提供元:日刊SPA!
「3.50点以上(上位3.63%)は高い確率で満足できる」と食べログは主張するが、ならば低評価な店はどうなのか? 食べログでは評価されなくとも実はうまい店をリサーチする
<店名出しNG!の食べログ3.0以下のうまい店を覆面調査!>
レビュアーが引き起こす風評被害。その多くは、たまたま入った店でお門違いの酷評をするという、“通り魔的”な蛮行が原因だ。
◆影響力の強いレビュアーの気まぐれで
老舗「C庵」の天ぷら蕎麦。中心価格は、700円くらいで味も量も十分満足できる
例えば、私鉄と地下鉄が乗り入れる、とある都心の駅前に「C庵」という昔ながらの蕎麦屋がある。気軽に入れる家族経営の店で、安くてうまくて盛りがいいと近所のサラリーマンに人気だ。だが、時折店舗の前でスマホをイジっては立ち去る客の姿が……。
この店の点数は2.99。影響力のあるレビュアーが、数年前の来店時に「おいしくもなんともない」と1.0をつけたからだ。実はこのレビュアー、その物言いが規約に抵触するとして食べログの運営からたびたび修正を依頼されていたようで、「検閲がめんどくさすぎるので、引っ越しします」と書き残して、約5年も書き込んでいない。それでも、200店以上の「レビュー」を書いているから点数には影響するということか?
◆コスパを正当に評価できないレビュアーも
天ぷら屋「T」の天ぷら御膳。新鮮な油で丁寧に揚げられた衣はサクサクだった
こうした「場違い」感のある客に低評価を受ける店舗はほかにも。
都心の百貨店の最上階に出店する天ぷら屋「T」には2.8点台という厳しい点数がついている。百貨店という好立地に出店する店舗の客単価は高い。高級店が集う最上階となるとなおさらだ。「T」の「天ぷら御膳」は海老が2本盛り合わされて2520円。3000円台の「上」には穴子の一本揚げも追加される。天ぷら屋としては特段高いわけではない。
だが、長く続いたデフレの影響か、この店のレビューには、「高い」という書き込みが並ぶ。なかには「生臭くて食べられないと言ったら値引きなど対応してくれた」という書き込みも。あげく、返金させておきながら「おいしくない」と書き込む……。実際に店舗で注文したところ、出てきた穴子は生臭さなど無縁の仕上がり! ほとんど言いがかりだ。和服の仲居さんは食べ終わりを見計らい、卓上に漆塗りの爪楊枝入れを差し出し、会計後に店を出るときには、のれんを手ですっと支えて上げてくれた。
◆「安いのがかえって場にそぐわない」で低評価
次に訪れたのが、食べログ評価2.89を叩き出された神楽坂の路地裏にある隠れ家風のオシャレなバー「A」。ノーチャージで、ドリンク・フードともに400~1000円前後と神楽坂にしては破格。が、これが裏目に出て「格が低い」と低評価に繋がっているようだ。フードメニューは「馬刺し」「熊本ラーメン」などノンジャンル。雰囲気はオシャレでも庶民的なバー、悪くないのでは?
◆普段使いの店にお門違いな要求
一方、こちらは庶民的な新宿・思い出横丁にある焼き鳥屋「H」。評価は2.96で、「つまみを2品頼まなければいけない」というのが理由のひとつのようだが、いやいや、さすがに2品くらいは頼むでしょ! さっそく自慢の「モツ煮込み」(450円)を頂く。皿は小さいながらも、盛りに盛ってくれたので食べごたえ十分。
イタリアン「M」のきのことベーコンのトマトクリームスパゲティはバランスもいい
そして最後は、東急池上線・池上駅近くにあるイタリアン「M」(評価3.00)。いわゆる“普段使いの町のパスタ屋さん”だ。メインにサラダ・焼きたてパン・フリードリンクが付くあたりはありがたい。
オーダーして5分、「きのことベーコンのトマトクリームスパゲティ」(997円)が到着。味は決して悪くない。食べログには「高級感のなさ」を指摘する声があったが、普段使いのお店に何を求めているのか……。
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