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「なまけ者になりなさい」93年間の人生を全うした水木しげるさんの『幸福の七カ条』

『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』などの作品で知られる、日本を代表する漫画家、水木しげるさん。近年も『ゲゲゲの女房』がドラマ化されるなど、常に注目を集めてきた水木さんが、93年間の人生を全うしました。

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そんな水木さんの著書『水木サンの幸福論』で紹介されている「幸福の七カ条」が大きな注目を集めています。「何十年にもわたって世界中の幸福な人、不幸な人を観察してきた体験から見つけ出した、幸せになるための知恵を世に広めることを目的にしている」という独自の幸福論を紹介します。

第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第ニ条 しないではいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条 なまけ者になりなさい。
第七条 目に見えない世界を信じる。

第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。

現代の人たちは、悲壮な顔をしてあくせく働いている人が多い。成功や栄誉や勝ち負けにこだわってばかりで、熱中することを忘れてしまったんじゃないか。好きなことに没頭すること自体が幸せのはずなのに。「成功しなかったら、人生はおしまい」と決め込んでいるのかもしれないが、成功しなくてもいい。全身全霊で打ち込めることを探しなさい。



第ニ条 しないではいられないことをし続けなさい。

打ち込めることを探すには、好奇心を大事にすればいい。好奇心がわき起こったら、とことん熱中してみる。そうすると、「しないではいられないこと」が姿をあらわす。それでも見つからないなら、無我夢中で遊びや趣味に没頭した子どもの頃を思い出して見なさい。初心に帰って、仕事にあらためて喜びを見出すのもいいし、ずっとやりたかったのに我慢していた趣味をやってみるのもいい。

第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。

我を忘れて没頭できることを見つけたら、ひたすら自分の道を進めばいい。周囲の目や評判を気にして「世間のルール」に合わせようなどとしてはいけない。とことんやっていくと「奇人」とか「変人」と呼ばれるようになる。実際、彼らは幸福な人が多いことが分かった。あなたも奇人変人になりなさい。

第四条 好きの力を信じる。

水木さんが幸福だと言われるのは、勲章をもらって偉くなったからではない。好きな道で60年以上も奮闘したから。漫画を書くことが好きな水木さんは、漫画の筋を考えるため、売れなかった時代でも、原稿料の大半は漫画の筋を考えるのに役立ちそうな本や資料を買い込むのに使っていた。

第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。

好きなことにのめり込み、才能が開花してどんどん伸びたとしても、努力に見合う金はなかなか得られないもの。だからといって悲観してはいけない。ただただ好きな道で努力するべき。大好きなことに熱中すること自体が喜びであり、幸せです。その行為が金銭的に報われる方がいいに決まっているが、結果の良し悪しには運がつきまとう。

第六条 なまけ者になりなさい。

努力をしても結果はなかなか思い通りにはならない。だから、たまにはなまけないとやっていけないのが人間。中年を過ぎたら愉快になまけるクセをつけるべき。水木さんは中年を過ぎたころ、連載の本数を減らして、世界中の楽園や妖怪の住処を訪れる「世界妖怪紀行」を始め、今までに78回も世界を旅した。

第七条 目に見えない世界を信じる。

これは宗教の話ではありません。世の中には、人間の五感ではつかまえられないものがいる。世の中には「見えない世界」が広大無辺に広がっている。その代表が妖怪だが、現在絶滅の危機に貧していて、その存在が薄れるとともに、どうも人間はつまらなくなった。彼らは人間を活気づけ、生き生きとさせる不思議な力を持っているのです。

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水木さんの人生は波乱万丈でした。大正時代の貧しい家で生まれ、戦争に行ってはマラリアに掛かり、空襲で左腕を失いました。帰国して職を転々とし、紙芝居作家になるが飯が食えず、漫画家になっても鳴かず飛ばず。水木さんが漫画で食べられるようになったのは40歳を超えてから。成功を手にするまでには、壮絶な半生があったのです。
そんな水木さんの金言は、常に頭の片隅にとどめておきたいですね!

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アイキャッチ出典:asahi.com(朝日新聞社):神や妖怪、死者との共存語り合う 遠野物語100年シンポジウム(上) - 出版ニュース - BOOK,水木しげる鬼太郎大百科 | 水木 しげる, 小学館クリエイティブ | 本 | Amazon.co.jp

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