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マスターブリュワーに、ビールに関する聞きづらい質問をしてみた

夏!今年は太陽の日差しがジリジリと照りつけたかと思えば、連日の雨による湿気。この湿度の高い暑さに、夏が嫌いになりそうな筆者だが、唯一好きなものがある。
それはビール。

筆者の場合、夏だろうが冬だろうが、肉料理だろうが魚料理だろうが、とにかくビールばかり飲んでいるビール党。そんな筆者の元にある連絡が入った。「今までにない新ビールを作るためにクラウドファンディングで資金を集めているのでクレイジーで告知してもらえないか」というお願い。

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インタビュー場所のBrasserie Lion

勤務時間中にビールを飲むことが出来るとそそのかされ、銀座にあるビールバーに足を運ぶことにした。

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バーにいらっしゃったのはこちらの新井さん。

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マスターブリュワーの新井さん

いかにもビールが好きそうな見た目をしているが、ただ単にビール好きのおじさんではない。サッポロビールの子会社、ジャパンプレミアムブリューのマスターブリュワー(味の最高決定責任者)というすごい人物なのだ。

今回相談を受けたのは、新井さんが新たに作ろうとしている「失われた香りを求めて 最初で最後の異端のビール」。

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「失われた香りを求めて 最初で最後の異端のビール」

これは、醸造家がビールの爽快さ・飲みやすさを出すために、消す努力をしている香り(オフフレーバー)をあえて活かすことで実現した「甘いバターのような香り」がするビールとのこと。

新井さんたち醸造家側から商品化の声が挙がったほどだそうなので、味は間違いないのだろうが、クラウドファンディングでの資金調達がなかなかのスロースタートなんだとか。
クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を覗いてみると・・・。

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あ、スロースターとというか、単純に苦戦しているんじゃ・・・。
募集期間が残り22日で、目標金額に対する達成率が14%(2017年8月17日現在)。これはマズい。

早速、新井さんに話を伺ってみた。

聞きづらいことも、酒の席なので聞いてみた

資金調達の進捗について

早速ビールを飲みながらインタビュー。

saito
現状、目標金額に対して14%ですが、これって大丈夫なんですか?
araisan
まだまだ皆さんの支援をいただく必要が有ると思っています。想定よりはスロースタートですが、まだまだ挽回できると思っています。

saito
うーーーん・・・。
資金を募っているサイトに載っている動画も見ました。新井さんも出演してますが、大根役者感が漂ってますね・・・。

araisan
実際に作っている人が出た方がいいだろうということで出ましたが、こういうのは慣れていないので・・・。

saito
動画の再生回数は824回・・・そのうち2再生は私です。動画のチャンネル登録者数も1名ですが・・・。
araisan
動画の方は、あんまり意識してなかったです・・・。

空気が重たくなったため、とりあえずパソコン片手にビールを飲む。
今回、ビールバーで飲んだビールは「失われた香りを求めて 最初で最後の異端のビール」ではなく、ここのビールバーでしか飲めないというクラフトビール。ほんのりと柑橘系の香りがするフルーティーで飲みやすいビールだった。

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グレープフルーツの皮とホップの香りがする「グレープフルーツ&オレンジIPA樽生」

そして、お酒も入ったことなので、ここからはビールに関して聞きづらい質問もぶち込んでいくことにした。

ビールのキレ?のど越し?結局のところなに?

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saito
ビールでよく言われる「キレ」とか「のど越し」の意味が分かりません。
araisan
のど越しは、喉を通る時の引っ掛かり。のど仏を通るときの感覚ですかね。
キレも、のど越しと同じような意味で使われることがあるけど、飲んだ時に何も残らない感覚のことです。

saito
ビール嫌いの人から「苦いのに何が美味しいの?」と聞かれたことがあります。
私も冷静になって考えてみたら、ビールって苦いし美味しくないような気がしてきました。
araisan
ビールが嫌いな人はビールを「こくん」って味わってしまうんです。まずはのどで感じる!それを乗り越えると苦味すら美味しく感じるようになります。

saito
私はビールを味わったりせず、ガバガバ飲んでしまうんですけど、作っている側からしたらよく思われないことですか?
araisan
ビールメーカーは飲み方をあれこれ言うけど、どうでもいいです。楽しく飲んでもらえれば。
それでいうと、少し前にビールをフローズンで飲むのが流行りましたよね。あのときは新しいなーと思いました。美味しいかどうかは別として・・・。

saito
買ってきたばかりのビールが冷えるまで待てないので、氷を入れて飲んじゃうんですが、それもOKですよね?
araisan
いえ、それはダメです。美味しくない。ボウルとかに氷を入れてそこに缶を置いてクルクル回してください。すぐに冷えますから。

saito
じゃあ、缶のまま飲むのは・・・?
araisan
別にいいと思いますけど、ビール好きならグラスに注いで飲むと思います。

saito
あ!なら新井さんはコロナビールとかも、しっかりグラスに入れて飲む派ですね?
araisan
いえ、コロナは瓶のまま飲みます。

仕事柄ビールを飲む機会が多い醸造家は痛風?

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遅刻をした伊藤が着ているのは、弊社オリジナルTシャツ。過去にコミケに5000円という暴利で出品し、全く売れなかった在庫品

ビールを飲みながらビールの話に花が咲いたところで、遅れてやってきた弊社代表の伊藤が到着。

酒好きそうな見た目の彼だが、実はお酒に強くない。
さらに言えば、毎年の健康診断では何項目も危険な数値をたたき出し、尿酸値は危険レベルの「9」。

彼の登場と持ち前の不摂生ネタにより、健康面の話にも花が咲く。

itou
僕、去年の健康診断で尿酸値が9やったんですよ。感覚的には今10くらいな気がします。ビールというかお酒飲まないのに。
araisan
9って・・・もう痛風がいつ出てもおかしくないくらいじゃ・・・。
saito
ビール会社って痛風の人、多いんですか?
araisan
痛風の人はあまりいないですが、尿酸値は高めかもしれないですね。

itousaito
・・・・・・。

資金が集まらなかったら、二度と飲めるチャンスがない「異端のビール」

NGなしでなんでも答えてくれた新井さん。そんな彼がなんとか実現しようとしているビール。「失われた香りを求めて 最初で最後の異端のビール」。

新井さん曰く、これまでのビールとは明らかに違う味と香りだそうで、試飲をしたサッポロビールの技術者は、飲んだ後「なるほどね!」と意味深な発言を残したという。

こちらが異端のビールの缶デザイン。中身は空なので筆者も飲んでいない。
こちらが異端のビールの缶デザイン。中身は空なので筆者も飲んでいない

今まで醸造家たちが消すことにこだわり続けた香りをあえて残したビール。どんな味と香りなのか・・・。皆さんの力で現実のものにし、味わってみてはいかがだろうか。今回のクラウドファンディングが失敗した後、メーカーから「期待の声にこたえて商品化!」ということは本当にないらしい。

ちなみに、お話を聞かせてくれた新井さんはインタビューを予定時間きっかりで終わらし、同じ店で自身が主催する「ビール好き30人が集まる宴」に出るため席を移動して行ったし、弊社代表の伊藤はプリン体の高い食べ物を求めてどこかへ去っていった。

“失われた香り”を取り戻す、「最初で最後の異端のビール」へ挑戦します。 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

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