「白髪を抜くと増える」はホント？　毛髪診断士に聞いてみた

30代後半に差し掛かったあたりから、ちらほら気になり出してくる白髪。みなさんはどう対処していますか？

ついつい抜いてしまいたくなりますが、‟白髪は抜くと増える”なんて噂をよく耳にします。しかし白髪染めをしても時間が経てばまた白髪が目立ってくるので、定期的に白髪染めをしなければならず、これが結構面倒なんですよね。

実際のところ、抜くと増えるという噂は本当なのでしょうか？そして、どう対処するのが正解なのでしょうか？そんな疑問を毛髪診断士に聞いてみました。

毛髪のプロに聞いた白髪の対処・予防法

応えてくれたのは毛髪診断士の江波恵さん。

―――――そもそも、なぜ白髪は生えてきてしまうのですか？

髪の毛は毛根の毛母細胞で作られます。出来たばかりの髪には色がないのですが、その近くにあるメラノサイトがメラニン色素を与えることで黒くなるんです。
そのメラノサイトの働きが年齢とともに低下すると白髪となります。

―――――白髪を抜くと増えるというのは本当ですか？

よく迷信と言われますが、実は100％ウソとも言い切れません。通常1つの毛穴から２,３本の髪が生えていて、そのうちの1本が白髪だった場合。その白髪を抜くことで毛根がダメージを受け、同じ毛穴から生えている髪を白髪にしてしまう可能性があるからです。

―――――白髪染めはどれくらいの頻度で行うのが適切ですか？

髪はタンパク質でできていて、白髪染めなどのカラーリングをするとタンパク質が流れ出て痛むので本当ならやるべきではないです。
とはいえ、見た目は気になりますからね。もし白髪染めをするなら皮膚のターンオーバー（生まれ変わるまでの期間）である28日、白髪が気になる年代となるとターンオーバーが緩やかなので1ヵ月以上は間を空けたほうがいいです。
高頻度で行ってしまうと毛母細胞などがダメージを受けて、白髪染めをしているのに余計に白髪が生えてしまう可能性があります。

―――――白髪の効果的な予防法は何ですか？

運動などで血の巡りをよくすること、そして食事です。
血液には酸素や栄養素が含まれているので血行が改善されれば、頭皮に栄養が行きわたり、また老廃物の排出につながります。
また、同じくらい大切なのが食事です。
東洋医学では髪の毛のことを「血余」と書くんです。余った血（栄養）、つまり身体に必要な栄養の余りが髪に行くということ。逆に言えば体の栄養が満たされている状態は髪の栄養も満たされているということです。

―――――どのような栄養素を摂る必要がありますか？

髪を黒くするメラニン色素は、チロシナーザとチロシンという物質によってできます。チロシンはアミノ酸で乳製品や大豆、アーモンド、かつお、マグロなどに多く含まれています。
また、髪のタンパク質であるシスチンというアミノ酸も重要で、卵やお肉に多く含まれているので、それらをしっかりと摂取してください。
食事で摂るのがベストですが、毎日となると大変なのでサプリメントなどでも構いませんよ。