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今さら聞けない！『千と千尋の神隠し』あらすじと見どころ

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近年『アナと雪の女王（2014年）』、『君の名は。（2016年）』といった大ヒット映画が続出する中、依然として日本の映画の興行収入で1位に輝いているのが、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し（2001年）』です。今回は『千と千尋の神隠し』のあらすじや見どころを、キャラクターなどの解説を交えてご紹介します。

『千と千尋の神隠し』のあらすじ

千と千尋の神隠し
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10歳の少女・千尋（柊瑠美）は、両親と車で新居に向かう途中、森にひっそりと佇むトンネルに迷い込みます。何か異様な雰囲気を感じ取り、トンネルを抜けることを怖がる千尋。しかし両親は彼女をなだめ、トンネルの向こう側へ。そこは神様たちの住む世界で、人間のそれとは別次元の場所でした。そうとも知らず、立ち並ぶ無人の店にあった食べ物を無断で口にした両親は豚へと変貌してしまうのでした。

いつの間にか帰り道も無くなり、元の世界に戻ることができない千尋はパニックに陥りますが、謎の少年ハク（入野自由）がこの世界で生きていく方法を教えてくれます。それは魔女の湯婆婆（夏木マリ）が仕切る、銭湯「油屋」で働くということ。千尋は湯婆婆と仕事の契約を交わし、「千」という新たな名前を与えらることに。



『千と千尋の神隠し』の主要キャラクター

荻野千尋/千（CV:柊瑠美）

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

本作の主人公で、両親を豚に変化させられてしまい油屋で働くことになった10歳の少女。公開直前のドキュメンタリーによれば、宮崎駿監督の知り合いの娘をモデルとしており、彼女も10歳だったため、千尋の年齢も10歳に設定したそうです。

声を担当した柊瑠美は人気ドラマ『すずらん（1999年）』、『野ブタ。をプロデュース（2005年）』などにも出演の女優。

ハク（CV:入野自由）

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

千尋が神隠しにあってから初めて出会った人物で、湯婆婆の元で働かせることで彼女を窮地から救います。湯婆婆の弟子で湯屋では帳場を担当。湯婆婆の魔法で名前と過去を忘れてしまっていますが、何故か千尋と過去に出会ったことは覚えていました。

声を担当した、入野自由はアニメ声優だけでなく俳優、歌手としても活動をしており、声優の神谷浩史と一緒にKAmiYUという音楽ユニットを組んでいます。

湯婆婆/銭婆（CV:夏木マリ）

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

湯婆婆は湯屋「油屋」の経営者であり、魔法を使い従業員たちを支配しています。しかし赤ちゃんの坊（神木隆之介）には弱く、彼には逆らうことができません。千尋の本名を奪い、「千」という名前を与えた人物でもあります。一方、銭婆は湯婆婆の双子の姉です。高圧的な湯婆婆と違い温厚な性格をしています。人型の紙の分身を使って千尋を見守り彼女を支えます。

声を担当した夏木マリは歌手・女優。本作での怪演が見事にハマり、個性派な女優として数多くのドラマ・映画・舞台に出演しています。

夏木マリ公式Instagramアカウント（@mari_natsuki）より
近年はバンド活動も意欲的に行い、そのエネルギッシュな姿が「かっこいい」と女性から多くの支持を集めています。

坊（CV:神木隆之介）

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

湯婆婆の息子で巨大な赤ちゃんです。癇癪を起こすと大変で、暴れて泣き喚き、部屋を破壊してしまいます。銭婆にネズミに変身させられた後は千尋と共に旅をし、彼女の仲間となります。

声を担当した神木隆之介はデビュー後、人気子役として数多くのドラマや映画に出演し、初主演映画『妖怪大戦争（2005年）』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。

神木隆之介公式Instagramアカウント（@kamiki_ygm）より

他にも『ハウルの動く城（2004年）』、『借りぐらしのアリエッティ（2010年）』、『メアリと魔女の花（2017年）』と、多くのジブリ作品に声優として出演しています。アニメ映画『君の名は。（2016年）』では立花瀧役で主演を務めるなど、俳優としてだけでなく近年では声優としても引っ張りだこです。

カオナシ（CV:中村彰男）

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初めは正体は分からないものの、気前のいいお客だと思われていましたが、物語の後半で化け物だと判明します。暴走して油屋を荒らしまわった時は、湯婆婆でも手が付けられませんでした。千尋とともに銭婆のもとへ向かい、今は銭婆の家で大人しく暮らしています。

声を担当した中村彰男は、文学座に所属する俳優。主に舞台俳優として活躍していますが、ドラマ『銭形平次』などに出演し声優としても活躍しています。

リン（CV:玉井夕海）

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

油屋の従業員であり、千尋に色々と仕事を教えて面倒を見ている姉御肌。千尋にとっては頼れる上司のような存在で、彼女の成長を一番身近で見てきた人物でもあります。好きな食べ物はイモリの黒焼き。

声を担当した玉井夕海はバンド「渋さ知らズ」のヴォーカルであり、女優・声優・脚本家としても幅広く活躍しています。映画『もんしぇん（2006年）』では主演・脚本・音楽という３役を務めました。

