建材メーカーとして、フローリングや壁材などの製造販売を行う、朝日ウッドテック株式会社は、東邦大学感染制御研究室 小林寅喆教授監修で行った「床を起点としたウイルス拡散実験結果」の発表イベントを行いました。
まず、監修を行った東邦大学の小林寅喆教授より「科学的に根拠に基づいた感染症対策」というテーマでお話がありました。
小林教授は、薬が効きづらいウイルス「抗菌薬耐性菌(AMR)」によって、現時点で70万人もの人が亡くなっており、2050年には1000万人が亡くなる可能性があることを話しました。この数値は死亡理由としてよく挙げられる、ガンよりも多くなるのだそう。
さらに現在、そうしたAMRに対して効果のある、抗微生物薬が不足している背景から、WHO(世界保健機構)は、世界でこれらの対策に取り組むアクションプランを打ち出している旨を解説してくれました。
また、現在猛威を振るう新型コロナウイルスについて、感染経路のほとんどが飛沫感染であること、一番ウイルスが潜んでいるのは唾液であることを説明。さらに、くしゃみや咳による飛沫の範囲は非常に広範囲であることを説明。
特に、くしゃみによる飛沫は非常に広範囲に渡ることを図や写真を使用して解説してくれました。
動画では、くしゃみや会話によって起こる飛沫落下実験、床に広がったウイルスが家にどのように広がっていくのかの実証実験の様子を紹介。
日本初の「抗ウイルスフローリング」が誕生!
次に、朝日ウッドテック 常務取締役 営業本部長の海堀直樹氏が登場。
今回、朝日ウッドテックが開発した、フローリングとして日本で初めて、SIAA(抗菌製品技術協議会)に認証された「抗ウイルスフローリング」について説明してくれました。
朝日ウッドテックは、マンション用の防音床材など様々な日本初の技術を開発してきた実績をもっており、2020年に猛威を奮った新型コロナウイルスの拡大に際して、床に関する消費者意識調査を実施。
「床への接触機会」に関する調査結果によると、日常において床の上で、座って映画を観る、洗濯物をたたむ、食事をするなど、生活のあらゆる場面で手やお尻などが床に触れていることが判明。
さらに、「感染症対策を行っている場所」の調査では、テーブルや洗面所など普段自身が頻繁に使用する場所に対しての意識は高いものの、床に対する意識が低い傾向にあることが明らかとなりました。
こうした調査を受け、これまで培った数々の技術を駆使して、「抗ウイルスフローリング」を開発。2020年より、今後全てのフローリングでこの技術を実践していく方針を打ち出しました。
最後に、朝日ウッドテック株式会社 常務取締役 商品部長 芳ヶ迫隆司氏が登場。
先程、海堀氏より発表があった、抗ウイルスフローリングに関する性能やメカニズムを説明しました。
まず、抗ウイルスフローリングには銀イオンが備わった、抗ウイルス剤を上塗り塗装。
メカニズムとして、その上塗り塗装した抗ウイルス剤の銀イオンがウイルスを破壊、変質させ無害化するとのこと。
抗ウイルスの試験データによると、そうした処理を施したフローリングは、ウイルスが約99%減少することが明らかに。
また、SIAAが設定する安全基準によると、抗ウイルスフローリングであれば、床をなめても大丈夫であることを説明。これらの特徴は、特に赤ちゃんを育てている家庭にとって非常に有用であることがわかります。
素材を活かす力により、天然木の素材感を出しながら、現代の驚異に対して向き合っていく朝日ウッドテックの心意気を感じるイベントとなりました。
今後、新型コロナウイルス含め、未曾有の驚異がやってくることに備えて、自宅の床から見直してみるのもいいかもしれません。床を起点としたウイルス拡散実験結果解説のイベントレポートをご紹介しました。
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