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語り継がれるアクションスター!名優・松田優作の出演映画10選

刑事ドラマ「太陽にほえろ!」で主役の座を獲得して以来、アクションスターとして一気にスターダムにのし上がっていった伝説の俳優・松田優作。『ブラックレイン(1989年)』で高倉健とともにハリウッドデビューを果たすも病に倒れ、志半ばで旅立っていきました。

現在は、息子である松田龍平、松田翔太も人気俳優として活躍しており、その器用な演技や端正な顔立ちから彼の面影を感じます。今回は、そんな名優・松田優作の出演映画からおすすめの10作を紹介します。

野獣死すべし【1980年】

 野獣死すべし
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あらすじ

東大卒のエリートで元戦場カメラマンの伊達邦彦(松田優作)は通信社を退職後、翻訳の仕事をしながらクラシックと読書を楽しむという、社会とは隔絶した生活を送っていました。ある日発生した、警部補刺殺事件と、そこで奪われた拳銃を用いた強盗殺人事件。容疑者として挙がったのは、伊達の名前でした。

見どころ

大藪春彦の同名小説を映画化。役づくりのために10kg以上減量し奥歯を4本抜くなど、松田優作の役者魂が見られる作品です。また、電車の中でリップ・ヴァン・ウィンクルの話をしながら、柏木秀行(室田日出男)追い詰めるシーンは、邦画史に刻まれる名シーンとなりました。
 



それから【1985年】

それから
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あらすじ

裕福な家庭に育ち、30歳になっても定職につかず、悠々自適な生活を送っていた代助(松田優作)。そんなある日、辞職を余儀なくされた親友の平岡(小林薫)は、妻の三千代(藤谷美和子)と共に就職の斡旋を依頼しに3年ぶりに代助を訪ねるのでした。当時、三千代に想いを寄せていた代助は再び彼女に惹かれていきます。

見どころ

夏目漱石の同名小説を森田芳光の監督・脚本によって映画化されました。森田芳光監督とタッグを組むのは、『家族ゲーム(1984年)』に続く2作目。美しい画と、悲しげな音楽が品良く作品をまとめています。小林薫はこの作品で、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞しました。

蘇る金狼【1979年】

蘇る金狼
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あらすじ

会社の巨大資本を乗っ取り、清水社長(佐藤慶)の末娘・絵里子(真行寺君枝)をモノにするという野望を持つサラリーマン・朝倉哲也(松田優作)。無謀な計画でお金を奪うために、夜はボクシングジムに通い、身体を鍛ええる日々を送っていました。麻薬を手に入れた朝倉は経理部長・小泉(成田三樹夫)の愛人を手なづけ、影から小泉を利用するのですが...。

見どころ

昼は平凡なサラリーマン、夜は野望を企み体を鍛える二面性のある男を描いた大藪春彦原作のハードボイルド作品。監督は、遊戯シリーズなどで松田優作と何度もコンビを組んだ村川透。リアリティのある格闘シーンや、愛人役として登場した風吹ジュンのヌードシーンが話題となった作品です。

暴力教室【1976年】

暴力教室
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あらすじ

私立名門高校に転任してきた溝口(松田優作)を待ち受けていたのは、優秀な生徒ではなく、喜多条(舘ひろし)をリーダーとする非行少年。不良を更生させる為に喜多条らを徹底的にしごく溝口でしたが、全く相手にされません。そんなある日、喜多条らの非行に理事長の娘・ますみ(結城なほ子)も参加していたことが明らかになります。

見どころ

暴力教師と罵られながらも、生徒のために鉄拳を浴びせる熱血教師と不良少年の青春ストーリー。暴力事件で謹慎処分を受けていた松田優作の復帰作として注目を集めました。また、バイクチーム「クールス」として活動をしていた舘ひろしが、イメージとマッチした不良の設定で出演したことでも話題となりました。

家族ゲーム【1983年】

家族ゲーム
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あらすじ

高校受験を控えた中3の沼田茂之(宮川一朗太)。出来の良い兄と違って成績が悪い茂之の元に、暴力的で力任せに勉強を教える家庭教師・吉本(松田優作)がやってきます。吉本は、いじめられっ子の茂之に勉強だけでなく喧嘩の仕方も教え、成績も喧嘩の強さも上がっていくのでした。その後、兄と同じレベルに追いついた茂之でしたが...。

見どころ

本間洋平による小説を映画化。のちに長渕剛や櫻井翔を主演として幾度もテレビドラマ化された名作です。森田芳光監督と松田優作との初タッグ作品となった本作で、宮川一朗太はアカデミー賞新人俳優賞、森田芳光はブルーリボン賞を受賞しています。

