軽い気持ちで見始めたのに気づいたら映画の世界にどっぷり浸かっていて、見終わった後に達成感と気持ちのよい疲労感に襲われる...なんて経験ありませんか?
小説でも映画でも、ミステリーに分類される作品は適度な疲労感があるのに解決したことでスッキリとした気持ちまで味わえてしまう、興味深いジャンルですよね。
今回はクレイジーシネマがおすすめする、Amazon Prime会員であれば無料で視聴が可能な傑作ミステリー映画のあらすじと見どころ10作品をご紹介します。
目次
シークレット・ウィンドウ【2004年】
あらすじ
妻との関係が原因でスランプに陥る売れっ子作家のモート・レイニー(ジョニー・デップ)の前に「自身の小説を盗まれた」と盗作を訴える謎の男ジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)が突如現れます。身に覚えのない盗作、執拗な嫌がらせ、シューターの正体を探る者の不審死...。果たしてシューターとは何者なのでしょうか。
見どころ
人気ミステリー作家、スティーブン・キングによる小説『秘密の庭、秘密の窓』を原作としています。ミステリー作品の醍醐味とも言える"どんでん返し"が待っている作品です。濃い化粧をして個性的な役柄を演じているジョニー・デップをどうしてもイメージしてしまいがちですが、本作品では離婚問題に悩まされやつれてスランプに陥る小説家を見事に演じています。さすがはジョニー、どんなにダサい服を着ていてもかっこよさとお洒落さが滲み出ているからか、彼が着ているガウンを探し求めるファンがとても多いそうです。ちなみにジョニー本人はモートを演じた際にかけていたメガネがとても気に入った様子で、出演以降プライベートで同じ型のメガネをかけているところをよく見ますね。
ドラゴン・タトゥーの女【2011年】
あらすじ
経済ジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)は、40年前に起こった少女ハリエットの失踪事件の真相追究を依頼されます。背中にドラゴンのタトゥーをした敏腕ハッカーのリスベット(ルーニー・マーラ)とともに捜査をすることになります。2人はバンゲル家に隠された恐ろしい闇に迫っていくのでした。
見どころ
スティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』が原作であり、2005年公開のスウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のハリウッド版リメイク作品となります。『セブン(1995年)』や『ゴーンガール(2014年)』で知られるデヴィット・フィンチャーがメガホンを取っています。『007』のジェームス・ボンドのイメージが強い筋骨隆々のダニエル・クレイグが体重を増やして"普通"のジャーナリストに変身。そして個性的なリスベットを演じるルーニー・マーラも自らの身体に本当にピアスを開けて撮影に挑むという女優魂を発揮した作品になっています。また監督やキャストを一掃した続編『蜘蛛の巣を払う女』は2018年5月公開に向け製作中です。
砂上の法廷【2016年】
あらすじ
莫大な富を築いた大物弁護士が自宅で殺される事件が起き、容疑者として17歳の息子が逮捕されてしまいます。黙秘し続ける少年の弁護を敏腕弁護士のラムゼイ(キアヌ・リーブス)が担当。少年の有罪を裏付ける証言が続く中、ラムゼイは彼らの証言に隠れた嘘を暴いていきます。裁判の流れが変わると少年は重い口を開くのでした...。
見どころ
ミステリージャンルの作品内では法廷で繰り広げられるストーリーも大人気。真実のみが語られるはずの法廷ですが、人は自分を守るためならどんな場所でも嘘をついてしまうものなんだそうです。もし自分が陪審員だったら、この事件にはどのような判決を下すか?と考えながら見るのも面白いですよね。『マトリックス(1999年)』や『ジョン・ウィック(2014年)』など肉体派イメージの強いキアヌ・リーブスが勝利のためなら手段を選ばない、敏腕弁護士を演じます。また、『ブリジット・ジョーンズの日記(2001年)』で知られるレネー・ゼルウィガーがぽっちゃり体型のイメージを払拭し、逮捕された少年の母、殺された弁護士の妻を熱演!一瞬レネーと気づかないほどの変身っぷりに脱帽です。
ガール・オン・ザ・トレイン
あらすじ
