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何度観ても面白い!『千と千尋の神隠し』に隠された8つの謎

何度観ても面白い!『千と千尋の神隠し』に隠された8つの謎

宮崎駿が手がけたジブリアニメ『千と千尋の神隠し(2001年)』。実写・アニメ問わず、日本映画の歴代興行収入で堂々の1位をマークし、現在もその記録は保持されたままです。
千と千尋の神隠し
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そんな日本を代表する作品『千と千尋の神隠し』ですが、ストーリーの中には、不思議な描写や様々な謎があります。今回は、『千と千尋の神隠し』のそういった疑問点について、考察していきたいと思います。

①千尋の母の冷たい態度

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

主人公である荻野千尋(CV:柊瑠美)の母親(CV:沢口靖子)。冒頭と結びに登場する彼女ですが、千尋に対してやたらと冷たい態度を取っているように思えます。対照的に、千尋が迷い込む世界で支配者として君臨している湯婆婆(CV:夏木マリ)は、息子の坊(CV:神木隆之介)に対し過保護であり、かなり甘やかしている様子。

しかし、甘やかされてばかりで何もできなかったはずの坊はネズミに変えられ、家を飛び出し旅をすることで、最終的に千尋の味方をします。2本足で屹立し、湯婆婆から自立したような状態になるのです。そしてその描写があった直後、千尋は最後の試練を乗り越え、冷たい態度を取っていた母親のもとに帰ることができたのでした。

子育てにおいて、子どもを立派に自立させることはひとつのゴール。一見淡白そうな千尋の母親でしたが、やはり最後には帰るべき場所として設定されており、千尋がそれを見失うことはありません。2人の親の対立構造は、甘やかしてばかりが親の在り方ではないというメッセージになっているようにも感じられます。
 

②カオナシの存在

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

千尋を気に入り、彼女に何度もアプローチするカオナシ(CV:中村彰男)。彼はカオナシという名前の通り、「個性を持たない」存在として表現されているようです。実際、カオナシは千尋に自分のことを尋ねられたとき、かなり困ったような表情をしていました。「自分がない」、「自分の居場所がない」からこそ他者の欲望を煽って自身に取り込み、パーソナリティを得ようとしたのでしょう。

カオナシはしばしば千尋にお金を渡そうとしますが、彼女は断り続けました。この行為からカオナシは「欲望の象徴」なのではないか、という考え方もあります。そして、一連の掛け合いや砂金がやがて泥へと変わってしまったことを考えると、この作品には「お金では買えないものがある」というテーマも存在するのかもしれません。

③海原電鉄の黒い乗客

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

「行き」しかなく、乗客が死者であるかのように黒い影となっている、不気味な海原電鉄。乗客が黒い影で表現されている理由は、作者が宮崎駿であることに注目すれば紐解けそうです。

宮崎駿は宮沢賢治の影響を強く受けていることで有名です。海原電鉄は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が背景にあると思われます。死者をあの世へ送るための銀河鉄道に着想を得ているのだとすれば、『千と千尋の神隠し』で舞台となっている八百万の神がいる世界は「あの世」に重ねられているのかもしれません。海原電鉄の乗客が亡くなった人々として黒い影になっているのも頷けるのではないでしょうか。

その説を支持した場合、『千と千尋の神隠し』という物語は"千尋が味わった一時の臨死体験"とも言えそうですね。

④なぜ千尋だけが現実世界に帰って来れたのか?

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

千尋は現実世界に帰れたのに、ハクは帰ることができずにいます。それはなぜなのか。物語の中で明示されてはいませんが、実は彼女が生還できたのにはきちんと理由があります。

千尋は湯婆婆との契約の際、「萩野千尋」の「萩」の字を「获」と書き間違えていました。そのおかげで契約は成立しておらず、千尋は現実世界に帰ってくることができたのです。後にハクからも「湯婆婆に本当の名前を教えてはいけない」と言われた通り、本当の名前でなければあの世界に縛られることはなかったのです。しかし、ハクは湯婆婆との契約をしっかりとしてしまったせいで、現実世界に帰ってくることはありませんでした。

⑤帰りのトンネルでハクが千尋に言った「振り返るな」の意味

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

作品の終盤、トンネルを出るまでは振り向いてはいけないと、ハクが千尋に対し言いますが、なぜだったのでしょうか。

同じような場面は、世界中の逸話にしばしば登場します。「見るなのタブー」とも言われるこのような描写は、日本の神話やギリシャ神話、旧約聖書にもあり、身近な話としては『鶴の恩返し』などが挙げられます。物語の結びに古来から用いられてきたそんなお約束を踏まえた上で、千尋に「振り向かないで前を見て進め」とエールが送られているのでしょう。

⑥「行き」のトンネルと「帰り」のトンネルが違うのはなぜ?

荻野一家はトンネルをくぐって神々の世界に足を踏み入れましたが、現実世界に帰って来たとき、トンネルは行きとデザインが異なっていました。

これには、「神々の世界には現実世界と別の時間が流れており、現実世界のトンネルが経年劣化した」という解釈もあります。しかし、冒頭に建築関係の仕事をしている千尋の父が、トンネルは「モルタル製」であることに触れていますから、帰りのトンネルが石造りになっていることを考えるとその線は薄いのではないでしょうか。最初から、行きのトンネルには神々の世界に導くための魔法がかかっており、もともと例のトンネルは石造りだったと考えた方が良さそうです。

⑦『千と千尋の神隠し』は風俗をイメージした物語?

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

千尋は湯婆婆が経営する湯屋にて「湯女」として働きますが、この「湯女」とは江戸時代、入浴の際に入浴者の手伝いをする人で、次第に売春行為もするようになったと言います。

とはいえ、作品の中では風俗のモチーフとして湯女が用いられたわけではありません。宮崎駿は過去にエンタメ雑誌「プレミア」で、「"あれは日本そのものです。(中略)みんな千尋が暮らす湯屋の従業員部屋のような、ああいうものだったんですよ。日本は少し前までああいう感じだったんです。"」と語っており、風俗産業の表出というわけではなく、日本の労働環境のモデル化という面があるようです。

⑧『千と千尋の神隠し』の幻のエンディング

金曜ロードショー公式Twitterアカウント(@kinro_ntv)より

この作品の謎を追いかけていると、よくネットで「幻のエンディングが一部映画館で映された」という都市伝説を見かけます。しかしどの情報も、肝心となるエンディングの内容はストーリー中の様々な場面をつぎはぎにくっつけたような印象を受け、支離滅裂です。

謎めいた展開が魅力であり、国内では他に類を見ないほどの人気作品ですから、「そういえばそんなシーンあったかも」と「幻のエンディング」の存在が本当であるかのように噂が広まってしまったのだと思われます。これに関しては過去にネットメディアがジブリと東宝に取材をしており、言質を得ていますので、やはり「幻のエンディング」は存在しないようです。

最後に

『千と千尋の神隠し』に関する噂や謎、作品に込められたメッセージやテーマについて考察しました。公式の見解が出揃っているわけではないので、一概に言えることではありませんが、これほど考察が深まるのはジブリ作品の特徴であり、醍醐味と言えるでしょう。

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