今回はそんな現実世界では決して味わえないスリルと、童心に返ったような興奮を呼び起こすファンタジードラマを10選ご紹介します。
目次
スーパーナチュラル【2007年】
あらすじ
母を悪霊に殺されてから、父と兄のディーン(ジェンセン・アクレス)は悪霊や妖怪を狩るハンターとして訓練を続けていました。そんなある日、父が突然姿を消してしまい、ディーンは弟のサム(ジャレッド・パダレッキ)の元へ向かいます。
サムは悪霊や妖怪を狩る生活に疑問を持っていたため離れて暮らしていましたが、父の失踪をきっかけに兄弟2人でアメリカを旅することに。そして旅を続けていくうちに、段々と兄弟の悲しい過去が明らかになっていくのです。
見どころ
"銀の弾丸"や"ソロモンの輪"などの悪霊退治の武器や、悪魔や天使、吸血鬼などの超自然的存在が次々に出てくるため、大人もワクワクすること間違いなし。兄弟2人と個性的なキャラクターたちとの掛け合いが面白く魅力的です。また、日本人スタッフによるアニメ『SUPERNATURAL:THE ANIMATION(2011年)』も製作され、その人気は留まることを知りません。
HEROES/ヒーローズ【2007年】
あらすじ
突然別々の土地で、人々にスーパーヒーローのような超能力が備わるという現象が起きます。看護師のピーター(マイロ・ヴィンティミリア)には他の人の能力をコピーする能力が、プログラマーのヒロ(マシ・オカ)には時空操作能力が、チアリーダーのクレア(ヘイデン・パネッティーア)には自己再生能力が。
手に入れた超能力に戸惑う彼らでしたが、ニューヨークに核爆弾が落とされることを知り、それを阻止しようと集結します。
見どころ
本作がきっかけでアメリカの国民的人気俳優になった日本人俳優マシ・オカ。彼が演じるヒロの決めゼリフ「ヤッター!」がアメリカで大流行し、真似をする人が続出しました。"ヒーロー"と聞くとアメコミを連想しがちですが、本作に登場するヒーローはごく普通の一般人。だからこそ彼らの戦いを応援したくなるはずです。
FRINGE/フリンジ【2010年】
あらすじ
マサチューセッツ州ボストンを拠点に活動するFBIのFringeチーム。ある時、旅客機の乗客乗員全ての肉体が溶け落ちるという奇怪な事件が起こります。女性捜査官オリビア・ダナム(アナ・トーヴ)は、天才科学者のウォルター・ビショップ(ジョン・ノーブル)と彼の息子でIQ190のピーター(ジョシュア・ジャクソン)とともにこの謎を調べることに。
やがてこの事件は世界中で起きている不可解な現象"パターン"の1つであることが分かるのですが…。
見どころ
本作の企画・製作総指揮を担当するのはJ・J・エイブラムス。彼は『エイリアス(2003年)』同様、オープニングの作曲もしています。主人公が途中でアニメーションになったり、物語に登場する会社のサイトが実際に作られたりと、今までのドラマに類を見ない奇抜なアイディアの数々。製作費は第1話だけでも何と1000万ドル(約10億円)を投入したと言われています。
ヴァンパイア・ダイアリーズ【2012年】
あらすじ
バージニア州ミスティック・フォールズで叔母と暮らす17歳のエレナ(ニーナ・ドブレフ)と15歳のジェレミー(スティーブン・R・マックイーン)は、4か月前に両親を悲惨な自動車事故で失ってしまいました。
高校の新学期が始まり未だ傷が癒えない姉弟の前に現れたのは、ミステリアスな雰囲気に包まれたステファン(ポール・ウェズレイ)。エレナとステファンは直ぐに惹かれ合いますが、彼はある秘密を抱えており…。
見どころ
ティーンに大人気の本作は2010年~2015年まで連続でティーン・チョイス・アワードを受賞し続けています。エレナの弟ジェレミーを演じているのは、あの名優スティーブ・マックイーンの孫であり今注目の若手俳優。映画『トワイライト(2009年)』の公開から社会現象とも言えるヴァンパイアブームの波に乗る作品です。
GRIMM/グリム【2013年】
あらすじ
オレゴン州ポートランド市警察殺人課の刑事ニック(デヴィッド・ジュントーリ)は、癌で余命が短い叔母マリーから自分がグリム家の末裔であると言われます。グリム家は代々、魔物(ヴェッセン)たちの正体を見抜く能力を持っていました。ニックはその能力を生かし、ヴェッセンたちが起こす怪事件を解決していくのです。
見どころ
定番の犯罪ドラマの要素に、今トレンドのダークファンタジーとホラーを織り交ぜているところが魅力。かつて日本でも流行した「本当は怖いグリム童話」などのように、暗く残酷な陰の要素が多く含まれており、若者だけでなく年齢層の高い大人も満足できる作品です。
また、『パイレーツ・オブ・カリビアン(2003年)』を手掛けたバーニー・バーマンらがメイクアップ部門に参加しており、視聴者の目を大いに楽しませてくれます。
ゲーム・オブ・スローンズ【2013年】
あらすじ
中心となる舞台は1つの季節が不規則に数年間も続く大陸ウェスタロスと、海を隔てた東の大陸エッソス。現在ウェスタロスは、バラシオン家ロバート王が世を治めていました。そんな時、ロバート王の側近が謎の死を遂げ、彼は旧友であるスターク家エダードを後任にすべく、北の大地へと向かいます。
