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『君の名は。』がハリウッドで実写化!傑作リメイク映画厳選8本

昨年8月26日に公開され、大ヒットを記録した新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』。日本でもまだまだ人気拡大中の9月28日、ハリウッドで同映画が実写映画化されると東宝が発表しました。

実写映画化権を獲得したのは、米パラマウント・ピクチャーズとテレビドラマ『エイリアス』、『LOST』や映画『スター・ウォーズ』シリーズなどで知られるJ・J・エイブラムス率いる制作会社バッド・ロボット。

ハリウッドでは海外のヒット作をリメイクすることがよくありますが、『君の名は。』の実写版は期待できるのでしょうか? 監督を誰が務めるかも気になります。期待を込めつつ、これまでハリウッドがリメイクしてきた映画の数々を振り返ってみましょう!

『七人の侍』と『荒野の七人』

七人の侍【1954年】/日本

七人の侍
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・あらすじ

時は戦国時代。ある村では盗賊と化した野武士の襲撃に悩まされていました。そこで野武士と戦うことを決意した村人たちは助っ人の侍を雇うことに。初老の浪人・勘兵衛(志村喬)は雇われた侍たちのリーダーとなり、村人たちに戦い方を教えます。ついに野武士の群れが来襲、押し寄せる野武士を7人の侍と村人が迎え撃ちます。

・見どころ

『七人の侍』は、『羅生門』(1950年)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、一躍世界に知られた黒澤明監督の大作。重厚な人間ドラマとともに、後半に描かれる豪雨の中のアクションシーンが凄まじい迫力をみせます。日本のみならず、世界の映画史上に残る傑作と言えるでしょう。

荒野の七人【1960年】/アメリカ

荒野の七人
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・オリジナルとの比較

リメイク作は西部開拓時代のメキシコの村に舞台を移し、村人がガンマンを雇う設定で、日本の時代劇が西部劇に転じるという飛躍をみせます。

『OK牧場の決斗(1957年)』、『老人の海(1958年)』、『鷲は舞いおりた(1976年)』などの名作を撮り、『荒野の七人』のすぐ後には『大脱走(1963年)』をヒットさせた名匠ジョン・スタージェスが製作・監督。ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンら名優が勢揃いし、リメイク版も映画史上に残る名作に。

残念ながらあまり話題になりませんでしたが、2016年にリメイク版のリメイク『マグニフィセント・セブン』もデンゼル・ワシントン主演で製作されました。



『ゴジラ』と『GODZILLA』

ゴジラ【1954年】/日本

ゴジラ
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・あらすじ

太平洋上・大戸島の近海で原因不明の沈没事故が相次ぎますが、巨大な怪物に襲われたと言う男の話を誰も信じようとしません。しかし暴風雨の夜、巨大な何者かによって島の村が壊滅、ついに調査隊が派遣されます。そして人間の核実験によって巨大化した怪物ゴジラが、日本の首都東京に上陸するのです。

・見どころ

本家『ゴジラ』は、東宝が1作目を1954年(昭和29)に公開して大ヒットして以降、シリーズ作品が脈々と作り続けられている怪獣映画です。奇しくも前述の『七人の侍』も『ゴジラ』と同じく1954年に公開。約60年前の日本人のクリエイターぶりに賞賛を贈りたいですね。

GODZILLA【1998年】/アメリカ・日本

GODZILLA
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・オリジナルとの比較

怪獣キャラクター「ゴジラ」をテーマに、『インデペンデンス・デイ(1996年)』をヒットさせたディーン・デヴリン(製作・脚本)と、ローランド・エメリッヒ(監督・脚本)が東宝とともにハリウッド版を製作、1998年に公開しました。

アメリカ版は日本のゴジラに比べてスリムな体躯と動きのスピード感が特徴。ハリウッドによる初ゴジラ映画はいまひとつキャラクターと世界観をつかみきれない状態でしたが、その後再リメイクされた『GODZILLA ゴジラ』(2014年)は前進し、日本のファンも納得できる娯楽作に進化していました。

