今回は、抜群の演技力で芸能界に欠かせない人物となった蒼井優の出演するおすすめ映画10選をご紹介します。
目次
ハチミツとクローバー【2006年】
あらすじ
美大生である竹本祐太(櫻井翔)は先輩の真山(加瀬亮)とともに参加した恩師・花本(堺雅人)のゼミの親睦会で、花本の従弟の娘・はぐみ(蒼井優)に出会い、恋に落ちます。人見知りが激しく口数も少ないはぐみでしたが、芸術の才能に溢れており、作品は見る者を強く惹き付けました。彼女を中心に、8年生の森田(伊勢谷友介)、あゆ(関めぐみ)を加えた5人の美大生男女は、恋・友情・創作活動を通して、自分を模索しながら少しずつ前に進んでいきます。
見どころ
『三月のライオン』でも知られる羽海野チカによる大ヒット少女漫画を映画化。見どころは蒼井優演じるヒロインはぐみの透明感溢れるキャラクターです。蒼井優のこうしたピュアで華奢な少女性は、本作以降は封印されてしまうので、そういった意味でも貴重な作品と言えるでしょう。
フラガール【2006年】
あらすじ
昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。炭鉱の閉山が相次ぐ中、町起こしプロジェクトとしてレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の建設が計画され、目玉となるフラダンスショーのダンサー募集が行われます。それに当たって元ダンサーの平山まどか(松雪泰子)がフラダンス教師として東京から招かれますが、生徒は紀美子(蒼井優)、早苗(徳永えり)、小百合(山崎静代)らズブの素人が4人だけ。平山は完全にやる気を失ってしまいますが…。
見どころ
フラダンスをテーマにした作品ということで、蒼井優は1日8時間の練習に打ち込んだそうです。彼女は本作で第30回日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞と優秀新人賞を受賞し、女優としてのターニングポイントを迎えました。クライマックスでの2分半にわたる圧巻のソロダンスシーンは、日本映画史上に残る名シーンのひとつと言われ、本作最大の見どころとなっています。
百万円と苦虫女【2008年】
あらすじ
短大卒業後、アルバイトで生計を立てる鈴子(蒼井優)。ひょんなことから友達の彼氏とルームシェアすることになるも、怒りにまかせて軽犯罪を犯し「前科者」になってしまいます。出所後は人目を避け、動機もなく、百万円を貯めるたびに街を転々とする生活を送るようになった鈴子。そんな中、バイト先の大学生・中島(森山未來)に告白され恋に落ちます。誠実な人柄で、前科があると聞いても動じない中島でしたが、次第に鈴子へ金の無心をするようになり…。
見どころ
「100万円を貯める」という手の届く目標をクリアすることをモチベーションにその日暮らしをする鈴子の、現代人的な倦怠感がリアルに描かれたヒューマンドラマです。中島とのすれ違いや、いじめられっ子の弟との手紙のやりとりで刺激を与えられ、ようやく次の1歩を踏み出す。そんなじれったさを丁寧に表現する蒼井優の演技は必見です。
雷桜【2010年】
あらすじ
心を病み、気性が荒く家臣も持て余していた徳川家の斉道(岡田将生)は、静養のために家臣・瀬田(小出恵介)の郷里である瀬田村へ向かいます。天狗が棲むというその村の山で、斉道は山人の娘・雷(蒼井優)と運命的な出会いを果たすのでした。2人は惹かれあい、恋の道をひた走るのですが…。
見どころ
本作での蒼井優は、リアルな表現や妖艶さを封じ、ファンタジーを意識して恋愛物語上の純真なキャラクターに徹しています。また、殺陣・乗馬シーンなどもあり、蒼井優のアクションの秀逸さも大きな見どころ。宇江佐真理の同名小説の実写化であり、ディズニーアニメ『塔の上のラプンツェル(2010年)』のシチュエーションを借りた青春時代劇エンターテインメントです。
REDLINE【2010年】
あらすじ
近未来、エアカーが四輪車に取って代わろうとする時代。リーゼントに革ジャンとクールに決めてはいるものの実はシャイな純情男・JP(CV:木村拓哉)は、初恋の相手であるソノシー(CV:蒼井優)を振り向かせるため、エアカーで走り続けています。REDLINEは5年に1度開催される、銀河最速を決める武器使用可能のカーレース。JPは「武器を持たずに速さだけで勝つ」ことにこだわりながら、ソノシーとともにREDLINEに参加します。
見どころ
『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門(2017年)』の小池健監督による全編手書きのアニメーション作品ですが、声優陣には木村拓哉、浅野忠信、岡田義徳、津田寛治など豪華キャストが集結しています。男くさいカーアクション作品において唯一のヒロインとなるソノシーを演じた蒼井優のセリフは、クレジットを観なければ誰もがプロのものだと思うほど。本作では徹底して作り込まれた声優・蒼井優を楽しむことができるでしょう。
るろうに剣心【2012年】
あらすじ
