テレビショッピングの裏側に潜入！365日24時間放送し続ける「QVC」のオフィスとは

こんにちは。ライターのハムです。

私は今、テレビを中⼼としたマルチメディア通販企業「株式会社QVCジャパン」にお邪魔しています。

テレビショッピングって、昼夜問わず様々な時間で放映されていますよね。需要がないとこんなに放映されません。そんなテレビショッピング、どんな会社が制作しているのか気になりませんか。

テレビショッピングの裏側って？オフィスにお邪魔してみた

この並々ならぬ存在感。ここがQVCです。
電車に乗っていた時からチラチラ見えていた謎の建物。この建物で、365日24時間テレビショッピングを放送しているとは到底思えません。半信半疑ですが、このままレポートしていきたいと思います。

建物の中へ入っていくと、広いエントランスに到着。

見てください！人間の小ささを痛感させられる天井の高いエントランスです。

360度どこを見渡しても異世界です。本当にテレビショッピングの制作会社なの？と疑問に思ってしまいます。

社内に貼ってあるナビゲーターオーディションのポスター。ナビゲーターとは番組内で商品を紹介している司会進行役のことです。こういうのってオーディションをやっているんですね。

迷う気しかしませんが、社内を一周していきましょう。

テレビショッピングの裏側は？スタジオに潜入

まず訪れたのは、撮影スタジオです。

まるで家の中や庭でくつろいでいるように見えますよね。大きなスタジオの中に、キッチン、部屋、庭のセットが用意されています。

さらに驚くべきはこのランウェイ。普段のセットとは違い、このスペースはイベントごとに作り変えているのだそう。

ランウェイ、憧れだったんですよね。小さい頃からずっと夢で、どうしてもランウェイで歩いてみたいな、と期待の目でスタッフの方を見つめていましたところ。

歩かせていただきました！Fooo！

歩き方とポージングには触れないで。
急遽足元のライティングをセットしてくれて、スタッフの方々に感謝です。

収録中の現場を見学！生放送を目撃

撮影スタジオを満喫したところで、もう一つのスタジオも見学させていただくことに。

まさかの生放送中。

一気に緊張感が漂います。目の前では、ナビゲーターの方と、ゲスト（商品説明をする方）が掛け合いで商品を紹介していました。常にカメラの位置を意識しながら、的確に説明を行う姿はまさにプロ。

ちなみにQVCのカメラは、基本的に遠隔で操作しているんだそう。確かにカメラマンが一人もいません。
放送中に、お客さまから「服の裏地が見たい」「もっと近くで商品を見たい」など要望が入った際には、すぐに対応できるよう、インカムを繋いでいるナビゲーターと連携して、画面に映し出せるようにするんだとか。徹底していますね。

息を止めて、静かにスタジオを後にしました。

隅々まで社内を探索

遠隔でカメラを操作し、観葉植物にフォーカス — 遠隔でカメラを操作して、観葉植物にフォーカスしてみたよ

その他にもオペレーション室、企画部など様々なお部屋にお邪魔させていただきました。見慣れない不思議なものがいっぱいです。

番組を支える方々にインタビュー

ここからは、QVCの番組を支える方々にインタビューを実施させていただきました。

大嶽まどかさん/Navigator（ナビゲーター）

―――商品を紹介する上で気をつけていることは何ですか？

「私は元アナウンサーなのですが、ただ情報を伝えるだけではナビゲーターは務まりません。お客さまと同じ目線に立って、"この商品があれば今までよりこんなにいいことがあるんですよ"と、思いを込めて話すようにしています」

―――ナビゲーターとして働いていて印象に残っているエピソードがあれば教えて下さい。

「少し前に、お客さまと交流できるイベントがあったんです。その時に、塞ぎがちだった方が、私が紹介した化粧品を使ったところ、自分に自信を持てたみたいで、最近出かけるようになったんです！と教えてくださって、とっても嬉しかったです！」

―――アナウンサーとナビゲーターどちらが自分に合っていると思いますか？

「ん〜〜〜、難しい！でも、今アナウンサーをやれって言われたら『本日のニュースはなんと！こちら！』みたいに抑揚だらけになっちゃうかも（笑）。それくらいナビゲーターという仕事が体に染みついてますし、何より楽しい。いろんな人や物に出会えて、知らない世界がたくさんある終わりが見えない職業なんです。だから面白くてワクワクして・・・ナビゲーターの方が合ってるのかな（笑）」

若狹奈緒美さん/Sales Strategist （番組構成担当者）

―――一つの商品紹介映像をつくるのにどのような工程を経ているのか教えて下さい。

「まずはミーティングをして、商品を作っている方やメーカーさんの思いを入念に聞き込みします。その上で、番組で使うVTRなどの素材を作成して、番組の構成を考えていきます。お客さまに伝わりやすいよう構成を考えて、現場の方々にお渡ししてすり合わせていくという流れになりますね」

―――他の通販番組とは違うQVCならではの魅力があれば教えて下さい。

「QVCはコテコテの通販番組というイメージとは少し違って。お店の店員さんやお友達とお話をしている感覚で、お買い物を楽しんでいただくような番組になっています。細かい台本がないので、ナビゲーターによって全く違う魅力が出てくるのが面白いところだと思います」

石橋篤さん/Live Producer
松田和成さん /Supervisor Broadcast Operations （スタジオ撮影制作陣）

―――通販番組を制作する上で気をつけていることは何かありますか？

「お客さま目線である必要はあると思います。商品がどれだけ素晴らしいのかを見せられるのかを常に考えて・・・。お肉の厚みを見せたいなら、上から撮るより横から撮る方が良いですよね」

―――撮影時に起きたハプニングやエピソードがあれば教えてください。

「以前、翻訳機の紹介をしていて、リハーサルの時は上手くいったのに、本番でよろしくない単語が出てきた時がありまして（笑）。おかしくてしょうがなかったですね」

「本来なら商品の寄りで撮影するところを、何事もなかったかのように逸らして対応しましたよね（笑）」

「ハプニングですけど面白いなって。商品説明どころじゃなくなって、ワイワイしてるのもバラエティ的でQVCらしいのかなと思います」

杉山高広さん/Supervisor Sales Strategy (本プロジェクトリーダー)

最後にお話を伺うのは、社内に貼ってあったポスターで少しご紹介したナビゲーターオーディション「QVC Japan 20th Birthday Shopping Navigator 全国オーディション発掘スターナビ」の担当者さん。ナビゲーターに関することを中心に質問させていただきました。

―――番組を制作する上でどんなナビゲーターがいると嬉しいですか？

「ショッピングが好きな人だと嬉しいですね。自分がお買い物好きだと、お客さまの目線に合わせやすいと思うんです。ナビゲーターには、取扱説明書のように情報を伝えるだけでなく、商品を作ってきた人や届けようとする人の思いをしっかり伝えてほしい。そして商品が届いた後、お客さまの生活にどんな影響が出るのかを考えられる人が理想かなと思っています」

―――QVCのナビゲーターに求められることは？

「QVCでは基本台本がありません。生放送、一発本番です。その中で臨機応変に対応できる力を持ち、自分で言葉を作り出せる人。そういうことがナビゲーターにとって大事になってくるのではないかと思います」