おじいさんは渋谷にDJを回しに、おばあさんはフェスにいきました。
おばあさんがフェスでアガっていると、特設会場の近くの川から「ズンズンズン♪」と、EDMの重低音に乗って大きな縦揺れの桃が流れてきました。
おばあさんはノリでその桃をひろい、2daysのフェスが終わると、家に持って帰りました。
その桃は、なにやら妙な輝きを放っていました。
おばあさんが家に帰り、おじいさんと桃を食べようと切ってみると、
「うぇ~い♪」
中から赤ちゃんが人差し指を突き上げ、飛び跳ねてきました。
ちなみに、妙な輝きはサングラスのレンズでした。
おじいさんが言いました。
「桃から生まれたから桃太郎でいんじゃね?w」
「桃太郎wwwウケるwww」
2人は桃太郎を流れで育てることにしました。
それから桃太郎はすくすくと育ち、
インスタ、facebookの投稿も順調に増えていきました。
「やっぱこのメンバー最高だわ。俺の自慢。 #いつめん」
特に内容はありませんでしたが、楽しそうな雰囲気は伝わってきました。
facebookの友達も1000人を超えたある日、
桃太郎は、日本最大級のフェス「ONITAIJI JAPAN2016」に参加するため、鬼ヶ島へ出かけました。
「桃太郎じゃん!何してんの?」
見たことのあるイヌでした。パーティーで何度か面識はあったのですが、名前が出てきません。とりあえず、ノリで対応することにしました。
「おおー!久しぶりじゃん!調子どう?鬼退治行くんだけどさ、もちろんくるっしょ?」
「なにそれウケる!ちょ、きびだんご持ってんじゃん!ちょうだいよ」
「全然いいよ。じゃあ乾杯しますか」
「うぇーい♪」
そういって、2人はきびだんごをおつまみに、テキーラをショットで乾杯しました。
乾杯したらもう、みんな仲間です。
そのあと、場面でサルとキジも合流し、鬼ヶ島に着きました。
そこで鬼を見つけた桃太郎が、
「おい、鬼たち…」
と話しかけようとすると、
「言いたい~ことは飲んでから♪」
とすかさずコールをかけられ、桃太郎たちは話す隙を与えてくれませんでした。
そうして桃太郎たちと鬼たちによる飲み比べが始まりました。
誰もお酒の味なんてわかっていません。アルコール度数が高ければなんか楽しいのです。
もう何杯飲んだかもわからなくなり、いつのまにかお互いは認め合っていました。
「Facebookやってる?つながろうよ。友達申請していい?」
こうして真の友達になったみんなは、集合写真の投稿をタグ付けし合いました。
#いつめん
めでたし めでたし
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おもしろかったです。