自閉症の症状緩和には「ブロッコリー」？

▼ブロッコリーは自閉症の症状を緩和させるという研究結果が発表された。

ブロッコリーを食べることで得られる「スルフォラファン」という成分が自閉症に効果的であることが、アメリカのジョン・ホプキンス大学の研究チームによって明らかになりました。
研究中チームの発表によるとブロッコリーに含まれる「グルコラファニン」という物質が摂取されると、体内にあるバクテリアがスルフォラファンに変化し、自閉症の症状全般に対して効果が期待できるとしています。

出典：http://modernfarmer.com/

▼スルフォラファンは自閉症の症状緩和に効果的な「ヒートショック現象」を引き起こす。

そもそも、なぜスルフォラファンが自閉症に効くのでしょうか。
研究チームによるとスルフォラファンには、体温が急激に上がったように細胞をだます「ヒートショック現象」という現象を引き起こす効果があるそうです。
また、自閉症の症状は患者が熱を出した時にその症状が下がることも明らかになっています。
つまり、スルフォラファンを用いて「ヒートショック現象」を引き起こすことが出来れば、実際に発熱する危険性を回避しながら患者の症状を抑えることが出来ると考えられているのです。

ブロッコリーの新芽は特に多く含まれているそうです。

▼スルフォラファンは自閉症の症状を大幅に減少させた。

研究チームは重度な症状を持つ患者40人を対象に、20人にはスルフォラファン、残りの20人はプラシーボ（偽薬）を投与して調査を行いました。
その結果、プラシーボの患者は誤差の範囲内に留まりましたが、スルフォラファンを投与されたほうの患者の症状（けいれんや興奮、コミュニケーション問題など）が大幅に改善されたため、研究チームは一定の効果が認められると結論づけました。（ただし反応が見られなかった患者も数名。）

▼今後はさらに大規模な研究を行い、実用化を目指す。

現段階では、スルフォラファンによって自閉症を治すまでには至っておらず、またどの程度ブロッコリーを食べれば症状の緩和に効果があるかなどまだ解明されていない点が多いようです。さらに大規模な研究を続けると研究チームは発表しています。
まだ完全な治療法が見つかっていない自閉症、今後の発表からますます目が離せなくなりそうです。