『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』レビュー。衝撃の話題作がHuluプレミアに

1 『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』作品概要
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『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』作品概要

世界中の人々に衝撃を与えたHuluオリジナルドラマ『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』が、Hulu内のHuluプレミアで2月28日（水）から配信されます。本作は女性を「性奴隷」として扱うというショッキングなテーマで描かれており、アメリカを含む世界各国で話題となっています。

第69回エミー賞では作品賞を含む主要5部門を独占し、さらに2018年ゴールデングローブ賞TVシリーズ/ドラマ部門では作品賞を含め主要3部門にノミネートするなど、賞レースを総なめにしている本作。自分たちの身にも起こりうるかもしれない問題だということで、世界中で物議を醸しています。

あらすじ

環境汚染が原因で少子化が深刻化した世界、妊娠ができる健康な身体を持つ女性は、家族、仕事、財産、そして人権をも突然奪われ＜子どもを産むための道具＝侍女＞として上流階級の夫妻のもとに送り込まれることが法律で決定している。その恐ろしく異様な世界で、侍女として仕えることになった主人公オブフレッド（エリザベス・モス）。侍女たちが行動を極限まで制限された監視下の世界で、どのように今を"生き抜く"か、オブフレッドの目線を通して力強く描く。

『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』作品レビュー

原作はカナダ文学の巨匠、マーガレット・アトウッド作のディストピア小説。人気ベストセラーとなり、カナダ最高峰の文学賞である総督文学賞など、多くの賞を受賞しています。

環境汚染が原因で少子化となり、激変してしまった世界。残酷なルールが定められた世界で、主人公は愛する夫や子どもを奪われた挙げ句、「ジューン」という本名を使用することも禁じられ、強制的に名前を「オブフレッド」と変えられてしまいます。

タイトル通り「侍女」として上流階級の夫妻の元に送り込まれたオブフレッド。そこでは従順に夫妻に仕え、妻の代わりに司令官の子を宿し、"子どもを産むための道具"となる残忍な運命が待ち受けていました。

侍女たちは指定された赤い制服を着用し、パートナーと2人1組での行動を余儀なくされ、まるで囚人のように監視下に置かれます。政府によって信仰の自由は奪われ、少しでも反抗した者は容赦なく処刑されます。時には右目を奪い、時には公共の場で首を吊って見せしめにし、思わず目を背けたくなる残虐な罰を与えます。

侍女たちを再教育する施設「センター」では、「おば」と呼ばれる女性教師リディア（アン・ダウド）によって、「教育」という名のもとに過度の信仰心と協調性の強要が行われていました。ここではリディアの言うことは絶対で、自分の意思に基づいた発言・行動が許されません。巧みに集団心理を操るリディアと、まるでロボットのように従順な侍女たち。傷ついた女性に対してリディアが「いけないのは自分自身だ」とさらに追い打ちをかけることも。

人権を主張することもできず、無抵抗のままに「性奴隷」として扱われる侍女たち。たとえ妊娠してもそれは仕えている夫妻のため。産まれてすぐに赤ん坊は取り上げられ、夫妻のもとへ渡されるという悲しい現実が待ち構えているのでした。

政府による支配の中、不信感をかきたてられ、司令官やその妻、女中、運転手はおろか、侍女仲間までもが信じられない状況。悪夢のような緊迫感漂う現実を前に、自己を強く保とうとオブフレッドは葛藤します。

本作ではオブフレッドのナレーションによって彼女の心の奥にある本音が表現されています。侍女仲間たちが洗脳されていく中で、オブフレッドは信心深い態度を演じながらも「いつか脱走し、奪われてしまった娘に会う」という希望を抱いて試行錯誤していくのでした。

ショッキングなテーマを取り扱うことによって、宗教や政府からの圧力によって女性の人権が侵害されている過去や現実への批判、そして未来への警鐘を鳴らしている本作。生命の尊さや今なお世界各地で垣間見える男性優位な現状についても、深く考えさせられる作品です。

予告編動画

Hulu Japan公式YouTubeチャンネルより

▪︎【スタッフ】
クリエイター：ブルース・ミラー
監督：リード・モラーノ

▪︎【キャスト】
エリザベス・モス
イヴォンヌ・ストラホフスキー
ジョセフ・ファインズ
マックス・ミンゲラ
マデリーン・ブルーワー
アレクシス・ブレデル
アン・ダウト他

原作：マーガレット・アトウッド「侍女の物語」（早川書房）

『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』はHuluプレミアにて、2月28日（水）からシーズン1第1話～第3話までを配信開始！以降毎週水曜日に1話ずつ追加予定（字・吹）です。視聴はこちら。