特に憑依型の俳優は演技がうまいという次元を超えて、役柄によって顔つきや風貌まで変わってくるため、一瞬誰かわからなかった!と言わせてしまうほど変化します。
そんな瑛太が出演する映画を厳選して10作品紹介していきます。
目次
まほろ駅前多田便利軒【2011年】
あらすじ
まほろ駅前で便利屋を営む多田啓介(瑛太)の元にやってくるのは、犬の飼い主探しや習い事の送迎といった些細な依頼ばかり。そんなある日、中学時代の同級生である行天春彦(松田龍平)が転がり込んできました。行天と共に暮らすことになった多田は、一見些細に思える依頼の裏側にある重い現実に気付き始めることになります。
見どころ
人生にくたびれたような風貌の多田は口は悪いけれど真面目。不思議で掴みどころのない行天は実はすごく優しい。次第に重いものとなっていく依頼は、突拍子もないように見えてしっかりと時系列で進む物語に繋がっていきます。ワケアリで純粋な男2人が欲しいのは、ただ単純に「幸せ」なのかもしれません。演技力が高い瑛太と松田龍平の独特の掛け合いがクセになる作品です。
ワイルド7【2011年】
あらすじ
いつの時代も存在する手の付けられない悪党。「悪には悪を」と超法規的警察組織で集められたのは、飛葉大陸(瑛太)をはじめとする全員が殺人犯歴のある7人の男たちでした。ある日、「ワイルド7」と名付けられた彼らに出動命令が下されます。しかし犯人を追い詰めたところで、謎のスナイパーが現れて犯人を射殺されてしまうのでした。
見どころ
この映画の見どころはまさにハリウッド並みのスケールで描かれるワイルド7の出動シーンでしょう。そして極悪犯罪を犯した過去のある彼らの身を挺した友情も苦しくなるほどに感動的です。そしてワイルド7といえばなんといってもバイク。メンバーが乗っているそれぞれのバイクの車種を公式に発表しているほどのこだわりを見せているので、バイク好きの方にも必見です。
ミックス。【2017年】
あらすじ
彼氏を寝取られ会社も辞め、地元に戻ることになった元天才卓球少女の富田多満子(新垣結衣)と、元プロボクサーという過去の栄光しか語れることのないバツイチの男、萩原久(瑛太)。卓球界を背負って立つ選手となった元カレを見返すべく、ウマが合わない萩原とミックスを組んで、前日本卓球選手権男女混合ダブルスへの出場を目指し猛特訓します。
見どころ
恋愛映画というよりコメディに近いこの作品ですが、仮にも全日本ダブルスを目指す設定のため、2人とも卓球の練習をしたそうです。特に瑛太は勝ちにこだわり、誰も返すことができないサーブを練習したそうなのでそこにも注目してみるといいかもしれません。
一命【2011年】
あらすじ
その昔、狂言切腹が流行していました。貧困に悩んだ若者がお金持ちの屋敷を訪れてこう言うのです。「お宅のお庭で切腹させていただきます」と。それはそんな事をされては困ると焦る家主から金を受け取るための狂言であり、千々岩求女(瑛太)も目的は同じでした。そして1人の男がまた庭先に訪れます。しかし津雲半次郎(市川海老蔵)と名乗るその男は狂言ではなかったのです。
見どころ
物語は凄惨な最後を遂げた1人の青年、千々岩求女を中心に進んでいくのですが、半次郎の並々ならぬ決意に考えさせられるのは「武士としての魂と人としての心」どちらが大切なのかというところです。瑛太は凄まじいという以外の言葉が思いつかないほどの描写を生々しく演じているので、これは芝居だ…と自分に言い聞かせながらみることをおすすめします。
余命1ヶ月の花嫁【2009年】
あらすじ
仕事をして恋愛もして長島千恵(榮倉奈々)はごく普通の女性として生活をしていました。ところがある日、乳がんが見つかり、宣告された余命は1ヶ月という信じられないほど短い時間だったのです。残された人生を精一杯生きる、そんな千恵をそれを支える婚約者の赤須太郎(瑛太)は千恵との結婚式を計画します。
見どころ
実話もので映画公開前からドキュメンタリー番組でも取り上げられていました。余命わずかでも明るく振る舞う千恵の姿や、千恵の願いを叶えようとする太郎の様子を演じる榮倉奈々と瑛太の演技力が素晴らしく、映画ということを忘れてしまいそうになります。笑顔を忘れなかった家族や友人の愛を描いた作品です。
64-ロクヨン- 前編/後編【2016年】
あらすじ
昭和最後の1週間、たった7日間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件「ロクヨン」は、その後、年号が改正された報道でもちきりとなり報道からも世間にからも忘れられ時代の狭間に落ちてしまっていました。
