筆者の場合、ドリルというと子どもの頃に日々宿題を課せられた嫌な思いでしかないのですが、このドリルには答えというものがないんだとか。
こちらがそのドリル『ニッポンのしゅくだいドリル』
答えのないドリル『ニッポンのしゅくだいドリル』
答えがないというのはどういうことかと言うと、現在の日本が抱えている社会問題を自分ならどうやって解決するか、自由な発想で回答していいんです。
このドリルを作ったのは、大阪人間科学大学 未来化プロジェクトの学生たち。社会のあらゆる人々や組織が関わって明るい未来を創り出すために、ひとりの人間としてどう社会課題に向き合っていくかを考えていくために発足したプロジェクトです。
今回、この『ニッポンのしゅくだいドリル』出版を記念して行われた大阪でのワークショップを取材させていただきました。
車いすバスケの根木さんによるトークショー
会場となったのはジュンク堂書店大阪本店内に設けられた特設スペース。
ワークショップに参加したのは小学生たち。
まず、ドリルに取り組む前に、特別ゲストとして車椅子バスケットボールプレーヤーとして2000年に開催されたシドニーパラリンピックで日本代表チームのキャプテンを務めた根木慎志さんによるトークイベントが行われました。
今回のワークショップのテーマはパラスポーツ。残すところ1年を切ったオリンピック・パラリンピックに関する話題をクイズなどを交えてトークしてくれました。
答えのないドリルに小学生たちが挑戦
小学生たちの緊張がほぐれたところで、いよいよワークショップが始まります。
ドリルを作った大阪人間科学大学 未来化プロジェクトの学生たちが、『ニッポンのしゅくだいドリル』をプレゼンテーション。
今回のワークショップのテーマである「パラスポーツ」にちなんだ「ケガの予防」「なかよく遊ぶことの問題」「目の不自由な人に対する理解不足・誤解」「中途障がい者」というテーマから、自分が問題に思うものを選んで、その解決方法を考えていきます。
例えばこちらの問題。
中途障がい者に関する問題です。内容を読んだうえで問題だと思う箇所をチェック。そして、その問題を解決するにはどんな方法があるかを、自由に考えるのです。
でも、これって結構難しいことですよね。
算数のように数式があれば、それを公式に基づいて計算すれば答えが分かります。でも、「なんでもいいよ」と言われると途端にアイディアや考えが出なくなってしまいがち。
しかし、考えが凝り固まった大人たちとは違い、子どもたちはスラスラと問題の解決方法を考案していくんです。
考えた解決方法は、段ボールをつかって社会問題からみんなを守る盾にします。
「ごめん」が上手く言えなくて友達の輪に入れない子どもの問題を解決するために、謝る練習をするロボットを考案するなど、大人では想像もつかないようなユニークな発想がたくさん出ました。
そして、最後は盾を持ってみんなで記念撮影!
自分で問題解決方法を考えるという『ニッポンのしゅくだいドリル』。子どもたちの思考力や個性を伸ばしてくれそうです!
いつの日か、本当に彼らの中から日本の社会問題を解決するアイディアが出るかもしれませんね。
そして、この『ニッポンのしゅくだいドリル』、とっても有意義なものだったので、編集部でも挑戦しました!その内容はこちらの記事でご覧ください。
編集部のやってみた記事はこちら
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