ここでは『エイリアン』シリーズと、作中に登場するエイリアンの強さを独自のランキング形式でご紹介。多種多様なエイリアンの中で、エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)たち主人公を苦しめたのはどのエイリアンなのか、振り返りながらまとめてみました。
『エイリアン』シリーズの紹介
エイリアンコヴェナント映画公式Instagramアカウント(@alienanthology)より
『エイリアン』シリーズは、「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。」をキャッチコピーとし、SFホラーの金字塔となった『エイリアン(1979年)』から始まったシリーズ6作品。
以降、『エイリアン』はナンバリングシリーズとして1~4まで、さらに前日譚にあたる『プロメテウス』や最新作『エイリアン:コヴェナント』が公開されています。
正体不明の宇宙生物が襲ってくる緊張感。ひとたび捕まれば、醜い生き物が自分の腹部を食い破り、激痛の中、生まれていく様を見ながら絶命という、非常に惨たらしい最期を迎えることになる恐怖。こんな化け物がいるくらいなら死んだほうがましかも、と思わせてくれるホラー作品となっています。
同時に、こうした恐ろしい生物を利用しようとする人間たちの思惑。そして彼らが派遣したアンドロイドの暗躍がシリーズ全作品を通してのベースとなっています。
こうしたSFならではの設定と、前述のホラー要素が合わさった結果、エイリアンはSFホラーとして非常に高い完成度を持つに至り、高評価を受けることとなったのです。
エイリアンの知能・強さランキング
【第10位】フェイスハガー(エイリアンシリーズ全作)
エイリアンコヴェナント
エイリアンコヴェナント映画公式Instagramアカウント(@alienanthology)より
成体エイリアンには強さでは及ばないものの、ナンバリングシリーズにほぼレギュラー出演しているフェイスハガー。
エイリアンエッグから飛び出した幼生であり、生殖器とも言えます。この状態のままでも非常に強いエイリアンです。
フェイスハガーは地を蜘蛛のように這い、飛びかかって標的の顔に張り付くと、口から管を差し込んで体内にチェストバスター(エイリアンの胎児)を産み付けます。
また、捕獲は困難で、長いサソリのような尻尾を首に巻き付けて離さず、解剖しようとすると酸の血を噴き出すなど、小柄ながらとても厄介なエイリアンといえるでしょう。
【第9位】水のなかを追ってくるエイリアン/アクア・エイリアン(エイリアン4)
「アイツら、泳げるのかよ!」と視聴者を驚かせたのが、『エイリアン4』に登場するニュー・ウォーリアーです(アクア・エイリアンとも呼ばれています)。
エイリアンは水中でも行動可能なようで、尻尾を翻し、人間よりもはるかに早いスピードで泳いできます。さらに人間たちを追いこんだ先の水面は、膜のようなもので塞がれており、付近には複数のエイリアンエッグを配置。人間が退路を断たれるこの絶体絶命の状況は、『エイリアン4』随一の緊迫感あるシーンです。
水中で自在に動き、罠まで仕掛けるという知能の高さ。エイリアンの環境適応力と学習能力の高さを改めて見せつけたエピソードといえるでしょう。
【第8位】エイリアン・ウォーリアーの群れ(エイリアン2)
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『エイリアン2』では、群れをなして襲ってくるエイリアンの姿が描かれ、観た人に恐怖心を抱かせました。中でも、リプリーたちが籠城を始めてから、わずかな武器で時間稼ぎをしたシーンでの一幕は、とても緊張感があります。
急遽責任者になったヒックス伍長(マイケル・ビーン)が、大量に攻めてくるエイリアンたちに対抗するため、設置型の自動小銃・セントリーガンを通路に置いて迎撃。大量のエイリアン・ウォーリアーたちが押し寄せるなか、徐々に減っていく残弾パーセンテージを、ヒックスと一緒に固唾を飲んで見守った人も多いのではないでしょうか。
【第7位】ネオモーフ(エイリアン:コヴェナント)
エイリアンコヴェナント映画公式Instagramアカウント(@alienanthology)より
『プロメテウス』、『エイリアン:コヴェナント』のエイリアンは、従来とは違う特徴がいくつかあります。これらの作品に登場するのはネオモーフと呼ばれる新種のエイリアン。彼らは黒い粒子(ブラック・グー)が、生物の体内に取りこまれることによって生まれてきます。
今までのエイリアンは寄生した人間の腹部を食い破って生まれてくるものでしたが、ネオモーフは寄生した人間の身体のどこでも、例えば背中からでも生まれてくることが可能です。また、体色も全身を脱色したかのように白く、黒っぽかった従来のエイリアンとは見た目も大きく違います。
もちろんエイリアンらしい強さ、神出鬼没さは健在で、コヴェナント号の乗組員を次々と襲っていきます。
【第6位】ディーコン(プロメテウス)