離婚の傷が癒えずアルコール依存症となり、職も失ったレイチェル(エミリー・ブラント)。そんな彼女の救いは電車に乗り元夫と住んでいた家や幸せそうに暮らす夫婦を車窓から眺めることでした。ある日その夫婦の不倫現場を目撃した彼女。そして消える夫婦。レイチェルは1人、消えた夫婦の真相究明に乗り出すのでした。
見どころ
原作はポーラ・ホーキンズの世界的な同名ベストセラー小説。妄想材料にしていた幸せそうな夫婦の不倫現場をたまたま目撃してしまったらその夫婦が消えてしまいます。そしてあまりにも暇なレイチェルはどんどん足を突っ込んでいく...というお節介から始まりますが、レイチェルはアルコール依存症のため、たびたび記憶を失います。俗に言うブラックアウト現象です。さらに現実なのか酔ってるだけなのか、主人公がどうしようもない酔っ払いであることで先が読めず、ミステリー作品としての新境地を切り開いています。また、ストーリーにおいて不倫など大人のドロドロ要素と性表現がたっぷりの人間ドラマでもあるので見る相手は選ぶ必要があります、"大人の"ミステリーです。
"アイデンティティー"【2003年】
あらすじ
豪雨の夜、交通も遮断されやむを得なく寂びれたモーテルに泊まることになった10人の男女。交通事故に遭い重体の妻とその家族、女優と付き人、新婚の夫婦、娼婦など。女優の生首が乾燥機で発見されるやいなや、モーテルで足止めを食らった残りの9人にも魔の手が忍び寄ります。犯人は一体誰なのか、そして犯人の目的は....?
見どころ
『17歳のカルテ(1999年)』や『LOGAN/ローガン(2017年)』など幅広いジャンルの映画を手がけるジェームズ・マンゴールド監督がメガホンを取る本作品は『ユージュアル・サスペクツ(1995年)』のような作品が好きな方にオススメです。行き場のなくなった人々が辺鄙な場所にあるモーテルで足止めを喰らい、次々と殺されていくというシチュエーションはミステリー作品においてもはや使い古された"あるある"ネタですが、『"アイデンティティー"』の予想を超える展開は時間を忘れて釘付けになってしまうこと間違いなし。どこか哀愁漂う女優の付き人、わがままな女優、美人でたくましい娼婦、口をきかない子供、精神が不安定な新妻など1人1人のキャラクターが立っているのも魅力の一つです。
その土曜日、7時58分【2007年】
あらすじ
誰もが羨む裕福な暮らしをしているニューヨークの会計士アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は実は会社の金を横領し麻薬漬けの日々を送っていました。離婚し、養育費もまともに払えていない弟ハンク(イーサン・ホーク)を誘い、実の両親が営む宝石店へ強盗することを計画します。計画実行日の土曜日、7時58分、事態は思わぬ方向に進むのでした...。
見どころ
1958年アカデミー監督賞受賞作品の『十二人の怒れる男』で知られるシドニー・ルメット監督の遺作になります。フィリップ・シーモア・ホフマンは一度裕福な暮らしを経験しなかなか元には戻れず追い詰められる会計士の内面の弱さまでもを演じきっています。またイーサン・ホークは気が弱く、悪人になりきれないダメ男を見事に熱演。薬物中毒を好演したフィリップ・シーモア・ホフマンは若い頃実際に薬物中毒だったそうです。皮肉なことにこの映画の数年後にヘロインの過剰摂取で亡くなってしまいました。ちなみに、アンディのキュートな奥さん役は『スパイダーマン:ホームカミング(2017年)』でもファンの心を鷲掴みにしたセクシーなメイおばさんを演じたマリサ・トメイです。
パーフェクト・ルーム【2014年】
あらすじ
仕事に結婚など人生における成功を手にしている男性5人は自分たちの妻に内緒でマンションの1室を購入、その部屋を"浮気用の部屋"として使っていました。しかしある日その部屋で1人の女性の遺体が発見されてしまいます。焦った5人の男たちは、その死体や犯人など真相を探っていくうちに疑心暗鬼になっていくのでした...。
見どころ
2008年にベルギーで製作された映画『ロフト.』のハリウッドリメイク版。オランダも2010年に同作品をリメイク、『LOFT -完全なる嘘(トリック)-』として日本でも公開されました。ハリウッド版では『魔法にかけられて(2008年)』でエドワード王子を熱演したジェームズ・マースデンや『プリズン・ブレイク(2005年〜)』シリーズで主人公を演じたウェントワース・ミラーなどが出演しています。女性陣もセクシーな美人ばかりです。謎の死を遂げた女性は一体誰なのか、なぜ殺されてしまったのか、5人の男性たちと推理してみてください。ベルギー・オリジナル版、オランダ版、ハリウッド版を見比べてみるのも面白いかもしれません。