『太陽がいっぱい』と『リプリー』

太陽がいっぱい【1960年】/フランス

太陽がいっぱい
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・あらすじ

貧しくも野心家の青年トム(アラン・ドロン)は、イタリアで遊びほうける息子を連れ戻すように大富豪から頼まれ、アメリカからナポリにやって来ます。しかし富豪の息子と交流するうちに憧れと嫉妬心を抱き、複雑な気持ちはやがて殺意となっていきます。

・見どころ

アメリカのミステリー作家パトリシア・ハイスミスのサスペンス小説を、ルネ・クレマン監督が映画化。孤独な青年トムを新進俳優アラン・ドロンが演じ、神のごとき圧倒的な美貌と肉体美で一躍大スターになりました。ニーノ・ロータによる音楽は切なくアンリ・ドカエによる極彩色の映像も見事で、オリジナルは必見の名作です。

リプリー【1999年】/アメリカ

リプリー
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・オリジナルとの比較

『太陽がいっぱい』から約40年後、同じ原作を再映画化するかたちで製作されたのが『リプリー』。オリジナル映画のリメイクとは若干異なりますが、主人公トム・リプリーをマット・デイモン、富豪の友人をジュード・ロウ、その恋人をグウィネス・パルトローとスターを揃えて製作されました。

オリジナルからだいぶ時間が経過しており、むしろ『リプリー』から先に観た人もいるのではないでしょうか。さすが名匠アンソニー・ミンゲラ、ハイスミスの原作を手堅く映像化しています。ジュード・ロウもヨーロッパ系の端正な美男俳優ですが、もしも彼がリプリーを演じて果たしてドロンを超えられたかと聞かれると、疑問が残る。それくらいのはまり役具合と完成度を誇っています。

『ベルリン・天使の詩』と『シティ・オブ・エンジェル』

ベルリン・天使の詩【1987年】/西ドイツ・アメリカ

ベルリン天使の詩
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・あらすじ

天使ダミエルは、下界に降りてはあちこちをめぐって人々の心の呟きを聞き、人間界を見守っていました。ところがある日、美しくも寂しげな1人の人間の女性に恋をし、天使の身でありながら、自分より下位の存在である人間になりたいと思うようになってしまうのです…。

・見どころ

天使が人間の女性に恋をするストーリーを、名匠ヴィム・ヴェンダースがベルリンをロケ地にして製作しました。ジャン・コクトーの『美女と野獣(1946年)』やウィリアム・ワイラーの『ローマの休日(1953年)』などでも活躍した、フランスの撮影監督アンリ・アルカンによる映像も見事です。日本ではミニシアターで公開され、ロングラン上映されました。主役の天使をブルーノ・ガンツが演じ、今は亡き名優ソルヴェーグ・ドマルタン、ピーター・フォークまでもが出演している名作です。

シティ・オブ・エンジェル【1998年】/アメリカ

シティ・オブ・エンジェル
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・オリジナルとの比較

オリジナルのヒットを受け、アート系映画をハリウッドがハリウッド的にリメイク。基本のストーリーを抑えつつベルリンからロサンゼルスへと舞台が変わります。"ロマンティック・コメディの女王"と当時言われていたメグ・ライアン、『リービング・ラスベガス(1995年)』でアカデミー賞を受賞して間もないニコラス・ケイジを主演に、切ないラブストーリーに仕上がっています。ベルリンの街ありきで撮られたオリジナルに対し、リメイク版のロサンゼルスも海辺、図書館などが印象的で、映画を観てヘミングウェイの『移動祝祭日』を読みたくなった人もいるのでは?

