中村修二氏(出典:gizmag.com)
そもそも青色発光ダイオードってなに?
発光ダイオードとは、発光する半導体素子のことで、電球をイメージすれば分かるかと思います。
発光ダイオードはLEDとも呼ばれ、LED電球が恐らく最も身近な製品ではないでしょうか。
普通の電球と違い、熱くならないことや、消費電力が非常に低いなどの特徴があります。
発光の色には三原色(赤、緑、青)によって分かれており、最初に赤色が発明され、次いで緑も開発されましたが、青色だけがことごとく開発に失敗し、20世紀中に実用化は無理だとも言われていました。
この青色発光ダイオードの基礎技術を築きあげたのが今回受賞した赤崎勇氏、天野浩氏であり、それを実用化させたのが、中村氏や日亜化学工業とされています。
青色発光ダイオード受賞の意義が日本の科学にとって極めて大きいわけ
青色発光ダイオードといえば、2001年から始まった前代未聞の高額訴訟を思い出す人も多いのではないでしょうか。
青色発光ダイオードは今回の受賞者の1人、中村修二氏が1993年に日亜化学工業に在籍中に開発したもので、現在、様々な場所で使用されている青色LEDにより、日亜化学工業は莫大な利益を得ることができました。
しかし当時日亜化学工業が中村氏に支払った報酬はたったの2万円。
それを不服とした中村氏が2001年に起こした訴訟は多くの科学者・技術者たちが固唾を飲んで見守りました。
これに対して裁判所は一審で200億円の支払いを日亜化学工業側に命じますが、2005年に8億4000万円の支払いで和解。
青色ダイオードによって得られた発明対価は600億円だと言われており、8億4000万円の内訳は発明対価が6億857万円、遅延損害金が2億3534万円です。
確かに青色発光ダイオードの開発に当たって、日亜化学工業が数億円の開発費を負担したなどあるにせよ、中村氏が青色発光ダイオードの発明貢献は対価のうちの1%と解釈することもでき、この和解に対して疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
今回の受賞により、改めて「技術者の正当な評価」にフォーカスが当たるのかもしれません。
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