今回は動画配信サイトHuluでご覧いただけるコメディドラマにフォーカス。日常のシーンを明るくユーモアたっぷりに、時にはシニカルに切り取った、骨太なコメディドラマ10選を紹介いたします。
目次
シリコンバレー【2014年】
あらすじ
気弱であがり症のリチャード(トーマス・ミドルディッチ)は、大手インターネット企業でプログラマーとして働きながら、サイドビジネスで独自に開発した音楽の監視アプリ「パイドパイパー」の、データを驚異的に圧縮する技術を発見します。その技術を売却して大金を得るか独立するか悩んだ結果、起業を決意しますが、しかし専門知識以外のことはまるでダメなリチャード。独立は前途多難な幕開けとなったのでした…。
見どころ
HBO製作のテレビシリーズで、Hulu独占配信のドラマです。エグゼグティブプロデューサーはテレビアニメ『キング・オブ・ザ・ヒル(1997年)』の製作者でもあるマイク・ジャッジ。Google、Facebook、Appleなど、IT企業の聖地でもあるカルフォルニア州サンフランシスコが舞台となっており、実際のシリコンバレーの雰囲気を満喫することができる、ちょっとマニアックな作品です。
glee/グリー【2010年】
あらすじ
オハイオ州にあるマッキンリー高校の新米教師ウィル(マシュー・モリソン)。高校時代はグリー部で優勝した過去を持つ人気者でしたが、現在顧問を務める母校のグリー部は生徒がいない状態となり悩んでいました。そこで新たに部員を募集しますが、なんとか集まってきた生徒たちはマイノリティーのはみ出し者ばかり。あきらめかけたウィルでしたが、1人の生徒の歌声を聴いてその才能に惚れ込みます。ウィルは再び、グリー部に栄光を取り戻すことができるのでしょうか…。
見どころ
日本にもglee旋風を巻き起こして大ヒットしたミュージカルコメディドラマです。gleeファンのことを指して"gleek"と呼ぶ流行も生まれ、一大ムーヴメントとなりました。リア・ミッシェルは『屋根の上のバイオリン弾き(2004年)』などブロードウェイ作品に出演しており、その美声は5オクターブ出るとも言われています。実力派キャストたちの歌声や、力強いメッセージに感動すること間違いなしです。
Veep/ヴィープ【2012年】
あらすじ
アメリカ合衆国の女性副大統領に就任したばかりのセリーナ・マイヤー(ジュリア・ルイス=ドレイファス)。野心満々でやる気はあるものの、ドジでわがまま、かつ表裏のある性格が災いし、空回りばかりしてしまいます。大統領が招待されているイベントの代理出席や代理スピーチなどに追われ、自分の政策や理念を通す余裕はありません。そして、大統領との絆も築けずにいたのでした…。
見どころ
政界を描くドタバタコメディです。番組タイトルの"Veep"とは副大統領の意味。不謹慎なネタが多く、アメリカらしいシニカルなジョークが飛び交うのも魅力のひとつです。主演だけでなくプロデューサーとしても参加しているジュリア・ルイス=ドレイファスは、6年連続で受賞したエミー賞主演女優賞も含め、最も権威ある作品賞を3年連続で受賞しました。こちらもHBO製作のテレビシリーズです。Hulu独占配信なのでお見逃しなく!
シックス・フィート・アンダー【2005年】
あらすじ
ロサンゼルス郊外の高級住宅街パサディナで葬儀屋を営むフィッシャー家。葬儀業が嫌で家を出て独立した長男のネイト(ピーター・クラウス)と、仕方なく家業を手伝っていた弁護士志望の次男デイヴィッド(マイケル・C・ホール)は、一家の大黒柱であった父が亡くなったことで、共同で家業を継ぐことにしたのですが…。
"機能不全家族"や"アダルト・チルドレン"など、フィッシャー・アンド・サンズに運ばれてくる故人の背後にあるそれぞれの人生を見つめていきます。
見どころ
葬儀屋を舞台にした、ブラックユーモアたっぷりのファミリードラマです。"死"とはなにかをシニカルに、かつユーモラスに描いた本作のプロデューサーは、『アメリカン・ビューティー(1999年)』でアカデミー賞脚本賞を受賞して、世界的名声を得たアラン・ボール。このドラマでは製作総指揮、脚本、監督をつとめ、エミー賞監督賞を受賞。ゴールデングローブ賞も受賞して絶賛を浴びました。
セックス・アンド・ザ・シティ【1998年】
あらすじ
ニューヨークに暮らし「セックス アンド ザ シティ」というコラムを連載しているキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)は、仲の良い友人シャーロット(クリスティン・デイヴィス)、ミランダ(シンシア・ニクソン)、サマンサ(キム・キャトラル)と暇さえあえば集まり、男やセックスの話で盛り上がる30代の独身女性です。自称恋愛至上主義のキャリーは、偶然出会った実業家のミスター・ビッグ(クリス・ノース)と結ばれることができるのでしょうか…。
見どころ
恋愛やトラブルをコミカルに描いており、女性のバイブルとも言われ、大きな社会現象を巻き起こしたラブコメディです。エミー賞7回、ゴールデングローブ賞には8回も輝きました。プロデューサーは日本でも放映された『ビバリーヒルズ高校白書(1990年)』のダレン・スターが務めており、映画版の方にも参加しています。なんといっても見どころは、エネルギーに溢れた女性たちのキャラクターとスタイリッシュなファッション。どのブランドの服を身につけているのかチェックするのも、楽しみのひとつです。
ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則【2009年】
あらすじ
