言われてみれば、歯を食いしばることで、力を発揮しやすくなるなんて話を聞いたことがあるし、歯の噛み合わせと姿勢が関連しているという情報もどこかで見た気がする。一方で現代人は咀嚼回数が減り、このままではどんどん顎が退化していくという情報もある。
今回はそんな咀嚼に関する企画。題してするめRTA(リアルタイムアタック)。
するめRTA(リアルタイムアタック)
内容は簡単、この特大サイズのするめを丸ごと一匹食べきるまでのタイムと咀嚼回数を競う。
なお今回の企画は、あくまでも咀嚼に関する検証のため、水は一切禁止。己の咀嚼オンリーで完食を目指す。
参加メンバーはこちらだ。
今回のするめRTA参加者は、このバイトスキャン®なる機械を装着する。
「バイトスキャン®」(シャープ株式会社)は、咀嚼回数をカウントする機械だ。
食べきるまでのタイムとともに、咀嚼をしないと言われる現代人は一体何回の咀嚼で顎が悲鳴をあげるのか見ていくこととする。
するめ一匹食べきるのに必要な咀嚼回数は?
するめRTAスタート!
各々、作戦を立ててするめを食べていく。
まずノダは、するめの頭部分から食べる先方。
対してゴトウは、するめを分解、バランスよく食べていく作戦。
「アギィィィィイイイイ!」
このするめ、尋常ではなく硬い。食感としては、しばらく使わずにガチガチになった本革ベルトくらいの硬さ。顎の力ではなく、こまめに噛んでするめをほぐして食べ進める必要がある。
5分経過。それぞれ咀嚼回数は300回を超えたところ。
まだ顎の疲れこそないものの、箸休めにするめ以外のものが欲しくなってくる。
咀嚼回数500回。早くもゴトウの顎に乳酸が溜まり始める。
「この皮も食べるの?和紙くらい頑丈なんだけど」
ノダ雲行きが怪しい。
噛ませ犬として呼ばれたはずのゴトウ。他の2人に約100回の差をつけ咀嚼回数まもなく1000回に突入。
ノダは作戦変更。一旦ゲソに逃げる。
全員が咀嚼回数1500回を超え、皆の動きが鈍くなったとき、ゲソを食べ終わったサイトーが動く。
「そろそろ出そうかな奥の手。 左顎を!解放する!」
普段、右顎のみで食事をしているサイトー。34年間、温存していた左顎の封印をついに解放。
「おお・・・」
「しかも、左はオールメタル製(銀歯)」
「強いのか分からん」
約30分が経過。
ゴトウは咀嚼回数2100回。顎の疲労が限界に近いとのことだが、まだ写真で恰好をつける余裕はある模様。
左顎解放宣言をしたサイトー。久しぶりの左は、歯の間にイカが詰まりやすく苦戦気味。
「むちゅるちゅるちゅる・・・」
彼にもはや戦意はない。
そしてついに。
「皆さんお疲れ様でした。僕これで終わりっす」
所要時間30分33秒、咀嚼回数2354回でゴトウが勝利。
一方のノダはヤバそう。
そしてサイトー。
「もうやらない。ぜったい」
所要時間35分41秒、咀嚼回数2377回でサイトーも完食。
ビリはノダ。
「チッ!もうこれやんなくてよくない?」
「ダメ。ずるい。やって」
「俺、そういえば顎関節症気味だったんだよ。あと昨日尿管結石にもなった。病み上がりなんだよ。ゔあー!きぃいいいい"い"い"い"!!!!」
「嘘、ダメ。やって。噛むこと、身体にいい」
その後、どういうわけか、タコの画像を眺めて心を落ち着かせることに成功したノダ。
するめハイにより、最後は笑顔でフィニッシュ。
所要時間59分45秒、咀嚼回数3726回。
卑弥呼、現代人の6倍咀嚼していた?
検証の結果、するめ1匹を食べきるまでにかかる時間は約40分。咀嚼回数は約3000回必要だと分かった。
早い者だと咀嚼回数500回頃から顎の疲れを訴えていた。
それもそのはずで、ある調査によると、現代人が食事に費やす時間は11分、噛む回数は620回ほどだというのだ。硬いするめをひたすらかじっていれば、500回ほどでも顎が疲れて当然だ。
それに対し、邪馬台国の女王 卑弥呼が生きていた頃の食生活を再現すると、食事に1時間近くの時間がかかり、咀嚼回数は3990回にも達したという。
人類の顔は進化と共に変化してきた。現代の軟食化による噛む離れによって、さらに顔の形が変わっていく可能性を専門家は示している。
※ロッテ「噛むこと研究部」が人類学者 馬場悠男教授、歯科医師 岡崎好秀先生にシミュレーションを依頼。
このまま、咀嚼回数の減少が進むと、将来的に人の顔はこうなってしまうという。
我々なら、こんな感じ。
小顔どころの問題ではない。
こんなにあった、ガムを噛むことによる恩恵
そう、噛むことは様々な面でメリットがあるのである。
ということで、皆さんもしっかりと噛むことを意識してもらえればと思う。ただし、今回の企画で使用したするめは、自宅以外ではあまりおすすめしない。
クレームが来るからである。やはり、手軽に食べられるガムがおすすめ。
ガムは「噛み続けられる食品」。現代人の減少した咀嚼回数を増やすことができる。また、ガムを噛むことで様々な恩恵を得られるとされている。
・約98%の人が在宅ワークにおける集中力低下を経験しており、ガムを噛むことで集中力向上と眠気予防につながる。
・アスリートや日本初のプロゲーマーのキーアイテムになっており、パフォーマンス発揮のために活用されている。
【美容】
・ガムを噛みながらウォーキングすることで、歩行速度とカロリー消費量がアップする。
・世界で最も椅子に座っている時間が長いと言われる日本人。座りながらガムを噛むことでエネルギー消費量が増加する。
【ストレス】
・仕事や日常生活の中でのストレス軽減につながる。
【免疫】
・ガムを噛んでいると、唾液中でウイルスや細菌の侵入を防ぐ免疫物質が増加すると言われている。
また記事冒頭でも紹介した、ロッテが運営するサイト「噛むこと研究室」では、噛むことに特化したコンテンツがたくさん公開されている。
詳細はこちら
ぜひガムを噛みながら、普段は意識せずに行っている「噛む」について改めて考えてみてもいいだろう。
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