『ニキータ』と『アサシン 暗・殺・者』

ニキータ【1991年】/フランス

ニキータ
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・あらすじ

ラリって警官を射殺してしまった麻薬中毒の少女ニキータ(アンヌ・パリロー)は、政府の秘密機関によって美しき暗殺者へと転身。いつ下るか分からない指令を待ちながら街で暮らしていました。しかしある時、恋人ができたことをきっかけに平穏で普通の幸せを願うものの、秘密機関の指令で危険な任務をこなすことに。

・見どころ

リュック・ベッソンが『グラン・ブルー(1988年)』に次いで監督したアクション映画の傑作。黒のワンピースとハイヒールで銃撃戦をかいくぐるアンヌ・パリローのヒロイン像が鮮烈で大ヒット。以降「ニキータ」は強くてカッコイイ女性をイメージさせる名前となり、女暗殺者を主人公にしたテレビドラマも製作されています。

アサシン/暗・殺・者【1993年】/アメリカ

アサシン:暗・殺・者
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・オリジナルとの比較

ハリウッド版リメイクでは、祖父はヘンリー・フォンダ、父はピーター・フォンダ、叔母はジェーン・フォンダというサラブレッド女優ブリジッド・フォンダが主役を演じました。エンタメづくりに長けたジョン・バダム監督によりリメイク版も佳作に仕上がっています。なお、ニキータの教育係を本家はジャンヌ・モロー、ハリウッド版はアン・バンクロフトとそれぞれ大女優が演じているのも見どころ。

『Shall we ダンス?』と『Shall We Dance?』

Shall we ダンス?【1996年】/日本

Shall we ダンス?
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・あらすじ

ごく普通の中年会社員・杉山正平(役所広司)は、電車の中から目にした美女・岸川舞(草刈民代)に一目ぼれし、社交ダンスを習い始める。美女目当てでふと始めたのが徐々にダンスにのめり込み、それを通じて友人ができ、女性とも親しくなり人生の充実感を覚えますが、妻から浮気を疑われてしまいます…。

・見どころ

社交ダンスをテーマにした本作は、主演を若かりし役所広司が、ヒロインを元バレリーナの草刈民代が務めました。仕事人間である普通の中年社員が、新たな趣味を通じて自分の人生をようやく楽しみ始める姿は、思わず自分の姿を重ねて羨ましく思ってしまうほどイキイキとしています。

Shall We Dance?【2004年】/アメリカ

Shall We Dance
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・オリジナルとの比較

大ヒットした周防正行監督の原作を忠実になぞり、リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドンらハリウッドの大スターを集めてリメイク。ジェニファーが魅力的でさすがのダンスを披露し、リメイク版も大いに楽しめます。役所広司からリチャード・ギア、草刈民代からジェニファー・ロペス、竹中直人からスタンリー・トゥッチらへ、いずれも劣らぬ個性と存在感ですが、渡辺えり子さんが演じた日本のおばちゃんダンサーのハリウッド版リメイクは難しかったようです…。

『イルマーレ/時越愛』と『イルマーレ』

イルマーレ/時越愛【2001年】/韓国

イルマーレ/時越愛
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・あらすじ

1997年、海辺の家に越した青年ソンヒョン(イ・ジョンジェ)は、郵便受けに届いていた一通の手紙を見つけます。不思議なことに、その手紙の中での日付は2年後の1999年になっていました。その日から郵便受けを通して未知の女性との文通が開始、いつしかお互いに惹かれあうも、それは時空を超えた恋の始まりだったのです。

・見どころ

オリジナルはぜひ観てもらいたい韓国映画の傑作。海辺に建つ一軒家のレターボックスを通じて、見ず知らずの男女の文通が始まり、絆が結ばれていきます。主演は『猟奇的な彼女(2001年)』、『デイジー(2006年)』など、韓国を代表する美人女優のチョン・ジヒョン。新進女優だったころの清楚な美貌が切なさを誘います。

イルマーレ【2006年】/アメリカ

イルマーレ
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・オリジナルとの比較

ハリウッド版はサンドラ・ブロックとキアヌ・リーブスが主演し、2人がブレークした『スピード(1994年)』以来の再共演が話題になりました。しかしこの作品に関してはキュートさ、清楚さ、切なさの面でアジア系美女チョン・ジヒョンの魅力の方が光り、オリジナルの情感をリメイクしきれなかった感は否めないとの声も。舞台も海辺から湖畔に変更されています。