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『プロメテウス』に登場したのが、ディーコンと呼ばれるエイリアン。その成り立ちは、それまでのエイリアンとは異なります。
遺跡内部で発見した黒い液体に感染した人間との性交渉によって生まれた、イカのような生物トリロバイト。そのトリロバイトが「エンジニア」と呼ばれる巨人(人類の創造主)に寄生し、生まれたのがディーコンです。
姿かたちはやや青みがかっているものの、後のエイリアン(ゼノモーフ)に姿が非常に似ており、エイリアンの起源といってもいいでしょう。もちろんディーコン自身も、凶暴かつ強力な生命力・強さを持った個体です。
【第5位】ドッグ・エイリアン(エイリアン3)
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『エイリアン3』に登場した、フェイスハガーが犬に寄生することによって生まれたエイリアン。
犬がベースのため、俊敏性と力強さを兼ね備えた、それまでのエイリアンとは一線を画す動きをします。また天井に張り付いたり、獲物を捕食したりするなど動物的な描写が印象的です。
このドッグ・エイリアンを先駆者として、以降のシリーズでは「エイリアンはベースとなった寄生体から影響を受ける」という説が生まれました。これにより派生シリーズの『AVP エイリアンVSプレデター2』では、赤ん坊サイズのミニエイリアン、プレデターの力を持つエイリアン=プレデリアンが生まれることになったのです。
【第4位】エイリアンクイーン(エイリアン2)
エイリアンコヴェナント映画公式Instagramアカウント(@alienanthology)より
『エイリアン2』の物語終盤に登場するエイリアンクイーン。このクイーンの登場と共に、それまで謎に包まれていたエイリアンの誕生方法が判明しました。
クイーンの卵管からエッグが排出される一連の流れは、非常に生物的で興味深い映像です。その後リプリーと対峙することになったクイーンですが、その強さはやはり他のエイリアンとは一線を画しています。
尻尾でアンドロイドのビショップを引き裂くなど、クイーンの名前は伊達ではありません。
名シーンに関しては枚挙にいとまがない『エイリアン2』。母親VS母親のこの構図は、エイリアン史上屈指のベストバウトに数えても良いでしょう。
【第3位】檻に囚われたエイリアン/ニュー・ウォーリアー(エイリアン4)
『エイリアン4』の舞台となったのは宇宙にある研究施設。研究者たちはエイリアンクイーンから生まれた複数体のエイリアンを、檻のなかで飼育していました。
セキュリティとして強力な冷凍ガス装置もあり、研究員たちは檻のなかのエイリアンを挑発するほど侮っていました。しかし彼らの余裕をよそに、エイリアンたちは檻の中で同士討ちを開始。なんとエイリアンたちは死んだ個体の酸の血で、床を溶かして檻を脱出したのです。
このような知性的な行動は、他のシリーズでは見られなかった現象であり、『エイリアン4』のエイリアンは人間特にリプリーの頭脳に影響を受けているという仮説を裏付けた決定的なシーンと言われています。
【第2位】ケインの腹から生まれたエイリアン/ビッグチャップ(エイリアン)
エイリアンコヴェナント映画公式Instagramアカウント(@alienanthology)より
『エイリアン』に登場したビッグチャップ。副長ケイン(ジョン・ハート)の腹から飛び出した幼生・チェストバスターは、ノストロモ号の中を移動しながらすぐさま脱皮。
人間と同サイズのゼノモーフになったあと、船のなかを神出鬼没に登場し、船員たちを次々に襲います。
『エイリアン』に登場するのはこのビッグチャップ1体。それにも関わらず、リプリーをはじめとする船員たちが翻弄されたことから、エイリアンがどれだけ人間にとって脅威的な存在であるかをうかがい知ることができます。
反面、リプリーの乗った脱出艇ナルキッソスのなかで身体を丸めて眠るなど、ちょっと可愛らしい(?)一面もありました。
【第1位】ニューボーン(エイリアン4)
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史上最強のエイリアンといえば、やはり『エイリアン4』に登場するニューボーンでしょう。
リプリーのクローンから摘出されたエイリアン・クイーンは、ベースとなったリプリーの影響から「子宮」を持って生まれました。その子宮から生まれたニューボーンは、エイリアンの凶暴性と強さを兼ね備えながらも、非常に情緒豊かな個体だったのです。
母親であるエイリアン・クイーンを殺す一方でリプリーには非常に懐いており、甘えるような仕草も見せるほど。その思考も含めて謎が多く行動がまったく読めない、まさしく新生物といえるでしょう。
一口に成体ゼノモーフといっても、シリーズごとに様々な変化があります。エイリアンシリーズは単独作品として鑑賞しても非常に面白い映画で、何度観ても色褪せません。最近ではゲームも発売し、より一層ファンを増やしていくことでしょう。
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