動物保護団体Reef Knotが実話を元に製作した絵本『おれは待っている』では、主人公である保護猫カズマが、そんな仮の住まいでまだ見ぬ誰かをずっと待ち続けていました。
あらすじ
その日も「誰か」を待っているカズマ。しかしやって来るのはカズマのお世話をしてくれる施設の職員でした。期待が外れたカズマは次に自分の元を訪れる誰かを再び待つことに。
しかし、次から次へとカズマの元にやって来るのは新入りの猫たち。彼らはカズマが待っている「誰か」ではありません。
三毛猫や新入りの子猫が自分にすり寄って来ても、決して心を開かないカズマ。彼が待つ「誰か」とは一体どこにいるのでしょうか?
かつて大好きな人と一緒に住んでいたというカズマ。しかし気付いたら施設に連れて来られ、月日が流れ今では施設にいる猫たちの大先輩。一番の古株になっていました。
すでに13歳のカズマは、年を取り過ぎたせいで自分が待つ「誰か」に会えないのだと思い始めます。
もう一度会いたい大好きな人に、カズマは巡り会うことができるのでしょうか?
twitter.com@reef__knot
『おれは待っている』を読む
絵本『おれは待っている』の原作を担当した動物保護団体Reef Knotの代表理事・飛田俊さんに、作品を製作した経緯や作品への想いについてお話を伺いました。
インタビュー
――今回動物保護団体であるReef Knotが『おれは待っている』を製作したキッカケなどございますか?
飛田さん:元々サラリーマンだった私は知らないことだらけで、「他の方も同じように知らない方は多いのではないか、知ることで変わることもあるのではないか」と思い、保護動物の事情を本にしたいと、動物保護事業に従事した当時から考えていました。
動物保護の問題は多く、描きたい内容はたくさんあります。作品の中にも描写がありますが、人懐っこくアピールが上手な子は里親希望者様と遊びます。しかし、カズマは遊びに行きません。これはカズマに限ったことではありません。
他の猫ちゃんの里親手続きをしている時、ふと横を見るとカズマがこっちを見ていました。自分より後に施設に来た猫が先に卒業していく、その光景をどんな気持ちで見ているのだろうと思い、「カズマ?ずっとここでいいの?」と何度も問いかけていました。
そんな中、絵本に描かれた出来事が起こり、トライアルを終え正式譲渡が済んだ後、第一号の絵本はカズマのことを描くことに決めました。
――ペットの殺処分を減らす、0にするために、呼びかけたいことなどはございますか?
飛田さん:「知ること」と「伝えていくこと」が大事だと思います。
広報活動をしていると「殺処分ってまだあるの?」と言われることがあります。そういった現状・事実を知ることでアクションを起こす人はきっといます。「小さいことでも何か自分にできることがあるのでは?」と思い動物関係の道に進んだ私もその一人です。
私も実際に見てきましたが、動物保護関連の記事や動画は、人によっては目を背けたくなる内容が多いです。しかし、せっかく知ろうとアクションを起こした人が目を背け知ることを諦めるのはとてももったいないです。
諦めなくて済むよう知ることのハードルを下げ、誰もが事実を知れるよう工夫し、徐々に大きな問題も知っていく。人それぞれのスピードで知りできることを見つけて伝えていければと思っています。
「殺処分0」というのはとてつもない壁のような気がします。例え私達の世代で殺処分をなくしても子どもや孫世代などその後は殺処分が再び起こる可能性はあります。
動物のこと、殺処分のことを知り、若い世代に伝えバトンを渡していく、戦争や災害の悲劇を風化させないように伝え続けていることと同じです。
そして、未来では「昔殺処分って悲しいことがあったんだよ。二度と起こしちゃいけないよね?」となることを願っています。
――Twitterに投稿された『おれは待っている』には3万リツイート、8万いいね(2021年9月21日時点)と大きな反響がありましたが、反響に対する感想や作品を読んだ読者に一言いただけますと幸いです。
飛田さん:今回Twitterで広まるまでは、「どうすれば伝わるのか?」「どうすれば広まるのか?」と考えていました。絵本が完成した4ヶ月前から全て公開していましたが、なかなか広まらず私の伝える力の無さ実感し、絶望し、それでも「まだまだ!」という気持ちで第二作目に集中していました。
今はこうして偶然広まってくれましたが、広まった日まで『おれは待っている』と『新作絵本』を伝えるには?ということばかり考えていました。そして、クラウドファンディングで伝えることを応援していただけないか?と準備を進めていました。
Twitterの最後にも書かせていただきましたが、今回投稿したお話が広まる広まらないに関わらず準備していたプロジェクトです。
保護動物の保護活動だけじゃなく、「絵本で啓発することによって、保護動物自体を減らす活動」を1人でも多くの人に知ってもらいたい、その啓発活動にクラウドファンディングを通して1人でも多くの人に参加してほしい、どうか宜しくお願い致します。
そして「おれは待っている」を読み、おうちの子を抱きしめてくださった方、改めて幸せにしようと思ってくださった方、広めてくださった方、何より最後まで目を通してくださった方。
本当に、本当にありがとうございます。
動物保護団体Reef Knotでは、『おれは待っている』に続く第二作目のプロジェクトのためのクラウドファンディングが本日9月21日18時に開始されました。詳細はプロジェクトページをチェックしてくださいね!
また、今回ご紹介した『おれは待っている』の絵本はReef Knotのオンラインショップにて販売されているので、この機会にご購入を検討してはいかがでしょうか。次回作についての想いが綴られたツイートもTwitterに投稿されているので、こちらも併せてご覧ください。
Twitter:Reef Knot(@reef__knot)/ とびたしゅん。(@syuntoby)
Instagram:syuntoby
YouTube:りーふのっとちゃんねる
HP:動物保護団体リーフノット
ショップ:Reef Knot
書籍:【絵本】おれは待っている
『おれは待っている』を読む
スポンサーリンク
スポンサーリンク