処刑遊戯【1979年】

処刑遊戯
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あらすじ

バーで知り合ったピアニスト・直子(りりィ)と一夜を過ごした帰路、何者かに襲われ監禁された鳴海(松田優作)。隙を見て脱出を図った鳴海は、組織のボス・藤田(山本麟一)に辿り着きます。直子を返すことと引き換えに、殺し屋・岡島(青木義朗)を殺すよう命じられた鳴海は、そこに隠されていた真相に気づくのでした。

見どころ

松田優作演じる殺し屋・鳴海昌平を主人公とする、ハードボイルドアクション映画『遊戯シリーズ』3作目となる最終作。本作は、鳴海がプロの殺し屋として、黒幕と対決する緊迫感漂う作品となっており、今までの2作品と比べてセリフやコミカルなシーンが少なくなっています。煙草を吸いながら武器の手入れをするなど、男らしい松田優作の姿に惹きつけられます。

人間の証明【1977年】

人間の証明
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あらすじ

都内の高層ホテルで、「ストウハ」という言葉と西条八十の詩集を残して死んでいた黒人青年。一方、同じ時間帯に起きたひき逃げされ海に捨てられた女性。捜査線上に挙がったのはファッションデザイナー・八杉恭子(岡田茉莉子)とその息子でした。麹町署の刑事・棟居(松田優作)は、その事件が思わぬ形で交錯していることに気づくことができるのか...。

見どころ

日本とアメリカを舞台に2つの事件の謎を解き明かすサスペンスドラマ。当時の作品では珍しくニューヨークでの撮影が行われた豪華な作品で、物語をさらに彩ったジョー山中が歌う主題歌「人間の証明」も大ヒットとなりました。また、テレビドラマとして2004年に竹内豊、2017年に藤原竜也主演でリメイクされています。

乱れからくり【1979年】

乱れからくり
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あらすじ

大学を中退してぶらぶらしていた勝敏夫(松田優作)は、求人広告でたまたま見つけた興信所・宇内経済研究会で働くことに。早速受けた依頼は、玩具メーカーの社長・馬割鉄馬(岸田森)によるものでした。しかし調査をするうちに、製作部長・馬割朋浩(沖雅也)が交通事故に遭い死亡する事件が発生。勝は馬割の自宅・ねじ屋敷に謎があると睨みますが…。

見どころ

泡坂妻夫による日本の推理小説を映画化。本格ミステリーに挑戦した松田優作の、ひょうひょうとして人を食ったような演技は秀逸。野際陽子、岸田森、峯岸徹、沖雅也、篠ひろ子、田中邦衛と豪華な俳優陣が出演しています。

ア・ホーマンス【1986年】

ア・ホーマンス
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あらすじ

歌舞伎町で抗争を繰り広げていた2つの暴力団組織・大島組と旭会。大島組の幹部・山崎(石橋凌)は、そこに突然現れた風(松田優作)という記憶を失った男に出会い、彼の自由な生き様に惹かれ、共に暮らすことに。「ふうさん」と呼ばれる風とヤクザとの間には不思議な友情が生まれ始めます。そんな中、激しくなった旭会との抗争に風も巻き込まれていきます。

見どころ

タイトル『ア・ホーマンス』は、阿呆(Aho)とパフォーマンス(Performance)を掛け合わせた造語で、原作は週刊『漫画アクション』に短期連載された狩撫麻礼・作、たなか亜希夫・画の同名漫画。松田優作が主演・監督を務め、彼の趣味や趣好が全部詰まったような作品となっています。

ブラックレイン【1989年】

ブラックレイン
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あらすじ

ニューヨーク市警の刑事ニック(マイケル・ダグラス)は、売り上げを横領した容疑で内部から査問を受けていました。そんなある日、偶然出くわしたヤクザの争いで、相手を刺殺した佐藤(松田優作)を逮捕したニックでしたが、佐藤の部下が警察官を装っていることに気づかず逃してしまいます。佐藤は、捜査に関わることを許されないニックをあざ笑うかのように幾度も姿を現すのでした。

見どころ

大阪を舞台に、逃げ回るヤクザとそれを追う日米の刑事の姿が描かれたサスペンス・アクション。本作は、松田優作のハリウッド進出作及び遺作となりました。すでに大腸ガンに冒されていることを知りながら、出演を決めた松田優作の熱意を感じられる傑作です。

最後に

以上、松田優作が出演する映画10作を紹介致しました。肉体派俳優として注目されながらも、多くの監督や役者との出会いの中で化学変化を起こし、唯一無二の役者へと変貌していった松田優作。病に冒されながらも、夢であったハリウッド映画にも出演するなど彼の俳優としての根性には驚かされるばかり。現在にも語り継がれる名優・松田優作の作品をぜひチェックしてみてください。