今回はそんなオダギリジョーが出演するおすすめの映画を10作品ご紹介します。
目次
血と骨【2004年】
あらすじ
高利貸しをしながら蒲鉾工場で働く金俊平(ビートたけし)は、暴力で人を支配しヤクザからも恐れられていました。李英姫(鈴木京香)をレイプし強引に結婚した彼は、欲望のままに愛人を囲い、息子の正雄(新井浩文)や朴武(オダギリジョー)にも暴力を振るう毎日。そんな金俊平の人生の意味とは…。
見どころ
一旗揚げようと、韓国の済州島から日本の大阪へ渡ってきた金俊平の半生を描いた物語。主演をビートたけしが務めたことで話題になり、鈴木京香との激しい濡れ場があると公開前から注目されました。アクション映画とは違った生々しい暴力シーンが多く、人によっては観終わると少し気疲れする作品かもしれません。
オダギリジョーがビートたけしと喧嘩するシーンは印象的で、彼はこの作品で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を獲得しています。
ゆれる【2006年】
あらすじ
田舎を離れ、東京で写真家として活躍する猛(オダギリジョー)はある日、兄の稔(香川照之)が切り盛りするガソリンスタンドを営む実家に帰省。そこで猛は昔の恋人である智恵子(真木よう子)と再会し、一夜をともにしてしまいます。猛にまだ気がある智恵子と、それに気づかないふりをする猛。
その翌日、猛は稔と智恵子の3人で渓谷へ遊びに行きますが、智恵子が吊り橋から落下して死亡。傍にいたのは稔1人だけだったため、事故か事件か裁判に持ち込まれることに。容疑者となった稔の前で猛は何を語るのか…。
見どころ
西川美和監督作品の中でも、最高傑作との呼び声が高い本作。オダギリジョーと香川照之の演技が素晴らしく、何度観ても感動することでしょう。脚本のクオリティが特に高く、ヨコハマ映画祭や高崎映画祭など、国内の多くの映画祭で監督賞や脚本賞を受賞しました。ピエール瀧や新井浩文といった脇を固める実力派俳優にも注目。
東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~【2007年】
あらすじ
1960年代、3歳のボク(谷端奏人)は真夜中に帰ってきた酔っ払いのオトン(小林薫)に焼き鳥の串を食べさせられ、怒ったオカン(内田也哉子)がオトンをフライパンで殴ります。この出来事を最後に、オカンはボクを連れて実家のある築豊へ帰ることに。
オカンは妹のブーブーおばさん(猫背椿)の小料理屋を手伝いながら、ボクを女手一つで育てようとしますが…。
見どころ
リリー・フランキーの同名小説を映画化した作品。原作は200万部を超える大ヒットとなり、映画も日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝きます。オダギリジョーはリリー・フランキーの印象が強すぎるという理由で、主演のオファーを半年間も断り続けたとか。しかし映画を観てみると、オダギリジョーはちゃんとボクとしての存在感を遺憾なく発揮しています。
話題性のある原作を演じることは、役者にとって相当なプレッシャーのはずですが、オダギリジョーはその壁を乗り越え、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を獲得しました。
転々【2007年】
あらすじ
大学8年生の竹村文哉(オダギリジョー)は84万円の借金を抱えいるにも関わらず、パチンコをしたりどうしようもない生活を送っていました。そんなある日、自分の東京散歩に付き合ってくれたら100万円をあげる、と言ってきた借金取りの福原(三浦友和)。胡散臭いとは思いながら、彼の言う通りにする竹村でしたが…。
見どころ
三木聡が監督を務めた本作。同監督の作品と聞くとコメディかと思ってしまいますが、切なくてじんわりとくる作品に仕上がっています。安定した演技を披露するオダギリジョーと、幅の広い演技を見せる三浦友和とのコンビがとても良い化学反応を起こし、脇を固める岩松了や松重豊、ふせえりなどもいぶし銀の活躍です。
たみおのしあわせ【2008年】
あらすじ
神埼民男(オダギリジョー)は亡くなった母の実家で父親と2人暮らし。未だ独身で何度もお見合いを重ねますが、上手くいきません。引きこもりがちな息子を心配する父親の伸男(原田芳雄)は、部下の雪江(大竹しのぶ)と交際していますが、息子を差し置いて幸せにはなれないと、民男には内緒にしていました。
そんなある日、お見合い相手の三枝瞳(麻生久美子)が、民男とこれからもお付き合いをしたいと言ってきます。民男にはもったいないくらいの美人でしっかりした家の女性なのですが…。
見どころ
テレビ朝日系のドラマ「時効警察」でタッグを組んだ岩松了監督とオダギリジョー、麻生久美子が再結集した作品です。オダギリジョーと原田芳雄の演技はさることながら、麻生久美子がとにかく綺麗。コメディタッチですが哲学的でもあり、ブラックジョークを少し効かせた岩松了監督らしい演出です。
