬のビンゴは、授乳だけではなく体をなめるなど、献身的にトラの子を育てました。みるみるビンゴより大きくなったトラの子も、何かあるとビンゴの背に隠れて頼っていたそうです。 #トラ130年 pic.twitter.com/2MlVROwU1h
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大きくなったトラの子は他の動物園に旅立ち、ビンゴも動物好きの家庭に引き取られていきました。その後ビンゴは大切に飼われて、推定16歳で天寿を全うしたそうです。 #トラ130年
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アジアゾウと闘病中の飼育員
アジアゾウの脱走事件。興奮ぎみのゾウを誰も抑えられずに困っていたところ、現れたのは・・・。
昭和42(1967)年の今日、アジアゾウのインディラが同居していたジャンボとケンカをして、運動場から堀に突き落とされてしまいました。インディラは手すりに鼻を巻き付けて体を引き上げ、なんと入園者側の観覧通路に出てしまったのです。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) March 14, 2017
園内はただちに緊急体制がしかれましたが、インディラはゾウ舎に戻ってくれません。やがてマスコミのヘリコプターが低空で旋回をはじめ、インディラはその音で興奮してきました。ゾウが暴走したら大変な事故になってしまいます。飼育係のだれかが言いました。「そうだ、落合さんだ!」
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落合正吾さんはゾウ飼育班長でベテラン飼育係でしたが、病気で休職中でした。アドバイスを聞こうと飼育係員が自宅に行くと、「よし、すぐ行く!」と落合さんは寝間着のまま、とめる声も聞かずに動物園に向かいます。
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ゾウ舎に着いた落合さんは、病人とは思えない声で「インディラ、ダメじゃないか。戻るんだ。」と一喝。とたんにインディラの興奮がおさまって目がおだやかになりました。「よし、良い子だ。さあ、帰るぞ。」落合さん到着がら10分もしないうちに、インディラは無事に収容されたのです。 pic.twitter.com/YLbqvIsPs8
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実は落合さんは重度の胃ガンで、8日後の3月22日に54歳で亡くなりました。混濁する意識のなかで、いとおしそうに「インディラのやつ…」とつぶやいていたそうです。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) March 14, 2017
2つとも、愛を感じる素敵なお話ですね。いろんな人、そして動物たちの愛の連鎖で、上野動物園はここまでやってこられたのかもしれません。
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