『インファナル・アフェア』と『ディパーテッド』

インファナル・アフェア【2002年】/香港

 
インファナル・アフェア
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・あらすじ

香港マフィアに入った青年ラウ(アンディ・ラウ)は、マフィアのスパイになるために警察学校に送り込まれます。一方、警察官を目指していた青年ヤン(トニー・レオン)は、潜入捜査官としてマフィアに送り込まれることに。やがて潜入捜査のストレスでヤンは自己喪失していき、ラウはマフィアをやめて警察官として生きたいと望み始めるのです。そして対照的な2人にやがて対決のときが訪れます。

・見どころ

トニー・レオン、アンディ・ラウという2大スターがW主演で競演する魅力に加え、設定・ストーリーが抜群に面白く、まずは香港で大ヒット。シリーズ化された韓国サスペンス映画の傑作です。潜入捜査官ヤンと、マフィアから警察に送り込まれたラウの対照が際立ち、重厚で深みのある人間ドラマも傑出しています。エリック・ツァン、アンソニー・ウォンら香港映画界の名優がこぞって出演しているのも見応えがありますね。

ディパーテッド【2006年】/アメリカ

ディパーテッド
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・オリジナルとの比較

ハリウッド・リメイク版は名匠マーティン・スコセッシが製作・監督を務めました。レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグの競演も豪華で、外国映画のリメイク作品として初めてアカデミー賞作品賞を受賞。スコセッシは同監督賞を受賞しました。

オリジナルの設定を導入しながらも、きっちりアメリカの社会性にもとづいて創り上げられたところが見事です。オリジナルに負けない傑作にしたのはスコセッシ監督の敏腕と言えます。ちなみにインド(ボリウッド)でもリメイクが決定、この9月に制作が発表されました。

ハリウッド版『君の名は。』について

ハリウッド版『君の名は。』はバッド・ロボットのJ・J・エイブラムスとリンジー・ウェバーがプロデュースを担当。脚本は「メッセージ」(2017)で第89回アカデミー賞脚色賞にノミネートされたエリック・ハイセラー。アニメ版で製作を手がけた川村元気氏もプロデューサーとして参加し、東宝と米パラマウント・ピクチャーズ&バッド・ロボットが実写版を共同開発します。

J・J・エイブラムスはハリウッドきってのヒットメーカーですから期待がかかりますが、日本が誇る『君の名は。』がどのように実写化されるのか気になるところ。というのもリメイク版の場合、どうしても本家の素晴らしさと比較されてしまうからです。

近年のディズニー映画実写化のクオリティなどを考えても、実写化は無理だと決めつけるのではなく、SFとラブストーリーの融合と卓抜なプロットがハリウッドによっていかに再構築されるかという部分に注目できます。なによりハリウッド屈指のヒットメーカー、J・J・エイブラムスが手がけるのだから、むしろ本家を知らない人にも関心を持たれるのではないでしょうか。映画『メッセージ(2016年)』でも「言葉」を扱ったエリック・ハイセラーがどんな脚本を書くかも注目です。

最後に

いかがでしたでしょうか。ほかにも『バニラスカイ』や『CHLOE/クロエ』など、紹介したいリメイク作品は多々あります。これぞというプロットがあればリメイクに乗り出すハリウッドは、いまやエンタメに貪欲です。いろいろ観ていてひとつ言えることは、リメイクもやはり監督次第。したがって『君の名は。』も、ハリウッド実写映画化でだれが監督を務めるのか気になりますね。

なお、インドで興行収入歴代ナンバーワンを記録した『きっと、うまくいく』(2009年)、スウェーデン発の珠玉作『幸せなひとりぼっち(2015年)』、ファンタジックで切ない韓国映画『ビューティー・インサイド(2015年)』、ドイツ・オーストリア合作の『ありがとう、トニ・エルドマン(2016年)』など、各国のヒット作が現在ハリウッドでリメイク予定です。『幸せなひとりぼっち』はトム・ハンクスが主演・製作するそう。リメイク公開前にオリジナルを観て比較するのも面白いですね!