これまでのイメージとは正反対の地味なキャラクターを演じたオダギリジョーに注目。
悲夢【2009年】
あらすじ
彫刻師のジン(オダギリジョー)は別れた彼女が忘れられず、いつも夢遊状態でした。ジンはある日、交通事故が起きる夢を見ます。目が覚め夢の中に出てきた事故現場を探すジンは、そこで別れた男を憎む女性ラン(イ・ナヨン)に出会います。ジンはランが夢で見た通りに行動していることに気づき…。
見どころ
監督は鬼才キム・ギドク。ジンの日本語に多少違和感は感じますが、キム・ギドクのシュールな世界観が存分に描かれています。ジンの衣装は黒、ランの衣装は白といったコントラストの美しい演出。同じくキム・ギドクが監督を務める『うつせみ(2006年)』を観てからこの作品を観ると、同監督の作品を通した共通点や相違点を発見できてさらに楽しめるでしょう。
マイウェイ 12,000キロの真実【2012年】
あらすじ
日本の統治下にあった朝鮮・京城。憲兵隊司令官の祖父と医者の父を持つ長谷川辰雄(オダギリジョー)は、ランニングをしていたキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)を目にしてその才能に感化されます。これを機に、東京で1番の陸上選手と自負していた辰雄のライバル心に火が付いたのでした。
辰雄とキムは互いをライバルと認め切磋琢磨していきますが、育った環境や国籍が違うため戦う舞台が見つからない2人。そして日本人と朝鮮人であるということから、彼らは徐々に対立していき…。
見どころ
韓国映画界が総力を挙げて作った作品で、宣伝にも力を入れていたためタイトルを目にした方も多いのではないでしょうか。製作費は20億超えとも言われ、オダギリジョーも名前が最初にクレジットされるなどのVIP待遇。国を超えた男の友情を描く本作はオダギリジョーはもちろん、チャン・ドンゴンの迫真の演技に圧倒もされます。
舟を編む【2013年】
あらすじ
辞書「大渡海」を新しく刊行する玄武書房の辞書編集部。定年退職を間近に控えていた編集者の荒木公平(小林薫)は、後任として馬締光也(松田龍平)を抜擢します。馬締は普通とはズレていて社内でも浮いていたため、荒木に抜擢されるがまま辞書編集部に異動。彼は持ち前の粘り強さで徐々に編集者としての力を発揮していくのでした。
見どころ
どこか抜けた感じの馬締を演じる松田龍平の演技も良いですが、先輩の西岡を演じるオダギリジョーが良い味を出しています。他にも小林薫、加藤剛、池脇千鶴など豪華なキャストが揃い、テンポの良い作品です。
馬締か西岡のどちらかが、辞書編集部を去らなければならないと言われて自ら異動を申し出た西岡。西岡がいないと困ると懇願する馬締。この2人の掛け合いがとても印象的です。本作は日本アカデミー賞で最優秀作品賞を始めとする多くの賞を獲得しています。
湯を沸かすほどの熱い愛【2016年】
あらすじ
双葉(宮沢りえ)は家出した夫(オダギリジョー)の代わりにパン屋で働きながら、女手一つで娘の安澄(杉咲花)を育てていました。そんなある日、職場で倒れた双葉は病院で余命2、3ヶ月の末期がんを宣告されます。
しかし双葉は落ち込む暇もなく、今やるべきことを次々と行動に移すことを決意。まず初めに不登校の安澄と、きちんと向き合うことにするのでした。
見どころ
日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞と、最優秀助演女優賞を獲得した作品。宮沢りえの説得力のある演技も圧巻ですが、ダメ親父を演じるコミカルなオダギリジョーも最高です。近年は三枚目を演じることも増えてきた彼の新鮮なキャラクターに注目。
エルネスト もう一人のゲバラ【2017年】
あらすじ
1962年、医者を志してキューバの国立ハバナ大学へ留学した、日系2世のフレディ前村ウルタード(オダギリジョー)。彼はキューバ危機の状況下でチェ・ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)と出会い心酔。ゲバラの部隊に参加することを決意します。ゲバラから「エルネスト」の名前を授けられた前村は、ボリビア軍事政権へと立ち向かっていき…。
見どころ
日本とキューバの合作映画。オダギリジョーはこの作品を全編スペイン語で演じています。キューバで1ヶ月かけて撮影された本作は映像がとても美しく、オダギリジョーは初の外国人役を演じ、かなりシリアスな演技に挑戦。本作で初めてゲバラが広島に来ていたことを知った人も多いのではないでしょうか。
最後に
海外の作品にも数多く出演し、日本を代表する名優オダギリジョー。『仮面ライダークウガ』で注目を浴び、その後は一気にスターダムにのし上がりましたが、マスコミに迎合することなく独自の俳優道を歩んでいます。今回紹介したオダギリジョーが出演する10作品の中で、1つでも興味を持ったものがあればぜひ観てみて下さいね。
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