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原田泰造「頑張って良かった」映画『ミッドナイト・バス』舞台挨拶

第30回東京国際映画祭の特別招待枠作品『ミッドナイト・バス』が、11月2日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズでワールドプレミア上映されました。上映前には記者会見・舞台挨拶が行われ、主演の原田泰造さん、山本未來さん、小西真奈美さん、七瀬公さん、川井郁子さん、竹下昌男監督らが登壇しました。

『ミッドナイト・バス』作品紹介


ARK Entertainment YouTubeチャンネルより

本作は直木賞候補の傑作ヒューマンドラマ伊吹有喜さんの同名小説を完全映画化。

主人公は新潟と東京を行き交う深夜高速バスの運転手・高宮利一(原田泰造)。自分が運転するバスに元妻・美雪(山本未來)が乗車し16年ぶりに再会を果たします。
突然現れた母を前に動揺する息子・怜司(七瀬公)と娘・彩菜(葵わかな)。元妻の出現に戸惑う、利一の恋人・志穂(小西真奈美)。

利一は「父親」としての自分と「男性」としての自分の間で揺れ動きます。様々な葛藤の中で壊れた家族がもう一度向き合い、それぞれの人生の1歩を踏み出し、再出発していく姿を描いた物語です。



『ミッドナイト・バス』記者会見&舞台挨拶レポート

高宮利一役:原田泰造さん

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主人公・高宮利一役を演じた原田さんは2004年に主演した映画『ジャンプ』以来、竹下監督とは2度目のタッグ。
まず会見最初に「は〜らだ、たいぞうです♪」とお馴染みのギャグで自己紹介。場内の雰囲気を和ませると取材陣からも拍手が起こりました。

緊張がほぐれたところで原田さんは「作品の第一印象は画の美しさでした。ストーリーもゆっくり流れていき、傷ついた人たちがひとつになって再出発していく。温かくて感動的な映画に出演できて本当に頑張って良かったと思いました。そして、映画祭でこんなに写真を撮ってもらえてよかったです。」と満面の笑みで感想を述べました。

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利一を演じるにあたり、大型自動車の免許を取得した原田さんは「教習所の方にも協力していただいてとても楽しかったです。実際にバスを運転して、本当の運転手さんに褒められたのが嬉しくて。やっぱり、僕は褒められて伸びるタイプだと思いました。」と役作りのための免許取得も苦ではなかったと語りました。

続けて「今、元妻と恋人の間に座っているんですが、今も僕の中にかすかに利一が残っているようで、複雑な気持ちになります。改めて石田純一さんってすごいな!と、思います。あれ?質問はなんでしたっけ?(笑)」と話すと再び会場を沸かせていました。

加賀美雪役:山本未來さん

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山本さんが演じた利一の元妻・美雪は16年前に別れた利一と再会し、過去に引き戻されるかのように利一に惹かれていく女性。

山本さんは「別れた夫にまた惹かれてしまう女性がいるのか、という心理を監督やスタッフの方々と話しました。」と最初は役作りに迷いがあったと述べました。

「でも、原田さん演じる利一と接する中で、原田さんのたおやかで優しい人柄と利一のキャラクターが重なり、こういった男性に惹かれていくことがあるのかもしれない、と体感して役に投影することができました。」と語りました。

古井志穂役:小西真奈美さん

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小西さん演じる志穂は利一と10年という長い歳月を一緒に過ごしていて、東京で定食屋を営んでいる女性。

小西さんは「利一を一途に思っているところが半分あるけれど、でも半分はお店を切り盛りしないといけないという現実にも直面していて。まっすぐに気持ちを伝えたり向き合ったりしていく、さじ加減をどう表現していくか監督と話しながら演じました。」と役作りについて語りました。

また、原田さんからは「小西さん凄い晴れ女なんです。雪が降らなければいけないシーンでも小西さんがいると雪がぴたっとやんでしまって。そうすると監督が「小西さんを隠せ!」って、車に軟禁されてましたよね(笑)」と現場での思いがけないエピソードを披露してくれました。

高宮怜司役:七瀬公さん

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七瀬さんはオーディションによって本作の出演が決定。「昔、新潟に住んでいた縁もあって怜司役になれたのかもしれない。」と怜司役に選ばれたことについて語りました。

役作りについては「怜司と自分は割と似ているところがあるなと思いました。身内にやさしさを向けることが恥ずかしく感じる怜司の気持ちが最初から分かったので、自然体で演じることができました。」と思いを語ってくれました。

また、原田さんと山本さんとは撮影以外でも話をして過ごしたことに触れ、山本さんとは一緒にご飯にも行って本当の家族のような時間があったと振り返っていました。

音楽:川井郁子さん

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映画の音楽を担当した川井さん。「新潟の美しい自然と、日本人特有の誠実でちょっと不器用な優しさが表れていて、それでいてどこかヨーロッパ映画のような余韻が残るような映画です。」と作品の仕上がりに満足な表情を浮かべていました。

曲作りについては「一番大きなインスピレーションになったのは夜行バスです。そして運転する原田さんの表情がメロディーをくれたような気がします。いくつか曲が生まれた中でこの曲が1番、バスを運転する原田さんがかっこよく見える曲に仕上がったと思います。」と語りました。

そして、「劇中に登場するアイドルが歌う曲も書きました。とても新鮮な経験でした。」と曲作りの意外なエピソードを披露してくれました。

監督:竹下昌男さん

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本作でメガホンを取った竹下監督は「小説に出会ったのは今から3年前(2014年)。当時、新潟で別の映画の撮影があって、新潟の風景は映画を豊かにしてくれるロケーションだと思いました。そんな時に伊吹さんの小説と出会って新潟で撮影しようと思いました」と映画化の経緯を振り返りました。

「ちょうど1年前を振り返るとキャスティングの最中で製作にも入っていなかったのに、1年後に国際映画祭にいるというのは感無量です。新潟日報社さんをはじめ、いろんな方のサポートを受けて成立した映画です。できるだけたくさんの方に見ていただきたいと思います。」と作品が出来上がるまでの経緯に思いを馳せながら、ロケ地新潟への感謝の意を述べました。

『ミッドナイト・バス』は2018年1月20日(土)より新潟先行ロードショー、1月27日(土)より有楽町スバル座ほか全国ロードショー。(公式サイトはこちら

『ミッドナイト・バス』作品情報
■監督:竹下昌男
■音楽:川井郁子
■出演:原田泰造、山本未來、小西真奈美、葵わかな、七瀬公、長塚京三
■原作:「ミッドナイト・バス」(伊吹有喜著/文春文庫)
■企画協力:文藝春秋
■制作プロダクション:ストラーダフィルムズ
■配給:アークエンタテインメント