釜爺（CV:菅原文太）

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

ボイラー室で真っ黒の虫「ススワタリ」とともに仕事を行なっている老人です。蜘蛛のような外見から伸びる複数の手足を使い、歯車を回したり薬を調合したりと多くの作業を並列して行っています。人間の身分から煙たがられてしまう千尋を、「自分の孫だ」と庇ったり、疲れて寝ている千尋に布団かけてあげるなど優しい一面も。

声を担当した菅原文太は、『仁義なき戦い』シリーズや『トラック野郎』シリーズなどで昭和の映画界を支えた日本を代表する俳優。またジブリ映画では『ゲド戦記（2006年）』の大賢人ハイタカ（ゲド）の声も担当しました。

荻野明夫（CV:内藤剛志）

千尋の父親で建築会社に勤めるサラリーマン。引っ越しの途中で不思議の町に迷い込んでしまい、町の飲食店で勝手に食事に手をつけてしまい豚の姿に変えられてしまいます。モデルは、千尋のモデルとなった娘の父親。

声を担当した内藤剛志は、"27クール続けて連続ドラマ出演"という日本記録を打ち立てた俳優です。ジブリ作品には『ゲド戦記（2006年）』、『コクリコ坂から（2011年）』にも出演。

荻野悠子（CV:沢口靖子）

千尋の母親。不思議な町に迷い込んだ際に、夫の明夫と一緒に町の飲食店で食事をして豚の姿に変えられてしまいます。モデルはジブリ出版部に勤務する女性だそうです。

声を担当した沢口靖子は、東宝主催のオーディション「東宝シンデレラ」の第1回グランプリを受賞したことをきっかけに女優デビュー。人気テレビドラマシリーズ『科捜研の女』に18年にわたり出演中。

『千と千尋の神隠し』の見どころって？

千尋の成長

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

千尋は湯婆婆に動物に変えられてしまわないよう、油屋で必死に働きます。初めは挨拶や簡単な仕事ですらまともにこなせず、上司のリンにドジな奴だとなじられることも多々。千尋は辛くて泣き出してしまうこともありましたが、だんだんと仕事に慣れ、精神的にも強くなり、油屋でも目立つ存在へとなっていきます。

物語の後半では、リンに鈍臭いと言ったことを取り消してもらいました。物語序盤の千尋は、不安とあどけなさが入り混じったなんとも頼りない表情でしたが、終盤では自身に満ち溢れ、まるで人が変わったかのよう。このような、千尋が成長していく様子は観ていて感慨深いものがあります。

世界観

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

本作の舞台は日本の様々な神様が集まる不思議な町。黒い影だけの生き物や、仮面を被った神様といった独特なキャラクターが続々と登場します。そして作品の主な舞台でもある油屋は、和の雰囲気を色濃く感じさせつつも、ところどころ洋の要素を取り入れた、日本古来の建造物を彷彿とさせるスタルジックな建物。

さらに背景の細やかさ、密度の濃いアニメーションや、暖かく優しい作風を表現している音楽の素晴らしさは、全ジブリ作品に共通する見どころでしょう。

『千と千尋の神隠し』作品情報

監督は日本を代表するアニメクリエイター宮崎駿。本作は日本の映画賞のみならず、ベルリン国際映画祭の金熊賞、米アカデミー長編アニメーション部門賞、ベネチア国際映画祭で名誉金獅子賞を受賞しました。ジェームズ・キャメロンやギレルモ・デル・トロ、ジョン・ラセターなど、海外の名だたる監督たちも宮崎駿の影響を受けているのです。

プロデューサーは鈴木敏夫。スタジオジブリに移籍後は同スタジオの全作品を手がけ、ヒットを仕掛ける宣伝プロデューサーとしての一面もあります。

本作の興行収入は308億円で、日本国内の興行収入ランキングでは断トツの1位。2位は『タイタニック（1997年）』の262億円、3位は『アナと雪の女王（2014年）』は254億円、2016年に大ヒットした『君の名は。』は250億円でランキング4位。『千と千尋の神隠し』が頭一つ抜きん出ているのが分かります。

劇中のモデルと噂される実在の場所

金曜ロードショー公式Twitterアカウント（@kinro_ntv）より

公開直前スペシャルの映像によると、「江戸東京たてもの園」という場所が本作品でのモデルにされたようです。また、道後温泉本館や渋温泉金具屋、湯原温泉油屋など、多くの場所がモデルとして考察されています。視聴者が考察したものの1つに台湾の「九份」がありますが、これに関しては違うと公言されています。宮崎駿監督曰く、「映画を作る際には身近なものをモデルにしており、よく元ネタの場所を世界中から考察されることがありますが、それだけ世界には似ている場所が多い」ということだそうです。

最後に

『千と千尋の神隠し』はクオリティの高いアニメの映像と、ストーリーなどで多くの人気を獲得しました。本作に限らず、ジブリや宮崎駿監督の作品はいつも注目の的。また宮崎駿監は2013年公開の『風立ちぬ』を最後に長編制作から引退することを発表しましたが、2017年にプロデューサー・鈴木敏夫が新作長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』を手がけていることを発表しました。内容は冒険活劇ファンタジーということで、宮崎駿監督の最新作公開が待ち遠しいですね！

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