芸大生が作る大胆な発想の「手紙」
投稿者は京都市立芸術大学の教授・田島達也さん。ツイートで紹介した手紙作品は、投稿者さんが「画家の手紙・日記を読む」という授業をした際のレポートとして、学生さんたちから提出されたもの。こだわりとアート性が輝く作品の一部を、7つご紹介しましょう!
まずは、ヒエログリフ文字を使って書かれた「古代エジプト風」の手紙。パピルスという大昔のエジプトで使用された紙を使ったこだわりの一作です。
2点目は、ヒノキを薄く削ったカンナ屑に書かれた手紙。向こうが透けて見えるほど薄く繊細な素材で、読む時は細心の注意が必要です。
3点目は廃品のキャンパス地を使って、大胆に表現された手紙です。カラフルな色使いがアーティスティックな雰囲気で、目を引く作品ですね!
4点目は鳥の巣をモチーフにした作品で、綺麗な模様を施された卵の中に手紙が収められています。
卵をよく見ると、柔らかいタッチのウサギや花が綿密に描き込まれており、イースターの卵のようでとても可愛らしいです。
5点目は作品を生み出す苦悩を4コマ漫画で描いた手紙。制作者の心情がダイレクトに分かりやすく伝わってくる作品ですね。
6点目は和本仕立てになった長文の手紙。内容は吹雪で帰宅できなくなった制作者さんが、大学で夜を明かした日の体験を綴ったもの。
7点目の手紙の締めくくりには「鳥獣戯画」の手製ハンコが。まるで歴史的な遺物のよう…
どれも「手紙」という形にとらわれずに新しい発想で制作された、面白い作品ばかりでした!
ユーザーの反応は?
学生さんたちの斬新な「手紙」の数々に対して、投稿を見たユーザーたちからも興味津々な反応が。「素敵な手紙ですね」「創意工夫が素晴らしい…」「Twitterでものすごく感激しました」などのコメントが寄せられています。
また、「こんな授業を受けてみたい」「先生と学生の関係性が素敵ですね」といった、授業や先生に対する感想もみられました。
授業を通して伝えたい想いとは…
作品を紹介してくれた投稿者さんに、インタビューを行いました。
昔の作者の心情を身近に感じてもらいたい
まず、課題の「画家の手紙・日記を読む」という授業はどんなものなのか伺うと「名画の作者にも人間としての生活があり、作品の制作する人生の中で必ず苦悩があります。作者が書いたものを直接読むことで、その苦悩をリアルに知ることができる。昔の画家を身近に感じてもらうことで、いま制作に苦戦している芸大生を励ましたいという気持ちがありました」という回答がありました。
作品の数々を見る限り、昔の芸術家たちのリアルな心情に共感し、学生さんたちもたくさんのインスピレーションを得られたのではないでしょうか。
学生たちの作品に興味を持ってもらえると嬉しい
次に、Twitter上での反響についての感想をお願いすると「3年前くらいからTwitterで紹介していましたが、今回は例年に比べてはるかに大きな反響で驚いてます。これらの『手紙』を通じて、学生たちの作品により関心を持ってもらえるかな、と思っています」と話されていました。
アート作品も制作者の心情を知ることで、また新しい面が見えてくるかもしれませんね。
投稿者さんのTwitterでは、同様のテーマで制作された他の課題作品も公開していますので、ぜひチェックしてみてください!
凝った手紙が多く届く中、一見素っ気ない感じの電報が来た。しかしよく見るとこれは戦前の電報書式。下に見える電信切手は別にプリントして切り抜いて貼ってある。消印には現在に合わせた文字を入れている。カタカナも昔の人の書体をまねてる。シンプルな電報に擬態したこだわりの一品だった。川原萌作 pic.twitter.com/frydSHtker
— 田島達也 (@tajimaxG) February 1, 2023
Twitter:@tajimaxG
スポンサーリンク
スポンサーリンク
京都市内に住んでいます、きっとこの大学にクセのある学生が多いだろうとは思ってはいますが、本当になかなかのくせ者がいるんですね。レベルの高いしのぎの削りあいが日々行われているのかと思うと、ちらっとのぞき見してみたい気がする。