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『オーシャンズ13』を観るべき理由!個性豊かなキャラクターたちをご紹介

映画『オーシャンズ13(2007年)』は、当時ハリウッド俳優の誰もが出演したがったスティーブン・ソダーバーグ監督の作品『オーシャンズ11(2002年)』『オーシャンズ12(2005年)』に続く3作目です。今回は『オーシャンズ13』について、魅力あふれるキャラクターたちに焦点を当てて解説していきます。

『オーシャンズ13』あらすじ

オーシャンズ13
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犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」のメンバーであるルーベン(エリオット・グールド)は、悪名高いホテル王ウィリー・バンク(アル・パチーノ)と、ラスベガスにカジノホテルを建設する約束を結んでいました。しかし裏切られ、心筋梗塞で倒れてしまいます。ルーベンを裏切ったバンクへの復讐のために「オーシャンズ」は再結成され、バンクのカジノを破綻させるとともにホテルの格付けを落とす2つの計画を実行します。



『オーシャンズ』シリーズとは?

『オーシャンズ』シリーズは3作品とも時系列でストーリーが繋がっています。主人公のダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)は凄腕の泥棒であり詐欺師。相棒のラスティー・ライアン(ブラッド・ピット)とともに、犯罪ドリームチームの「オーシャンズ」を結成して大規模な犯罪を企てます。

オーシャンズ11
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『オーシャンズ11』では、ラスベガスのホテルから現金の強奪に成功しましたが、『オーシャンズ12』は強奪したホテルのオーナーであるテリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)から返金を迫られ、仕事がしにくくなったアメリカを離れてヨーロッパを舞台に怪盗“ナイト・フォックス”ことフランソワ・トゥルアー(ヴァンサン・カッセル)との泥棒対決に挑みます。この2作に続くのが『オーシャンズ13』です。

オーシャンズ12
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ウィリー・バンクの裏切りによって倒れたルーベンの仇を討とうとする「オーシャンズ」のダニーとラスティー。天才グレコ・モンゴメリー(ジュリアン・サンズ)による世界最高の人工知能セキュリティシステム「グレコ」によって完璧に守られているカジノホテル「バンク」への潜入計画を、旧友のローマン・ネーゲル(エディー・イザード)と共に念密に考えます。

セキュリティは究極の人工知能。シリーズ最高の不可能犯罪に挑む!

※ここからは『オーシャンズ13』のネタバレを含みます。

実行計画は簡潔です。地下から巨大ドリルで人工的に地震を起こし、世界最高のセキュリティシステム「グレコ」に強力な磁石を運び込んでシャットダウンさせる。そして再起動までの3分30秒の間に、カジノのゲームの全てで客に勝たせ続け、カジノを破綻させるというもの。

さらに、「グレコ」攻略によるカジノ破綻と並行して、ホテルの格付けを落とす計画も進行させます。その計画はシンプルで、ホテルの格付け審査員(デヴィッド・ペイマー)にあらゆる嫌がらせをするというものでした。偽物の格付け審査員をウィリー・バンクに接触させているうちに、本物のホテルの格付け審査員には、手ひどい嫌がらせのオンパレード。挙句には「バンク」の従業員に変装した仲間が、難癖をつけて審査員を部屋から追い出してしまいます。これで「バンク」の評価は地に落ちました。

しかしどんなプランにもトラブルは付き物。「オーシャンズ」の当初の計画はこの2つでしたが、人工地震を発生させるドリルが壊れてしまったことで、「オーシャンズ」は新しいドリルの資金を得るために因縁の相手テリー・ベネディクトと接触することになります。テリーは資金を提供する代わりに、最も収奪が難しい5ダイヤモンドを盗み出すように指示したのです。それは最高級ホテルの称号であり、ウィリー・バンクのプライドの象徴でもありました…。

『オーシャンズ13』をクールに盛り上げるメンバーたち


YouTube ムービー チャンネルより

『オーシャンズ』シリーズの特徴はなんといっても、ユーモアに富んだ軽口や会話。そして、前作の『オーシャンズ12』では復讐される立場だったメンバーが、『オーシャンズ13』では復讐する側に回ったこともあってか、ノリの良さがさらに増して明るく楽しい映画となっています。シリーズを常に盛り上げ、今作でも史上最高の不可能犯罪を成功させるために活躍する中心メンバーをご紹介します。

ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)

『オーシャンズ』シリーズの主役で、犯罪ドリームグループ「オーシャンズ」のリーダー。ダニーは天才的な泥棒で、同時に詐欺師の肩書きとカリスマも持ち合わせています。『オーシャンズ』シリーズは、彼が出所するところから始まっているのです。

ダニーはひたすらノリが良く、仲間思いな人物でもあります。ダニーと右腕のラスティーが考える犯罪計画は緻密で穴がなく、しかも独創性があり芸術的とすら言えるほどですが、決して飛躍しすぎということもありません。しかもより魅力的なのは、完璧とすら思える計画を練り上げておきながら、いざ実行すると作戦は失敗続きというところ。お約束のように舞い込む予期せぬトラブルによって、うまくいきすぎないところが毎回ハラハラさせてくれるのです。抜け目の無い計画と周到な準備を飛び越えて問題を引き寄せるのですから、生来からのトラブル体質と言えるのかもしれません。

ラスティー・ライアン(ブラッド・ピット)

ダニー・オーシャンの相棒で、彼と同様に泥棒兼詐欺師のラスティーは、いつもクールでスタイリッシュなモテ男。ダニーとラスティーの軽快でユーモア溢れるやりとりが、『オーシャンズ』シリーズのノリの良さとリズムを作っています。『オーシャンズ13』ではモテ男の真の実力こそ発揮されませんが、ダニーは会社で例えると社長、ラスティーは経営陣でありながら現場責任者という立場で、計画の実質的リーダーとして指揮をとっています。人柄でカリスマを発揮するダニーと、キレ者指揮官のラスティーというバランスの取れた関係です。

フランク・キャットン(バーニー・マック)

フランクは『オーシャンズ』シリーズのもう1人の主役ともいえる存在です。監督ソダーバーグが、フランク役のバーニー・マックが死去したことで『オーシャンズ』シリーズの続編は作らないと宣言したことからも、彼の存在の大きさがわかります。『オーシャンズ13』ではイカサマディーラーとして天敵ベネディクトとタッグを組み、ウィリー・バンクを騙すという大仕事を成し遂げています。フランクはオーバーなアクションと大きな声で周囲を巻き込んで騙すのが得意であり、『オーシャンズ』シリーズのゴージャズ感を体現している存在とも言えます。

ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)

『オーシャンズ11』では「オーシャンズ」のマスコットとしてメンバーからいじられていたライナスでしたが、『オーシャンズ13』ではダニーとラスティーに次ぐ重要ポジションに抜擢されています。5ダイヤモンドを奪うためにウィリー・バンクの女秘書を誘惑する役目を担い、最後は伝説の泥棒である父親ボビー・コールドウェル(ボブ・アインシュタイン)の力を借りながらも、見事に成功させました。つけ鼻をつけて秘書の気を引くビジュアルは、あまりにもベタで笑ってしまいます。

他にも、例えばイカサマする機械の製造を担うという重要なポジションに抜擢されておきながら、ことごとく失敗する愛らしいリヴィングストン・デル(エディ・ジェイミソン)など、先に挙げた登場人物以外にも個性豊かなキャラクターたちが目的に向かった協力プレイを演じて楽しませてくれます。キャストの豪華さとキャラクターの濃さは『オーシャンズ』シリーズに共通した見どころと言るでしょう。

最後に

「オーシャンズ」は犯罪ドリームチームですが、決して天才とは言えない、むしろ半人前の仲間が揃っているのです。ドタバタしながらもなんとか結果的に成功してしまう、ここが『オーシャンズ』シリーズのポイント。多大なるラッキーが含まれた作戦成功のシナリオはまさにデウス・エクス・マキナと言えますが、その緩急こそが何度も観返したくなるカタルシスを生んでいます。

また『オーシャンズ13』に関しては、散々な目に遭わされた一番の被害者であるホテルの格付け審査員にも、最後は空港でご褒美が待っています。この後味の良さも今作が愛されてやまない理由でしょう。悪人には容赦しませんが、仲間思いで、最後にはすべてを丸く収めてしまう「オーシャンズ」。『オーシャンズ13』はそんな彼らのスタイルが顕著に表れたエンターテイメント映画です。まだご覧になっていない方は、ぜひお試しください。