先日、絹谷田貫さんが電車でとったというある行動がTwitter上で大変話題になりました。
一年ほど前でしょうか。僕、電車に乗ってたんです。親戚のところにいってまして、知らない路線。夕方で、立ってる人がそこそこいる程度の混み具合で
でね、スーツのOLさんがいたんです。
それがおかしいんですよ
なんか、やたら距離が近いおっさんがいるんですよ
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) October 29, 2018
OLさん、距離とるんです。おっさん近づくんです。明らかに動きがおかしい。たぬきピンと来たんですよ。
これ匂い痴漢とか言われるやつだ、って。
恥ずかしいことに、気づいてしばらく固まっちゃって
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
そうこうしてるうちに、OLさん扉近くに追い詰められちゃって。おっさんがずっとフガフガしてんですよ。でも、真正面からいっていいものかどうか迷っちゃってね。触ってないから捕まえられるのかどうかもわからなくて。
その時、「知り合いのふりをして痴漢を牽制する」ってテクのこと思い出したんです
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
なんと車内で痴漢現場に遭遇!とっさの機転で「知り合いのふりをする」というテクニックに思い至りますが・・・。
ところがね、パニクってて、「ここで普通に声かけたらナンパとか思われないか」とかわけわからんこと考えてしまって。
でもおっさんフガフガしてるし。
OLさん凄く嫌そうで
で、声かけたんですよ
「やだぁ~久しぶりぃ~」
オ ネ ェ タ ヌ キ 爆 誕
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
「あ~も~やだぁも~。知り合い乗ってると思わなかったからスッピンよぉ~。この辺なの~言ってよぉ~」
とかいいながら近づくたぬき
おっさんポカン
OLさんもポカン
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
そのあとも必死でオネェタヌキを続けるたぬき。
全力のウィンクを飛ばすたぬき。
察するOLさん。
だんだん離れていくおっさん。
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
「ね~ぇ~。次の駅ですっごいイイカフェあるのよ~。いかな~い?」
「え、あ、うん。いくいく!」降りる二人
知らない駅でおりてしまったたぬき
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
「あの、ありがとうございます……その……」
お辞儀するOLさん。
ここだ! ここでハードボイルドに決めるのだ! と色めくたぬき。
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
「あやまることないわよ! 困った時はお互い様! そうでしょ~!?」
オ ネ ェ の 仮 面 が 剥 が れ な い た ぬ き
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
オネェタヌキはクールにさるぜ、とばかりに去っていくたぬき。
知らない駅で困り果てるたぬき。
そして恐らく見知らぬオネェとして僕を認識したままのOLさんを残して、町は暮れなずむのでした
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
結局最後までオネェとして過ごすことになった田貫さん。しかし、結果的に痴漢を止めることができたのは素晴らしいの一言です!勇気ある行動を手放しで賞賛したくなりますよね。
・・・ところが、田貫さんのツイートはこのように続きます。
えっと、なんか延びてますので幾つかかきたしておきます。
・当初の趣旨が「カッコつけようとしてしくじったはなし」だった事
をふまえて、下をお読みください
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
1
なんか笑い話ほっこり話にしてしまいましたが、発端は「公然と嫌がらせをされた人」がいた話ですので、正直不謹慎な話題です。ごめんなさい。2
しかもおっさんは結局野放しです。
今にして思えば手抜かりです。
なので誉められた話ではないです— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
なによりも
3
この話の中で、僕は「特定の変えがたい属性を持つ人を」「ステロタイプに真似する振る舞いをした」というのは疑いようのないことです。
まず、LGBTの、いわゆる「オネェ」と言われる人たちには、僕は謝らなくてはなりません。
そして決して手放しに「真似してね」とは言えません
以上です— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月29日
「痴漢から女性を助けた話」と言ってしまうのは簡単ですが、田貫さん本人は自身の行動に引っかかるものを感じていたようです。
バズる前、身内やそのフォロワーさんがリツしてるだけのときは書きませんでしたが、後から『LGBTの方を思慮なくステロタイプに真似した』という点について書きたしました。
多くのひとが『きっとオネェの人も気にしないですよ!』と言ってくれてます。
そのお気持ちはありがたいのですが
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
それを見るたび、なぜ書き足したか、をもっと詳しく書いておく必要性を感じています。
重要なのは『許す権利は当事者にしかないこと』『僕の振る舞いはステロタイプだったこと』
そして現在『25000以上リツイートされていること』です
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
あたりまえですが、オネェの人たち全員が『やぁだぁ~』というわけでもなく、『もぉお~』というわけでもない。
以前目にした意見のなかに『カミングアウトしている知人に、オネェ芸能人のような振る舞いを求められるのが辛い』というものがありました
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
僕の今回のツイートが広まることは『オネェはこういう振る舞いをする』という偏見が広まることでもあります。それは巡り巡って誰かの苦しみになるかもしれない。
発信した以上、僕はこれから苦しんだ人に責められてしかるべきであり、そしてこうなっては誠意をもって謝ることしかできません
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
そして、それを許すのは『苦しむかもしれない人々』だけにある権利だとも思います。
『これを許さないのは心が狭い』や『きっと許してくれるはず』という声が大きければ、それだけそれらの苦しみは押し退けられてしまうから
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
だから、沢山の人が『気にしなくていいよ』といってくれても、僕はこの事を覚えて、心構えをしていこうと思います。
このツイートを見た人も、少しだけその事を覚えていてくれると幸いです。
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
最後に
リプライなどで『気にしなくていいよ』と優しくいってくださった、当事者たる『オネェさんたち』の心の広さと、ユーモアと暖かさが、なによりもありがたいことでした。
ありがとうございました!
— 絹谷 田貫@名誉テキストゴリラ (@arurukan_home) 2018年10月31日
最初は数人から始まったことでも、勢いがつくとコントロールができないほどの力で広まってしまう「拡散」の波。
気楽に発信した情報が、本意ではない場所まで届いてしまうことは多々あります。今回田貫さんが自戒した「発信するものとしての心構え」は、その権利を持つすべての人が身に着けなければならないもののはず。
もちろん目の前の困っている人を助けることに及び腰になる必要はありませんが、その方法と情報発信の形については考えていかなければなりませんね!
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