原作のあらすじと見どころ
あらすじ
原作の舞台は、宇宙人「天人」が襲来して町を支配し、さらに廃刀令が敷かれたことにより侍たちが刀を捨てた江戸時代。そんな中、かぶき町で万事屋を営む坂田銀時が、万事屋スタッフの志村新八と神楽と共に町の騒動に巻き込まれたり、ときに国家を揺るがす大事件に立ち向かったりします。
「カブト狩り」と「紅桜篇」について
映画の構成は原作で人気の高かった「カブト狩り」と長編「紅桜篇」をつなげたものです。それぞれ原作のあらすじを見ていきましょう。
・「カブト狩り」あらすじ
カブトムシによる一攫千金を目的とした銀時たちと、将軍のペットである金色のカブトムシを追う特殊警察・真選組の攻防が繰り広げられます。
・「紅桜篇」あらすじ
かぶき町界隈で辻斬りが横行する中で、桂小太郎が辻斬りに襲われ新八と神楽が調査を開始。同じ頃に銀時は、刀匠を営む兄妹・村田鉄矢と鉄子から妖刀「紅桜」を探す依頼を受けて動き出します。戦艦をも駆逐する力を持った「紅桜」と、それを利用して倒幕をもくろむ高杉晋助率いる鬼兵隊の思惑も絡み、銀時が紅桜と対峙します。
見どころ
原作「銀魂」では、普段はぐうたらに生きている銀時が登場人物と一緒に繰り広げるギリギリのギャグが魅力の1つ。そして「カブト狩り」でも、想像の斜め上を行くギャグの応酬が繰り広げられます。一方で、「紅桜篇」のようなシリアスな展開の中でも随所にギャグが散りばめられており、その振り幅に笑ったり泣いたりと心を揺さぶられながら楽しむことができます。
さらに「紅桜篇」にフォーカスすれば、過去の攘夷戦争時代に「白夜叉」と呼ばれ恐れられていた銀時が繰り出す戦闘能力と、化け物のように成長した「紅桜」との壮絶な戦いが読者を引き込みます。また、かつて銀時や桂の盟友であり今や敵となった高杉との軋轢も見ものです。何より、「紅桜」を使った辻斬りの正体である岡田似蔵との戦いで満身創痍になった銀時の、それでも戦いに挑む男気に魅せられることでしょう。
実写版『銀魂』ではオリジナルシーンも
映画実写版『銀魂』ではストーリーの大筋や見せ場は原作に忠実な一方、映画オリジナルの部分も存在します。
「カブト狩り」パートでは、原作のきわどさやバカバカしさを忠実に再現し、ただただ笑える仕上がりになっている一方、原作との大きな違いが出たのは、「紅桜篇」パートに真選組が登場していることでしょう。
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
原作の「紅桜篇」では真選組の出番はありませんが、映画では鬼兵隊の動きを察知した真選組のシーンを追加。一方ユルいギャグと見せ場シーンが交互にやってくる振り幅の大きいストーリーや、土方と沖田との軽妙なかけ合いや、近藤のぞんざいな扱いといった関係性はそのまま。観る者の感情の動きは忙しいですが、それが『銀魂』の魅力の1つでもなので原作ファンであれば十分に楽しめるはず。
また、原作ファンは銀時と高杉の立ち回りにも興奮したのではないでしょうか。原作の「紅桜篇」ではこの2人が直接相まみえるシーンはありませんが、映画では因縁の関係である銀時と高杉が剣を交えており、迫力あるアクションを展開するのは見ものです。
そして圧巻だったのが、どんどん進化していく「紅桜」が立体的に表現されることで、よりグロテスクさが増し似蔵を取り込んだ後には戦慄を覚えるほどに驚異的な姿に描かれていたことです。「紅桜」が不気味にうごめくさまは、実写ではよりリアルな表現となっていて思わず息を呑みます。
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
その他、銀時と源外のかけ合いや、新八と武市が対峙するときのやりとりは原作よりもさらにユルく、ムロツヨシや佐藤二朗が繰り出すおふざけが満載。それ以外にも、ガンダムやナウシカといった小ネタエを挟むなど福田雄一監督の遊び心が随所にあります。
豪華キャストと原作に寄せたビジュアル
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
本作は、原作者の空知英秋先生が週刊少年ジャンプの作者コメントにて「豪華なコスプレ大会」とスッパリ斬って話題になるほど、そうそうたるメンバーが起用されています。各役者の意気込みも素晴らしく、銀時役の小栗旬は銀時の髪色と同じく髪を銀髪に染めて役に臨んだとのこと。また神楽役の橋本環奈も神楽に寄せて髪をオレンジに染めています。そんな映画実写版『銀魂』の主な登場人物とキャストを紹介していきます。
