しかし、たらちねジョンさんの作品『海が走るエンドロール』に登場する65歳の茅野うみ子は、夫を亡くしてからもあまり変わることのない日常を過ごしていました。
あらすじ
お昼ごはんの前に、仏壇にお供えをし手を合わせるうみ子。それが夫を亡くして以来の彼女の日常なのでしょう。
「映画のビデオ」を一緒によく観ていた亡くなった夫との思い出に浸りながら、買い物に出かけたところ出くわしたのがちょっと苦手なご近所さん。
新しい習い事に誘われたものの、断る言い訳として咄嗟に口から出た「映画を観る」がきっかけとなり、うみ子は急遽映画館に行くことにします。
久しぶりに訪れた映画館は様変わりしていたものの、座席に座り映画を観ていると亡くなった夫との映画館デートの思い出が脳裏をかすめます。
当時、夫がうみ子に告げたのは「座席ばかり気にして、変わってる」という言葉。
一瞬、夫の言葉に戸惑ううみ子でしたが、「あなたは映画が好きなのではなく、映画を観てる人が好きなんですね」と彼はさらにハッキリと告げるのでした。
夫の四十九日も過ぎたその日、なぜか夫のことばかり思い出すうみ子でしたが、それと同時に「映画を観る時の自分の姿」も思い出します。
そしてその日、うみ子は第二の人生の幕開けを予感させる美しい青年と、映画館での運命的な出会いを果たすのでした。
65歳で再会した「映画」と偶然出会った「青年」は、この後のうみ子の人生にどう関わってくるのでしょうか?
twitter.com@new_john1
『海が走るエンドロール』を読む
コミックス第1巻が発売となった話題の作品『海が走るエンドロール』の作者・たらちねジョンさんに作品についてお話を伺いました。
インタビュー
――『海が走るエンドロール』では、夫を亡くした65歳のうみ子が美大生の海に出会い、第二の人生を歩み始めるお話ですが、
美大生の海のように若い学生ではなく「おばあちゃん」のうみ子を主人公にした今回の作品を描いたキッカケなどはありますか?
たらちねジョンさん:どちらが提案したのかは記憶が曖昧なのですが、担当編集と話し合って決めました。65歳にした理由は、私の母の年齢に近いからです。一番身近な歳上で、その世代の話を気軽に質問できるのでありがたいです。
――作中で「老人と海」やジャケットだけですが「LEON」が描かれていますが、こちらの作品はたらちねジョンさんが好きな作品だったりするのでしょうか?
たらちねジョンさん:私が観たことがあり、面白いと思った映画ではありますが、その中でもうみ子さんが好きそうな作品を想像して置きました。
――今回第1話をTwitterに投稿されて9万リツイート・28万いいね(2021年8月27日時点)と大きな反響がありましたが、作品を読んだ読者にコメントやこういった反響を受けて感想などいただけますと幸いです。
たらちねジョンさん:最初から私が描きたいものを描こうと決めて取り掛かり、内にこもっている漫画になっていると思っていたので、こんなにたくさんの反応をいただけて驚きました。物事に対しての苦しさや熱意に共感していただけたのかもしれません。嬉しくて、まだ夢の中にいるみたいです。
今回ご紹介したたらちねジョンさんの『海が走るエンドロール』は、現在「月刊ミステリーボニータ」にて連載中の作品です。
さらに、好評発売中のコミックスは第1巻が8月16日に発売されたばかり!Twitterには作品の最新情報なども投稿されているので、まとめてチェックしてみてくださいね!
Twitter:たらちねジョン(@new_john1)
pixiv:じょん
pixivFANBOX:じょん
連載作品:海が走るエンドロール(第1巻発売中)
書籍:アザミの城の魔女(全4巻)
グッドナイト、アイラブユー(全4巻)
『海が走るエンドロール』を読む
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