未解決のまま14年の時が経ち時効寸前となったある日、14年前の事件を彷彿とさせる事件が起きるのです。当時の捜査にあたっていた現広報官の三上義信(佐藤浩市)は被害者の父である雨宮芳男(永瀬正敏)に接触。「ロクヨン」の事件解決の糸口を少しずつ見つけていく三上ですが、そこにはさまざまな障害が待っていました。
見どころ
前編後編で公開されたこの作品から伝わるのは、物理的な時間経過が必ずしも前進とはならないということでした。14年という時間はとても長いように感じても「被害者やその家族にとってはひどく長い1日が続いている」そんな感覚を絶妙にうまく表現しています。瑛太は新聞記者の秋川役で三上と対立して常に上から目線で嫌味な態度を取る役どころですが、作品の中でも存在感が光っています。
好きだ、【2006年】
あらすじ
17歳のユウと17歳のヨースケ、上手に生きられない2人がひとつの曲のフレーズをきっかけに心の距離を縮めていきます。しかし若い2人に訪れる現実は簡単に乗り越えられるものではありませんでした。お互いの気持ちを伝えることが出来ずに17年という月日が経ちます。その間一度も会うことのなかった2人は意外な形で再会するのです。
見どころ
この作品ならではというところでおすすめしたいのは、独特のカメラワークです。見切れているようなカメラワークは日常をのぞき見しているような感覚になり、それによって簡単に感情移入できてしまうのです。
そしてこの作品はセリフがあまり多くなく、無言のシーンもあるほど。言葉では表現できない空気感のようなものを、宮崎あおいと瑛太は表情や動きだけで見事に表現しています。挫折と前進を繰り返す、不器用な2人の物語です。
アヒルと鴨のコインロッカー【2007年】
あらすじ
大学進学のため1人暮らしをすることになった椎名(濱田岳)は引っ越し早々、「誰かを待っていた」と言う謎の隣人の河崎(瑛太)と出会います。同じアパートに住んでいるドルジ(田村圭生)というブータン人に「広辞苑をプレゼントしたい」という理由で、河崎が椎名を誘ったのは本屋の襲撃でした…。
見どころ
伊坂幸太郎の同名小説を映画化。ひとつひとつのセリフのセンスが素晴らしく、少し遠回りな比喩表現が心地よく胸に残ります。観ている側は瑛太の話術に引き込まれていくでしょう。本屋襲撃の目的はなんなのか、隠されていることはなんなのか。想像していなかったラストが待っています。
銀色のシーズン【2008年】
あらすじ
念願だったモーグルでオリンピック出場を果たすも、夢半ばで挫折を余儀なくされた城山銀(瑛太)は町の厄介者でした。小鳩祐治(玉山鉄二)や神沼次郎 (青木崇高)とともに定職に継がず、ぼったくりの商売までしてしまう始末。そんなある日、結婚式場の見学のために綾瀬七海(田中麗奈)が町を訪れます。
見どころ
1つの嘘をついている女性とその嘘を知った男が起こす、はちゃめちゃな青春ストーリーです。本作の評判で「みていると、はちゃめちゃすぎる」という意見を目にしますが、その度を超えた突拍子のなさが逆に爽快だったりもします。瑛太がスキーを滑っているシーンはやっぱり観ていてカッコいいです。
ディア・ドクター【2009年】
あらすじ
とある小さな村の唯一の医者、伊野治(笑福亭鶴瓶)が失踪しました。患者に寄り添い医療だけではなく温もりすらも与えていた信頼される村自慢の医者です。しかし伊野治の素性を知る者は診療所で共に働いていた看護師の大竹(余貴美子)や、2ヶ月前にこの村へやってきて伊野治に指導をしてもらっていた研修医の相馬(瑛太)含め、誰1人として知っているものは居ませんでした。
見どころ
観終わった後に、自分の中にある「世の中でいう正義」というものがわからなくなってしまう作品です。嘘はダメ、しかし人を幸せにする嘘だってこの世には存在するんです。価値観の根底を覆してくる、圧巻の作品です。正義とはなんなのか、罪とはなんなのかを考えさせられます。相馬は研修医ゆえの未熟さや戸惑う様子を瑛太が見事に演じています。
最後に
瑛太出演のおすすめ映画を厳選してご紹介いたしました。作品のポスターや画像、予告などを見ていくと分かると思いますが、写真の顔つきからして全て別人のように写っているのです。憑依型俳優代表の凄まじさすら感じる役者です。今回紹介した作品もぜひご覧ください。
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