突然ですが皆さんは、「カレーのシミは日光に当てると消える」という噂を聞いたことがあるでしょうか。
SNSなどで頻繁にささやかれているこの情報、本当だとしたらとても便利ですが、そんな摩訶不思議ありえるのでしょうか。
ここはひとつ、お洗濯のプロに訊いてみよう！ということで真相を暴くべく、ライオン株式会社の「お洗濯マイスター」である山縣（やまがた）さんにお話を伺いました。
LIONお洗濯マイスターにカレーシミについて聞いてみた
山縣 義文（やまがた よしふみ）
博士（工学）、繊維製品品質管理士。家庭向けおよび業務用洗浄剤の研究・開発に約30年携わってきました。日々のお洗濯を楽しく、快適に行っていただけるよう、技術に基づいたノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
Q1. 早速なんですが、LIONのお洗濯マイスターってなんですか？A.商品の開発や販売を行うのではなく、生活者が商品を適切に使うための生活情報を作成し、メディアを介して情報発信する役を担っています。
Q2. 本題ですが、カレーのシミが紫外線で消えるという噂は本当ですか！？
A.洗濯してもカレーのシミが落ち切っていない衣類を天日干しすると、確かにカレーのシミは薄くなります。ただし、色が消失するだけで汚れ自体は残っています。〇洗濯してから「外干し」した布
〇洗濯してから「部屋干し」した布
カレーのスパイスに使われるターメリックには、「クルクミン」という黄色の色素成分が含まれています。これが、カレーの黄色いシミの正体なのですが、クルクミンは光が当たると下図のように構造が変化して退色するんです。
Q3. 日光によってカレーのシミは消えるということですが、このまま放置しても大丈夫なんですか…？A.汚れが見えなくなっただけで汚れ自身はしっかり残っていますので、放置すると、いやなニオイが発生したり、虫食いの被害にもあいやすくなります。Q4. では、もしカレーのシミができたら、どのような方法で洗濯をすれば良いですか？A.〇外出先での処置・・・肉や野菜などの固形物を摘み取った後、水で濡らしたティッシュで摘んで汚れを移し取ります。最後に、乾いたハンカチやティッシュで押さえて水分を取り、自然乾燥させます。
なお、市販のシミとり剤があれば、固形物を摘み取った後に使用しましょう。シミとり剤に添付されている吸収シート（ハンカチやティッシュでも代用可）を衣類の下に置き、シミとり剤の先端をシミの部分にあてながら徐々に中心に向かって叩いていきます。シートの位置をずらして、シミが落ちるまで同じ操作をくり返します。シミが衣類に後戻りするのを防ぐためにも、吸収シートはきれいな面を使いましょう。最後に、濡らして絞ったハンカチなどで叩いて、残ったシミとり剤を落とします。
〇自宅に帰ってからの処置・・・シミに直接「液体酸素系漂白剤」や「シミ用の部分洗い剤」を塗ってから、なるべく早く洗濯します。市販のシミとり剤を使用しても構いません。水洗いできない衣類は、シミ汚れを移し取るタオルの上にシミ部分を置き、固く折りたたんだハンカチに水で薄めた洗剤液（100ccの水に、おしゃれ着用洗剤2mlを溶かしたもの）をつけて、シミの裏側を内側に向かって円形に叩きます。
タオルの位置をずらして、シミが落ちるまで同じ操作をくり返します。洗剤液で落ちない場合は液体酸素系漂白剤の原液をつけて叩きます。シミが落ちたら、最後に別のハンカチなどに水をつけて叩いて、洗剤液や漂白剤を落とします。漂白剤をつけた場合は、念入りに水で落とすようにしましょう。Q5. ちなみにカレー以外でも、ワイン、墨汁、ケチャップなども紫外線で消えますか？A.ワインやケチャップの色も紫外線を照射すると、程度は異なりますが退色します。墨汁の成分であるカーボンブラック（無機系顔料）は光安定性が良好なため、紫外線を照射しても退色しません。
シミとりに関しては、ワインやケチャップはカレー同様の方法が効果的です。墨汁のシミに関しては、小さなビニール袋に梅干くらいのご飯粒と衣料用液体洗剤5、6滴を入れ、軽く混ぜ合わせた「ご飯粒洗剤」で落とせます。シミとりに関しては、ワインやケチャップはカレー同様の方法が効果的です。墨汁のシミに関しては、小さなビニール袋に梅干くらいのご飯粒と衣料用液体洗剤5、6滴を入れ、軽く混ぜ合わせた「ご飯粒洗剤」で落とせます。
まとめ
紫外線によって着色汚れのシミは消えるものもあるそうですが、ほとんどの場合脱色しているだけのよう。
というわけで、カレーのシミができても、その服を着たままお散歩してればいいというわけではなさそうです。洗濯は正しいやり方できっちりしないといけませんね！貴重なお話をありがとうございました！
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