幕末の京都、かつて「人斬り抜刀斎」と恐れられた冷徹無比な暗殺者・緋村剣心(佐藤健)。明治の世になってからは「不殺(ころさずの)の誓い」を立て、流浪人として気ままな旅暮らしをしていた彼は、アヘンの密売が横行する東京にたどり着きます。密売の黒幕は悪徳商人・武田観柳(香川照之)。彼は弱みにつけこみ愛人にした女医の恵(蒼井優)にアヘンを製造させ、密売で得た利益により武器を揃えて戦争で巨万の富を得ようとしていました。
見どころ
和月伸宏原作の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を『龍馬伝(2010年)』の大友啓史監督が実写化。全編CGなしで撮影された生身の斬り合いはもちろん、男達の戦いに華を添えるヒロイン薫と女医である恵の存在も見どころです。蒼井優が演じる恵は、妖艶で狡猾、しかし心の底に正義感と孤独も垣間見えるという、憎めないチャーミングな悪女。本作に続く『京都大火編(2014年)』『伝説の最後編(2014年)』にも登場しています。
オーバー・フェンス【2016年】
あらすじ
離婚をきっかけに郷里の函館に戻り、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしている無気力な主人公・白石(オダギリジョー)。ある日彼は、同僚である代島(松田翔太)に誘われたキャバクラで、鳥の求愛ダンスを踊る変わり者のホステス聡(蒼井優)と出会い、強く惹かれてゆきます。2人はぶつかり合いながらも関係を保ち、見えないフェンスを超えようと前を向いて歩きだすのでした。
見どころ
佐藤泰志の芥川賞候補作を映画化したものであり、熊切和嘉監督『海炭市叙景(2010年)』、呉美保監督『そこのみにて光輝く(2014年)』に続く、函館三部作の最終章に当たります。恋愛ドラマの要素が強いですが、不器用な人間同士が空気を読み合い、時にぶつかりながら影響し合うことで成長していく人間ドラマでもあります。オダギリジョー、松田翔太、北村有起哉、満島真之介といった個性派俳優たちの中でも、蒼井優の真骨頂と呼べるキュートでイタくてリアルな女性像は抜群の存在感です。
アズミ・ハルコは行方不明【2016年】
あらすじ
アズミハルコ(蒼井優)は実家暮らしの27歳。一緒に暮らす母は祖母の介護によってストレスを抱え、安月給の職場は、社長と専務によるモラハラとセクハラが常態化しています。趣味もなく、恋人もいない人生。そんなハルコは、突如失踪してしまうのでした。
見どころ
山内マリコの同名小説を実写化。誰とでも寝る20歳の愛菜(高畑充希)、男に無差別で集団暴行を加える女子高生集団など、様々な年代の女性を通して、ハルコが消えた理由を観客に想像させる実験的な作品に仕上がっています。本作でも蒼井優のリアルな女性表現は健在。ともすれば重くなりかねないキャラクターを、気だるくポップに、最後は最高に清々しい存在として演じています。
東京喰種 トーキョーグール 【2017年】
あらすじ
読書好きの大学生・金木研(窪田正孝)は好意を寄せていた少女リゼ(蒼井優)とのデート中、喰種としての正体を現したリゼに襲われ瀕死の重傷を負います。彼女の頭上に鉄骨が落下したことで九死に一生を得るも、搬送された病院でリゼの臓器を移植されたことで金木は半人間・半喰種となっていました。彼は人肉への欲望と人としての尊厳の間で葛藤しながら、喰種駆逐の行政機関「CCG」との戦いに身を投じてゆくことになります。
見どころ
今作で蒼井優が演じるリゼは、読書好きの清楚な女性を装っていますが、本性は奔放かつ貪欲な大喰いの喰種。出番こそ少ないものの、主人公・金木研を自らの臓器移植によって喰種化させ、死後も幻影となって苦しめ続ける大事な役どころです。そしてなんと言っても、本作での蒼井優最大の見どころは金木を捕食しようとするシーン。腕や指、唇の這わせ方はまさに本領発揮といった妖艶さで、ともすれば食べられても良いと思わせてしまうほどの甘美な世界を創り上げています。
彼女がその名を知らない鳥たち 【2017年】
あらすじ
十和子(蒼井優)は8年前に別れた黒崎(伊勢谷友介)を忘れるため、陣治(阿部サダヲ)と関係を持ちズルズルと同棲中。陣治は、ものを食べる時にはクチャクチャと音を立て小便のたびに便器を汚す、女性なら誰もが生理的に嫌悪感を抱く不快な男でした。そんな中、十和子はクレームをきっかけに知り合った妻子持ちの男・水島(松坂桃李)とも関係を深めてゆくのですが、2人の背後には陣治の姿があり…。
見どころ
『ユリゴコロ』も映画化された沼田まほかるの同名小悦を実写化。蒼井優が演じるのは、自己中心的で情緒不安定、おまけに極度の被害妄想狂という面倒くさい女。クライマックスではさらに十和子の抱えていた闇が明かされるなど、これまで蒼井優が演じてきた「女性のリアルな本性」の集大成ともいえる役柄です。全編が見どころとすら言える本作ですが、衝撃の結末も待ち受けており、もう一度初めから観返したくなること請け負いです。
最後に
どんな女性像であっても世界観に馴染ませることのできる、日本でも稀有な演技派女優・蒼井優。10代では奔放でピュアな姿を見せ、20代では妖艶さを身に着けるなど、年齢によって表現方法を成長させてきました。30代に入りどんな進化を遂げるのか、まだまだ今後の活躍が楽しみですね。
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