昭和のなつかし風景のひとつに「そば屋さんの自転車での出前風景」ってありますよね。今では原付での出前が多いのでなかなかそういった光景を目にすることは無くなりました。
で、今あらためて見てみると当時のそば屋さんの出前テクニック「ザ・タワー」が凄すぎるんです。何が凄いって「どんだけ積むの?」と突っ込んでしまいたくなるほどせいろや丼ぶりが何段にも積まれた状態で自転車を片手運転しちゃってるわけです。
その職人技とも言える出前テクニックを写真で振り返ってみましょう!
昭和14年、蕎麦店「柿の木坂更科」
戦時中、昭和14年のお蕎麦屋さんの出前風景。見た目でもざっと10段は超えています。
昭和初期の有楽町更科
綺麗に積まれたせいろはもうエンパイア・ステート・ビルを思わせる美しさであります。
昭和2年 京橋
出典:江戸散策
こちらはとっても古く昭和2年のそば屋さんの風景。
昭和30年 目黒通り
出典:鯉太朗 お散歩日記
昭和30年の目黒通り。丼を積んでからせいろを積む…というのは安定感を考えての技なのかもしれませんね。
出前コンクールでトップ!
当時は「出前コンクール」なるものが開催されていたようで、そのトップになったお蕎麦屋さんだそうです。昼食時のオフィスに対応すべく多い時では100人分の出前を載せていたそう。
美しい積み技術
年代は不明ですがとっても美しい積み技術です。中段に丼ものがあるのは安定感を考えて意図的になのでしょうか。
昭和20年代
出典:蕎麦処 三鷹砂場
昭和20年代のお蕎麦屋さんの風景。立ち姿がとってもかっこいい!
ねじり鉢巻がとってもかっこいい!
出典:久保浩の昭和ダイアリー
ねじり鉢巻がとっても似合っているお蕎麦屋さん。
いかがだったでしょうか?昭和を感じさせてくれるとってもスリリングでお見事な光景ばかりですね。
こういった出前風景が見られなくなった要因のひとつとして、自転車やオートバイの荷台に「出前機」という運搬機を付けて運転からくる振動に対応できるようになった事も挙げられますが、この出前機もまた日本の技術力とアイデアによって生まれたものなんです。
交通量の増加によって出前時の事故が多くなってきたことに心を痛めた当時の蕎麦屋さんの店主が、昭和20年後半に実用化に成功したそうです。
(ライター: 増田 吉孝)
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