ファーゴ【1996年】
あらすじ
カー・ディーラーのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は借金返済のために自分の妻ジーン(クリステン・ルドルード)を誘拐し、会社のオーナーでもある義父から身代金を得ようと企んでいました。誘拐を実行するのはチンピラ二人組、カール(スティーヴ・ブシェミ)とゲア(ピーター・ストーメア)です。ジーンを誘拐し隣町まで逃げたところで、警官と目撃者を射殺してしまいます。狂い出す計画、エスカレートする犯行の行方に待つものは...。
見どころ
妙な面白さが残るコメディを得意とするコーエン兄弟による狂言誘拐劇。公開当時大ヒットを飛ばし、アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネート、そのうち主演女優賞、脚本賞の2部門で受賞するほどでした。謎解きを楽しむような従来のミステリーとは異なりますが、監督が用意し、わたしたちが予想するであろうシナリオがみるみるうちに崩れていくのがたまらなく面白いです。また『ファーゴ』は2014年からテレビドラマバージョンのリブート作品が放送されており、映画でメガホンを取ったコーエン兄弟は製作総指揮の役割を担当しています。映画『ファーゴ』に着想を得たリブート作品のため、登場人物や設定などは全く違っています。Netflixで視聴できるので映画にハマった方はぜひご覧ください。
鑑定士と顔のない依頼人【2013年】
あらすじ
美術鑑定士として成功を収めていたヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)。資産家の両親が残した美術品を鑑定する依頼を受けますが、屋敷に通えど依頼人は決して姿を現さないのでした。そんな顔のない依頼人クレア(シルヴィア・フークス)に不信感を抱きながらも彼女に惚れ込んでいきます。そして屋敷に歴史的価値のある美術品を見つけますが...。
見どころ
イタリアが製作したミステリー映画。天才的な審美眼を持ちながらも女性と接することが大の苦手である初老の主人公ヴァージルが姿を現さない依頼人に翻弄されていきます。今まで恋愛経験ゼロのヴァージルはその依頼人を探っているうちに、なんと恋をしてしまう...という恋愛ミステリーになっています。そんなヴァージルを演じるのは名俳優の1人、ジェフリー・ラッシュです。『パイレーツ・オブ・カリビアン(2003年)』シリーズでキャプテン・バルボッサを演じていたのでピンと来る方も多いはず。そして美しいクレアを演じたシルヴィア・フークスは『ブレードランナー2049(2017年)』のラヴ役に大抜擢!そして先ほど紹介した『蜘蛛の巣を払う女』にキャスティングされている要注目の女優さんです。
ザ・ファーム 法律事務所【1993年】
あらすじ
ミッチ(トム・クルーズ)はとても優秀でしたがハーバード・ロースクールの苦学生でした。ある日、他の優秀な生徒を差し置いてミッチだけに税務関係に強い法律事務所がリクルートのオファーをしてきました。しかも驚くほどの好条件を提示したのです。二つ返事で就職しましたが、その法律事務所の知られざる裏の顔が明らかになっていくのでした。
見どころ
アメリカの人気作家ジョン・グリシャムによる『法律事務所』が原作。若き日のトム・クルーズが優秀な弁護士を演じます。怪しいほどに好条件を提示され、妻との平穏で幸せな生活を考えオファーを承諾したら、本当に怪しい事務所だった...。そこからどんどん不審なことに巻き込まれていくミッチがどうなってしまうのか、思わずハラハラしてしまいます。本作品も非常に人気があったため、2012年からドラマ版の『THE FIRM ザ・ファーム 法律事務所』が放送されていました。映画の結末から10年後が描かれています。キャストは一掃されたものの、イメージを損なわないキャスティングであり、原作者のグリシャム氏も製作側に回っているため違和感なしの面白さです。
終わりに
Amazon Primeには名作から隠れた傑作まで、様々な作品が揃っています。またミステリーと一括りにしても、どんでん返し系や法廷ドラマなど飽きのこないラインナップですよね。これらの作品でスリリングな非日常を楽しんでください。
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