「子育て＝大変」は偏見？友達の育児を労いすぎて反省した話に考えさせられる

日々さまざまなタスクが与えられ、親の生活を一変させる育児という日常。頑張っているお母さん・お父さんには労いの言葉をかけたくなるものですが、その思いやりが逆に相手を苦しめてしまうなんてことも…。

インスタグラムで活躍される中原るんさんは先日「子育ては大変なのか？」というタイトルの漫画を公開しました。

あらすじ

ある日、久々に会う友人とランチの予定を組んでいた中原るんさん。一歳に満たない子供を連れてくるとのことだったので、防音がしっかりしたカラオケルームでのランチを提案してみた中原るんさんでしたが…。

個室のカラオケを選択。提供：中原るんさん

「久々のランチだしカラオケは…それならこっちでレストラン予約させて」と、中原るんさんの案を却下した友人。そしてランチ当日、育児に関するさまざまなことを労う中原るんさんですが、その後「ある反省」をすることになります…。

友人「こっちでレストラン予約させて」　提供：中原るんさん

コミュニケーションの難しさに関してを綴ったこの漫画。作品を描かれた思いや当時の心境について、投稿者の中原るん（@nkhrrun）さんにお話を伺いました。

インタビュー

――今回の漫画はどのような思いで描かれたのでしょうか？

中原るんさん：「いやあ、人間って難しいな～」って所から入りました。 このお友達とは３ヶ月に一度は会いますし今も良好な関係ですが、 こうしたすれ違いで疎遠になってしまう人ってきっといると思います。 でも、これって学生時代や出会った時は同じ立場だったから起きなかったことなんですよね。 自分たちの立場や取り巻く環境が異なってしまったからこそ起きるすれ違いだと思えばそれもまた楽しめると思うんですが、 ここまで噛み砕いて考える前に疎遠になっちゃう人たちが多いのではないかな、と思いました。 私のエッセイ漫画は、ギャグ回でないときは自分なりの哲学を伝えたいなと思っているので、 今回はこうした「誰にでも起こりうるすれ違い」が起きた際にふと考えてもらえたらなと思って描きました。

――「思うほど大変なことばっかじゃないよ」と言われたときの心境を教えてください。

中原るんさん：言われたときは正直「え、じゃあどないすればええねん」とも思いましたが(笑)、 「私が彼女に対して少なからず不愉快な思いをさせてしまったこと」は事実なので、素直に申し訳ないなと思いました。

――今回のエピソード以降は、ご友人にどのようなアプローチで「気遣い」をされているのでしょうか？

中原るんさん：ここまで漫画に出来なかったんですが、じつはランチの間に 「お互い環境が違うからわからなくて仕方ないね～」みたいな話をしてるんです。 彼女は「私が産後の苦しみや孤独をわからないなりにがんばって気を遣ってくれたところ」については認めてくれていて、 でもそれが「自分の望んだことと違う」から「私に教えてくれている」んです。 お互いすれ違ったままでなくて、教えてもらえてよかったなと本当に思います。 出産した友人と遊ぶことは本当に多いんですが、人によってやっぱり変えています。 「ご主人がレジャー好きで土日は必ず車で外出する」といった友人は 「都内の有名スイーツを手土産に自宅へ遊びに行く」ような事に喜んでくれますし、 「ご主人が忙しくて出産してからずっと家かスーパーしか行っていない」といった友人は 「子連れで行けるレジャースポットやレストランに行く」みたいな事に喜んでくれます。 忙しいご主人がよくケーキを買ってくるからケーキは足りてるみたいで、 当たり前なんですがやっぱり人によって喜んで貰えるポイントも違うので、 「主婦」とか「産後」って一括りにせず、友人ひとりひとりとちゃんと向き合いたいと思います。

エピソードを通して、ひとりひとりの状況・環境を鑑みたコミュニケーションの大切さをあらためて実感したという中原るんさん。思い込みや偏見で一括りにせず、その人に合った気遣いを心がけたいものですね。

作品提供・取材協力：中原るん