しかし、陰謀と裏切りによってロバート王の治世が崩れ始め…。
見どころ
HBOのテレビドラマシリーズである本作は、ジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」が原作。プライムタイム・エミー賞を2011年に2冠、2012年に最多6冠という快挙を成し遂げその他でも数々の賞を受賞しました。
映画を超えたと言っても過言ではない、空前のスケールで描かれた壮絶な戦闘シーンと激動の物語に興奮すること間違いなし。
ワンス・アポン・ア・タイム【2013年】
あらすじ
白雪姫(ジニファー・グッドウィン)とチャーミング王子(ジョシュ・ダラス)の結婚式に乗り込んできた悪い女王(ラナ・パリーヤ)は、おとぎ話の主人公たちの記憶を奪い、彼女たちをメイン州のストーリーブルックという町に閉じ込めてしまいます。
28年後、マサチューセッツ州ボストンで孤児として育ったエマ(ジェニファー・モリソン)の前に現れたヘンリーという少年(ジャレッド・S・ギルモア)。彼はおとぎ話が実際に起きた出来事だと言い出すのです。
見どころ
物語は映画『白雪姫(1950年)』の続きから始まります。製作総指揮を務めるのは『LOST(2005年)』の脚本を担当したアダム・ホロウィッツとエドワード・キッツィスのコンビ。現代の物語とおとぎの国の物語とが交錯する描き方は、まさに『LOST(2005年)』を思い出させるでしょう。
また、白雪姫や赤ずきん、ピノキオといったおとぎ話の主人公たちが複雑に絡み合う人間関係には、私たちの固定観念を覆す驚きが待っています。
アウトランダー【2015年】
あらすじ
時は、戦後の1945年。看護師のクレア(カトリーナ・バルフ)は夫フランク(トビアス・メンジーズ)とスコットランドで休暇を過ごしていましたが、伝説の残るストーンサークルを訪れたとき、不思議な力によりタイムスリップを経験します。
辿り着いた先は200年前、イングランドとスコットランドが激しく対立していた時代。突然のことに戸惑うクレアでしたが、偶然出会ったイングランド軍のお尋ね者ジェイミー(サム・ヒューアン)と居城に目指すことになるのです。
見どころ
ファッションモデルから女優に転身したクレア役のカトリーナ・バルフの美貌に注目。美しいだけではなく、知的で芯の強い女性を見事に演じており、2つの時代をさまよいながら運命に逆らおうとする姿に胸が熱くなります。
また、雄大なスコットランドの大自然を映像化させたテレビ界のヒットメーカー、ロナルド・D・ムーアがこだわった衣装や小物、音楽なども必見。彼から原作ファンを失望させないという意気込みが感じられるでしょう。
マジシャンズ【2017年】
あらすじ
非常に知的で才能には恵まれているものの、社会に順応出来ずにひきこもり状態の青年クエンティン(ジェイソン・ラルフ)は、ふとしたことからブレイクビルズ大学の大学院試験に呼ばれます。試験で潜在的に魔法が使えると知ったクエンティンは、やっと自分の居場所が見つかったとばかりに魔法の訓練に励むことに。
しかし、幼少期から愛読している"フィロリー"というファンタジー小説が現実と交錯し始め、次々と不思議なことが起こります。
見どころ
"大人向けのハリー・ポッター"として宣伝され注目を浴びている作品。レヴ・グロスマンのベストセラーファンタジー小説をテレビシリーズ化し、『スーパーナチュラル(2007年)』のセラ・ギャンブルと『アクエリアス 刑事サム・ホディアック(2015年)』のジョン・マクナマラが製作総指揮を務めます。
ファンタジードラマですが魔法が使えない私たちでも共感できる物語です。
エメラルドシティ【2017年】
あらすじ
カンザス州で看護師をしている20歳のドロシー(アドリア・アルホナ)は、母親の家を訪ねる途中で車ごと竜巻に飛ばされ、謎の世界"オズ"に辿り着きます。その時、偶然ぶつかった東の魔女を殺してしまい責任を問われることになったドロシー。彼女は事情を説明し、元の世界に戻るためエメラルドシティへ向かいます。
しかし一方で、ドロシーを"災い"だとする者に追われることになり…。
見どころ
これまで何度も映像化されてきた名作文学「オズの魔法使い」を軸に、誰がオズを支配するのかという斬新なミステリーを織り込んだ鬼才ターセム・シン監督。プエルトリコ出身のアドリア・アルホナや、インド出身のターセム監督といった国際色豊かなキャストとスタッフが揃い、ドラマの常識を覆した作品と言えるでしょう。
最後に
『FRINGE/フリンジ(2010年)』や『LOST(2005年)』を手掛けるJ・J・エイブラムスを筆頭に、ファンタジードラマに熱い情熱を捧げるクリエイターは多くいます。近年の映像技術は、まさに"ファンタジー"というジャンルに相応しい特別なものであり、どの作品もその技術を存分に使い、観る者の想像力をさらに先へと導いてくれます。
子ども向けの空想の世界だけでなく、クリエイターの創り出す別世界を共有できるのもファンタジードラマの魅力でしょう。今回ご紹介した作品の中から少しでも興味を持ったものがあればぜひ観てみて下さい。
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