坂田銀時(小栗旬)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
坂田銀時はかぶき町で「万事屋銀ちゃん」を営む一方、過去に「白夜叉」と恐れられた攘夷志士の1人。また極度の甘党でもあります。銀時を演じた小栗旬は実力派俳優で2014年に公開された『ルパン三世』の実写化でも主演を務めるなど漫画原作の実写化作品への出演も多いです。
志村新八(菅田将暉)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
志村新八は万事屋スタッフの1人で、多くの場面でツッコミ役兼イジられ役、そしてメガネが本体ともいわれる地味キャラ。新八役の菅田将暉はTVCM「三太郎」シリーズのキャラ"鬼ちゃん"で人気となり、2016年と2017年だけで出演映画が16本公開と、人気の勢いも目を見張ります。
神楽(橋本環奈)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
神楽は新八と同様万事屋スタッフであり、戦闘民族「夜兎族」の1人。ヒロインでありながら堂々とゲロを吐く「ゲロイン」ともいわれます。神楽を演じた橋本環奈は「1000年に1度の美少女」として注目を浴び、多数のファンを魅了。こちらも人気漫画の実写化『斉木楠雄のΨ難(2017年)』に新井浩文やムロツヨシ、吉沢亮、佐藤二朗ら銀魂出演メンバーと共に出演しています。
桂小太郎(岡田将生)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
桂小太郎はかつて銀時と一緒に攘夷戦争を戦った攘夷志士であり、その後も攘夷活動を行い「狂乱の貴公子」として名を馳せています。桂役の岡田将生は、その端正な顔立ちとスラリとした長身で人気を博し、映像作品での評価も高いです。
村田鉄矢(安田顕)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
村田鉄矢は父の跡を継いで刀匠を営んでおり、父の打った刀「紅桜」を探すよう銀時に依頼。しかし実際には「紅桜」を兵器として開発した張本人です。鉄矢を演じた安田顕は名脇役として知られ様々な役をこなします。また大泉洋らと共に演劇ユニット「TEAM NACS」でも活動中。
村田鉄子(早見あかり)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
村田鉄子は村田鉄矢の妹で、兄と共に刀匠を営んでいます。「紅桜」探しを銀時に依頼しますが、同時に兄の暴走に心を痛める優しい人柄。鉄子を演じた早見さんはももいろクローバーの元メンバーで、女優を目指すために脱退。出演作品を重ねるごとに魅力も増していて、今後の活躍も楽しみです。
志村妙(長澤まさみ)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
志村新八の姉で、女性らしい面も持ちながら剛腕で凶暴。近藤勲(中村勘九郎)のストーキングに対して暴力でねじ伏せる怪力の持ち主です。演じた長澤まさみは清楚さと妖艶さの両方の魅力を持ち合わせていて、イメージにとらわれない役柄にも多く挑戦しています。
平賀源外(ムロツヨシ)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
平賀源外は江戸で随一のからくり技師であり、「からくり堂」の店主。銀時とも付き合いがあり、武器の改造などからくり技術に長けた人です。源外を演じたムロツヨシは福田雄一監督の作品には常連の俳優。また毎年、自身がプロデュースする舞台では脚本・演出・出演を務めています。
岡田似蔵(新井浩文)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
岡田似蔵は攘夷志士の1人であり、盲目でありながら「人斬り似蔵」と名を馳せる人物。「紅桜」を使って辻斬りを繰り返していた張本人です。似蔵役の新井浩文は、見た目のイメージで悪役を演じることも多いですが、コメディから正統派な役まで幅広くこなす俳優で多くの作品に起用されています。
高杉晋助(堂本剛)
高杉晋助はかつて銀時、桂と攘夷戦争を戦った攘夷志士の1人であり、過激派攘夷集団「鬼兵隊」を率いる危険人物。高杉役の堂本剛はアイドル、アーティスト、俳優と多彩な才能を発揮し、独特の雰囲気でファンを魅了しています。
