Twitterでは、あるグラフィックデザイナーの作品が話題となりました。
めちゃくちゃ面白い「珈琲牛乳のグラス」
というコメントとともに投稿された3枚の写真。
1枚目はグラスに珈琲が入っている写真。「珈琲」の文字が白くハッキリと浮かび上がっています。
2枚目はグラスに牛乳が入っている写真。「牛乳」の文字が黒くハッキリと浮かび上がっています。その上にうっすらと「珈琲」の文字も見えますね。
最後はグラスに珈琲牛乳が入っている写真。「珈琲牛乳」の文字が見えています。こちらの3枚は全て同じグラス。注ぐものによって「珈琲」「牛乳」「珈琲牛乳」の3単語が浮かび上がるユニークなグラスです!
投稿は8万リツイート・43万いいねを超え(記事制作時点)、多くのユーザーの間で話題となりました。
実際に、
「すごいめっちゃ欲しいー!」
「天才では?」
「シャレてる」
「シンプルで凝ってる(矛盾)」
など、さまざまなコメントが寄せられています。
制作者・辻尾一平さんに取材してみた!
今回は制作者であり、ユニークな世界観を繰り広げるグラフィックデザイナー・辻尾一平さんを取材しました!
普段のお仕事やご活動について教えてください!
辻尾さん:普段はグラフィックデザイナーとして、ロゴやサイン(※1)を中心にデザインしています。
クライアントワークは機能や実現性を重要視しますが、自主制作は割とアイデア優先で作っています。デザイン的な考え方でなく、あくまでエンタメとして作ることも多いです。
「サイン」とは施設のナビゲーションを指します。初めての施設でも迷うことがないよう、適切な場所に適切な情報を表示し、ナビゲーションをするものです。サインの筐体を初めとしたフロアマップやピクトグラムなど、空間の中で情報をデザインします。
「珈琲牛乳のグラス」をひらめいたきっかけはありますか?
辻尾さん:グラスのヒントになったのは「ホコリ」です。
PCの電源を切ったときに、「あれ?意外と画面にホコリついてるな。何で切るまで気づかなかったんだろう?あ、画面がついてると目立たないのか」と思いました。
そこでメモをした内容が「同じものでも地によって見えたり隠れたりする」というものです。これが「珈琲牛乳のグラス」をひらめいたきっかけです。
アイディアをメモしておくのですね!
辻尾さん:はい。アイディアの素材みたいものを普段集めておき、「モノ」と掛け合わせて作品アイディアを出します。
今回の場合は…
よし、作品として『グラス』を作ろう。「グラス」×「同じものでも地によって見えたり隠れたりする」飲料によってこの現象は引き起こせそうだし、もう少し具体的に掘り下げてみよう。
・コーヒーを飲むとメッセージが出るグラス?
→カフェとかなら面白いけど、普段使いのコップ向きではないな...
・飲むと絵柄が現れるグラス?
→これなら他の色も使えば飲む前と飲んだ後で2種類の絵柄が楽しめるな...
黒が消えて他の色が残るという考え方ではなく、注いだ飲料の色によってどちらか消えるという考え方なら...
・注いだ飲料によって表記が変わるグラス?
→珈琲牛乳。これだ!
といった具合です。
ユニークな作品を生み出すコツはやはりメモですか?
辻尾さん:そうですね。普段気になったことや現象を片っ端からメモしています。
アスファルトが濡れると色が変わる、指の命名にルールがなさすぎる(親指と小指は大きさ、中指は位置、人差し指と薬指は役割)などです。
大体役に立ちませんが、たまに役立ちます。上記の珈琲牛乳のグラスもメモから生まれたものです。
他の作品も知りたい!もっと話を聞いてみた
すごい…何気ないひらめきから素敵な作品が生まれるのですね〜!もっと辻尾さんの作品を知りたくなったので、他の作品についても話を深掘ってみました。
筆者の個人的な好みで「hanategami」という作品が目に留まりました。これは、手紙を折ると花の一輪挿しができるというもの。
とても素敵な作品ですね!どんな人に届けたいと思っていますか?
辻尾さん:私が使うより、誰かに使ってもらいたいと思っています(笑)。
このプロダクトはレターセットで、私から送った方が、それを誰かに向けて送るようになっているので少し特殊ですね。ギフトに添えられる手紙自体も、ひとつのギフトにできないかと考えて作ったものです。「誰かに送りたい!」と思えるプロダクトになっていると嬉しいです。
ちなみに台紙に使用している紙は通常折れないぐらい厚い紙なのですが、裏側をレーザーカッターで削り、部分的に薄くすることで組み立てられるように設計しています。
モザイクアートのような「円切手」について教えてください。
辻尾さん:金額の円と形の円をかけてみました。全て同じサイズの円だと平坦な印象になるので、サイズの幅をつけています。
辻尾さんの作品、どれも素敵ですよね!今回ご紹介した「珈琲牛乳のグラス」と「hanategami」は、ショップで販売されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
Twitter:辻尾一平(@keltoto)
Instagram:辻尾一平
HP:Tsujio design
SHOP:TOAL shop(@ToalShop)
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