レナード(ジョニー・ガレッキ)とシェルドン(ジム・パーソンズ)はカリフォルニア工科大学の物理学者。カリフォルニア州パサデナにあるアパートで暮らし、ルームメート同士でもあります。2人ともIQが驚異的に高く、頭はいいけど、ちょっとズレているオタク青年。ある日、向かいの部屋にレストランでウェイトレスをしながら女優を目指している、キュートな女の子が引越してきました。一目惚れをしたレナードは、シェルドンの反対を押し切り、彼女をランチに誘いますが…。
見どころ
男女間の友情や恋をテーマにした、シュチュエーション・コメディです。全米にとどまらず、世界各国で人気を集めている本作のプロデューサーは、日本でも放送された『ふたりは最高!ダーマ&グレック(1999年)』や『CSI:科学捜査班(2002年)』で脚本を手がけているチャック・ロリーです。シェルドン役のジム・パーソンズは、本作でゴールデングローブ賞主演男優賞と、4度のエミー賞主演男優賞を受賞しています。
ビッグ・ラブ【2006年】
あらすじ
ビル・ヘンリクソン(ビル・パクストン)はユタ州の片田舎でホームセンターの経営をしています。モルモン教の教えにより一夫多妻制が勧められているため、最初の妻で教師のバーブ(ジーン・トリプルホーン)と、2番目の妻ニコレット(クロエ・セヴィニー)、そして3番目の妻で一番若いマージーン(ジニファー・グッドウィン)と、それぞれの子どもたち7人でひそかに暮らしています。妻同士はお互いに程よい距離を保ち、夜の方はローテーションを組みながら何とかやりくりしていましたが…。
見どころ
一夫多妻制をテーマにした、ヒューマンドラマコメディ。重婚は法律では許可されていないため、家の外では秘密をかかえ、家の中では3人の妻とたくさんの子どもたちに気をつかいながら奮闘するという、複雑な暮らしぶりが非常に面白い作品です。主演のビル・パクストンは『ターミネーター(1984年)』『エイリアン2(1986年)』、『プレデター2(1990年)』、そして今年公開されたばかりの『ザ・サークル(2017年)』など、話題作へも数多く出演しています。
アトランタ【2016年】
あらすじ
アトランタに住むアーン(ドナルド・グローヴァー)は、名門大学を休学してから親に愛想を尽かされ、元恋人と一人娘が住む家に居候をしています。薄給の仕事でなんとか生活していますが、その日暮らしのため家賃さえ払えず、常に金欠状態です。そんなある日、職場で従兄弟のアルフレッドがラッパーとして注目を集めている姿を見て、彼の才能に希望を見いだしたアーンは、マネージャーとして彼の片腕になり貧困から脱出することを決意します。
見どころ
音楽の街ジョージア州アトランタが舞台で、アメリカの音楽文化をベースに描かれた、新たなヒップ・ホップ・コメディ作品です。ドナルド・グローヴァーがゴールデングローブ賞作品賞と男優賞を受賞しました。彼は他にも『オデッセイ(2013年)』や『スパイダーマン ホームカミング(2017年)』にも出演しています。また『30 ROCK/サーティー・ロック(2006年)』では脚本に携わり、全米脚本家組合賞を受賞するという多才な一面があります。さらにこのドラマでは、若手日本人監督のヒロ・ムライが製作に参加しており、繊細な映像表現に国内外から大きな注目が集まっています。
トゥゲザーネス【2015年】
あらすじ
ブレッド・ピアーソン(マーク・デュプラス)は妻のミシェル(メラニー・リンスキー)と2人の子どもを持つ普通の家族です。2人は仕事や子育て、結婚生活に疲れ果て、セックスレスに悩んでいました。お互いへの情熱を取り戻そうと努力するものの、すれ違ってばかり…。そんなピアーソン一家のところに、ブレッドの親友アレックス(スティーヴ・ジシス)が、アパートの家賃滞納で部屋を追い出されたため居候をすることに。その上、ミシェルの姉ティナ(アマンダ・ピート)まで転がり込んできて…。
見どころ
インディーズ映画ではおなじみ、ジェイとマークのデュプラス兄弟が手がけた、全員アラフォー世代の大人向けコメディドラマです。人生や人間関係に悩める4人に共感して元気と勇気がもらえる、作り手の思いがそのまま形になったような作品です。主演のブレッドを演じたマーク・デュプラスは 『ゼロ・ダーク・サーティ(2012年)』では映画監督、プロデューサー、脚本家を務めています。
フレンズ【1995年】
あらすじ
世間知らずでワガママなお嬢様のレイチェル(ジェニファー・アニストン)は結婚式の途中で、この結婚が本物の愛ではなかったことに気がつき逃げだします。混乱した彼女は、ニューヨークで唯一の友達モニカ(コートニー・コックス・アークエット)に泣きつきました。モニカや友人たちに、親元から離れて自立するように言われたレイチェルは、モニカのアパートで暮らすことにしたのですが…。
見どころ
ニューヨークで暮らす20代男女仲良し6人組の友情や恋愛模様をコメディタッチで描いた本作は、最もヒットしたシチューエーション・コメディのひとつで、エミー賞のコメディ部門作品賞を受賞しました。日本でも放送され大ヒットし、日常会話の発音が聴きとりやすいと評判になった字幕版は、英会話の学習方法としても広く親しまれています。
最後に
『glee/グリー』や『セックス・アンド・ザ・シティ』のように社会現象を巻き起こした作品もあれば、『シリコンバレー』や『シックス・フィート・アンダー』のような、時代の風潮を反映した作品などもあり、一言で「コメディドラマ」と言っても様々です。ぜひ、Huluで骨太なコメディドラマを楽しんでみてください!
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