武市変平太(佐藤二朗)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
武市変平太は高杉率いる「鬼兵隊」のメンバーの1人であり、頭脳派として手腕を発揮する一方、少女を愛でる自称「フェミニスト」の変人キャラ。武市を演じた佐藤二朗は独創的な演技が評判で、コメディに欠かせないだけではなくシリアスな演技にも注目が集まっています。福田雄一が手がけたドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズや『スーパーサラリーマン左江内氏(2017年)』、映画『斉木楠雄のΨ難(2017年)』にも出演。
来島また子(菜々緒)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
来島また子は武市と同じく「鬼兵隊」のメンバーで二丁拳銃を操る紅一点。高杉への崇拝心が強く、高杉の邪魔をする者は躊躇なく攻撃します。来島を演じた菜々緒は抜群のスタイルでファッションモデルだけにとどまらず、CMやテレビドラマ、バラエティ番組などでも活躍。
近藤勲(中村勘九郎)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
近藤勲は江戸を護る特殊警察「真選組」局長であり、志村妙を執拗につけ回すストーカー。男気がある一方でボケキャラとしても扱われます。近藤を演じた中村勘九郎は歌舞伎界で活躍しながらもドラマや映画、現代劇まで幅広くこなします。
土方十四郎(柳楽優弥)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
土方十四郎は、「真選組」にて鬼の副長と恐れられる人物。頭脳と剣術を合わせ持つやり手である一方、極度のマヨラー。土方を演じた柳楽優弥は初主演の映画『誰も知らない(2004年)』で高い評価を受けて以降、近年の作品でも存在感を発揮しています。
沖田総悟(吉沢亮)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
沖田総悟は「真選組」一番隊隊長であり、可愛いビジュアルと裏腹にドSで腹黒。バズーカを持ち歩き、場を選ばずぶっ放す傍若無人ぶりです。沖田役の吉沢さんは、その整った顔立ちで「イケメンすぎる」と人気を博す注目の俳優。
エリザベス(山田孝之/声のみ)
映画『銀魂』公式 Instagramアカウント(@gintamafilm)より
エリザベスは常に桂と行動を共にする宇宙生物で、見た目はトボけておりプラカードでのみ会話しますが、実は攻撃力の高いキャラ。このエリザベスの声を担当したのが山田孝之で、主役級でありながら声のみの出演と話題になりました。
2018年公開の続編情報
📣📣続報ォォォォ!
新情報解禁❗ 映画『銀魂 パート2』(仮)に、佐藤二朗さん出演決定🎉✨✨
でも前作で演じた“武市変平太”ではなく、更なる役柄…二朗さんの予想は、まさかの”神楽”😳❗❓
気になる二朗さんのコメントはコチラ👇🏻https://t.co/fGLRTRGoLR
#映画銀魂 #ジャンプフェスタ pic.twitter.com/C98fjirQfo— 映画『銀魂』公式 (@gintama_film) 2017年12月17日
映画『銀魂』公式 Twitterアカウント(@gintama_film)より
こうして大好評を博した映画実写版『銀魂』の続編『銀魂パート2(仮)』の公開が2018年夏に決定。小栗旬は「もう銀髪にはしたくない」と嘆いていたと記事で報じられていますが、続編に向けて気合は十分のようです。
また、「ジャンプフェスタ2018」では佐藤二朗さんの出演が発表されています。佐藤さんは武市変平太役ではなく別の役を演じるそうで、「俺の役は神楽だ」とコメントを寄せています。もちろん佐藤さんのジョークですが、武市役以外で佐藤さんが演じるキャラは何なのか、期待が膨らみます。
最後に
以上、映画実写版『銀魂』について原作との比較や魅力を解説してきました。しかし百聞は一見に如かずですから、ブルーレイ&DVDで全容を確かめることをおすすめします。そして2018年夏の続編公開まで、今度はどのエピソードが実写に生まれ変わるのか、またどんな豪華キャストが出演するのかといった想像をしながら詳細のアナウンスを待ちましょう。
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