このショーは、アメリカのコメディ集団『The Second City』の即興コントのメソッドを取り入れたという新感覚エンタテインメントステージ。
そして筆者は専門知識も何もない素人ですが、お笑い番組を楽しみに育った一お笑い好き。
今回はプロの即興コントという貴重な機会を通して、「笑いが起こる仕組み」を冷静に分析してみたいと思います。
開幕
最初に登場したのはMCを務めるあべこうじさん。筆者の中ではR-1ぐらんぷりで優勝した時の「ポップな喋り」のイメージが強く、話がどう展開されるのかここも注目していました。
壇上にあがると挨拶もそこそこに、「僕のこと初めて見たよ~って人!」
ふむ。特に面白いわけでもない、お決まりの質問から入るんですね。だいたい半分くらいの人が手を挙げました。
「いやソッコー降ろして♡」
笑いが起きました。
楽しい!
おっといかんいかん…こうやって芸人との一体感を高めてステージに引き込んでいくわけですね。
掴み芸で普通に掴まれかけました。いきなり記事タイトルから脱線するところだったよ。
「ルールを破壊する」ことで笑いが起こる
「THE EMPTY STAGE GRAND」はグループごとに「ショート」と「ロング」の演目があります。
ショートに参加するのはチーム「愛妻弁当」。短時間でいくつかのルールに沿って即興コントを演じていきます。
(左から)
久保田(5GAP)
池田(レインボー)
小寺真理(吉本新喜劇)
ジャンボたかお(レインボー)
大地(ダイノジ)
しゅんしゅんクリニックP
チャレンジ
最初の演目「チャレンジ」は、お客さんから貰ったお題について5人が「専門家」として演説をし、おかしな点があったら「チャレンジ!」と物申すというもの。チャレンジが成功すれば論客はその人にチェンジします。
最初はお客さんから貰ったポケモン関連のお題に沿ってそれらしい論を語っていたのですが…
「チャレンジ!彼女は…とても髪が長い」
「興味深い意見ですね。チャレンジ成功!」
お題を無視してチェンジしました。もう形式だけになってない?
「チャレンジ!彼は話の途中で噛みました!」
「なるほど。確かにそうだ!」
これもチェンジ。噛んでもダメなのか。
「チャレンジ!彼の目は…ビー玉だ」
「確かにその通りかもしれません!」
何が?
最初は「おかしな部分を訂正していく」という体を取っていたのに、お題は関係なくなりだんだん意味すら曖昧になる…この予定調和がチャレンジの面白さのようです。
フリーズ
この演目は、最初のお題で始まったコントから「フリーズ!」の掛け声とともにコントが停止します。声をあげた芸人がポーズだけを引き継ぎ、全く別のシチュエーションで再開させるという即興劇です。
例えばこちら。ベビーカーを押していた動きに「フリーズ」がかかり…
「確かに闘牛はもう逃げてしまいましたが…」
「この動きは続けましょう」
闘牛を失った闘牛士2人に切り替わります。
この演目からいきなりゲストとして現れた野沢直子さんも「フリーズ!」と声をあげました。腕を大きく開いた状態で、どんなシチュエーションを展開するのか注目が集まります。
「私の過払い金返してよ!」
ポーズ無視してない?
流石ベテランというべきなのか、突拍子の無さは群を抜いている気がしました。
相手役になったしゅんしゅんクリニックPもさすがに対応し損ねる。
その後も何度かシチュエーションが入れ替わり…再び野沢直子さんが演者となったタイミングでした。フリーズをかけたのはジャンボたかお。
「負けたよ…返してやる。お前の過払い金だ」
これが大ウケ。一度登場したパワーワードをビシッと拾ってきました。
最後にはお客さんを巻き込み、全員で「過払い金が返ってきた歌」を大合唱する流れに。一緒に歌いたい、ようでやっぱり歌いたくない…そんな歌でした。
小籔一豊さんも登場スポンサーリンク
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即興劇すごいですよね!
見に行きたかった…!