ママ友社会を描いた『ビッグ・リトル・ライズ(2017年〜)』や、スラム街の黒人社会を描いた『スノーフォール(2017年~)』、ゲイ社会を描いた『ルッキング(2014年)』など、様々な環境での複雑な人間模様を描いたドラマがあるのです。
今回はHuluで観ることができる作品の中から、海外の様々なジャンルのヒューマンドラマを10作品ご紹介します。
目次
ビッグ・リトル・ライズ【2017年~】
あらすじ
カリフォルニア州の高級住宅街。シングルマザー、ジェーン(シャイリーン・ウッドリー)の息子が自分の娘に暴力を振るったと、レナータ(ローラ・ダーン)が発言したことで母親同士の対立が始まります。そんな中、彼女たちの子どもが通う小学校で謎の殺人事件が発生。事件をきっかけに、母親たちの秘密や悩み、父親たちのいがみ合いなど次第に浮き彫りになっていきます。
見どころ
ニコール・キッドマンのドラマ初出演作。ミュージカル映画『キューティ・ブロンド(2002年)』で知られるリース・ウィザースプーンとの共演が話題を呼んでいます。そんな私生活で母親である2人も製作に携わり、母親同士のトラブルや夫婦間の悩みなどを描いているのなんともリアル。日本でよく取り上げられるママ友問題を、海外ではどのように取り上げているのかにも注目です。ドラマや映画でよく見る"ドロドロのセレブママの確執"の展開もありながら、子を持つ親なら共感してしまうような苦悩や葛藤を音楽や景色をうまく使い描いています。豪華女優陣の演技ももちろん素晴らしいです。
13 誘拐事件ファイル【2016年】
あらすじ
13歳の時に誘拐されて以降、13年間監禁されていいたアイヴィー(ジョディ・コマー)はやっとの思いで脱出に成功。両親と妹に迎えられた彼女は、かつての恋人ティム(アナイリン・バーナード)との青春を取り戻そうとします。一方、警察はアイビーのかすかな記憶を頼りに捜査を進め容疑者を発見。しかし、容疑者は別の少女を誘拐して行方をくらましていました。
見どころ
全5話で完結するイギリスBBCのサスペンスドラマ。13年間の監禁により、社会と断絶させられていた主人公が脱出後、どうにかして元の人生を取り戻そうと奮闘します。幸せを掴もうと進むものの、不条理で不公平な現実に直面する主人公の姿に引き込まれること間違いなし。
スノーフォール【2017年~】
あらすじ
1983年のロサンゼルスの黒人コミュニティで暮らすフランクリン(ダムソン・イドリス)は、コンビニでのバイトや裏で手に入れた大麻を売ってして家計を支えていました。そんなある日、犯罪組織の大物アヴィ(アロン・アブトゥブール)と出会い、コカイン取引の大きなチャンスが。フランクリンは、深い闇や暴力、欲望が溢れる危険な麻薬取引の世界に足を踏み入れてしまいます。
見どころ
映画『ボーイズ'ン・ザ・フッド(1992年)』のジョン・シングルトン監督が製作総指揮として参加。作中ではニューヨーク出身のピップホップグループ「Run-D.M.C.」など、80年代に流行した曲を織り交ぜることで、当時の雰囲気を表現しています。また主演を務めたイギリス俳優ダムソン・イドリスは、役作りために独特の訛りやアクセントを習得し、フランクリンを好演しました。
ガールズ【2012〜2016年】
あらすじ
大学卒業後、ライターを目指してニューヨークで無給のインターンをしていたハンナ(レナ・ダナム)。そんなある日、親から仕送りを辞めると言われたハンナは、上司に昇給を求めるもそれが原因で解雇されてしまいます。社会経験のない彼女は仕事を転々としながら、結局カフェでアルバイトをすることに。ハンナはこのままでいいのか、本当にやりたいことは何なのかと自分を見つめ直します。
見どころ
主演を務めたレナ・ダナムは、本作の脚本と監督も手掛けています。また、ハンナの彼氏役に『スター・ウォーズ』シリーズで悪役カイロ・レンを演じるアダム・ドライバーを起用するなど旬な若手俳優が出演。作中では、若者の等身大の姿を表現するために、キャラクターたちがH&MやTOP SHOPなどのファスト・ファッションを着用しています。
ルッキング【2014〜2017年】
あらすじ
サンフランシスコでゲームデザイナーとして働く、ゲイのパトリック(ジョナサン・グロフ)。昔別れた彼が婚約したと知ったパトリックは、自分もまた恋愛したいと出会い系サイトでルームメイトを探し始めます。ゲイであることに負い目を感じるパトリックを、ゲイ友達のアグスティン(フランキー・J・アルバレス)とドム(マレー・バートレット)がともに悩みながら支えていきます。
見どころ
親に理解してもらえず、生きたいように生きられないゲイの実態がリアルに描かれています。ゲイの3人が偏見や差別に苦しみながらも、懸命に自分の道を模索していく必死な姿を自然と応援してしまいます。また、本作は毎回異なるエンディング曲が使われており、ストーリーに合った楽曲を楽しめるので注目です。
ダウントン・アビー【2010~2015年】
あらすじ
1912年、大邸宅ダウントン・アビーに暮らすグランサム伯爵一家のもとに、タイタニック号沈没の知らせが。跡継ぎを失ったバイオレット伯爵夫人(マギー・スミス)は、遠縁の相続人に財産を渡したくないと嫌悪感をあらわに。婚約者を亡くし、新たに相手を探すことになった長女メアリー(ミシェル・ドッカリー)は、夫人の納得する相手を見付けるために様々な出会いを繰り返します。
見どころ
2011年にエミー賞作品賞、ゴールデン・グローブ賞作品賞を受賞した話題の作品。バイオレット伯爵夫人を演じたマギー・スミスは、本作で2度もエミー賞助演女優賞を受賞しています。邸宅内で繰り広げられる階級制による格差社会や相続問題を、歴史ドラマとしても楽しむことができる作品です。
ザ・パシフィック【2010年】
あらすじ
1941年、太平洋戦争が勃発。レッキー(ジェームズ・バッジ・デール)、バジロン(ジョン・セダ)、スレッジ(ジョゼフ・マゼロ)の3人は、新兵として戦地へ向かっていました。ガダルカナル島、硫黄島、1945年の沖縄決戦と戦争が続く中、3人は銃撃に倒れていく戦友や降伏よりも自決を選ぶ日本人を目の当たりにして、戦争の恐ろしさを思い知ります。
見どころ
スティーヴン・スピルバーグ、トム・ハンクス、ゲーリー・ゴーツマンの3人が製作総指揮を務めた本作は、実在する3人の兵士の戦記を基に描いた歴史ドラマ。日米開戦から70年が経った今、未来に語り継ぎたい戦争の物語として、2010年のエミー賞では最多8部門での受賞を果たしました。また、ホワイトハウスや沖縄県那覇市での試写会も行われ、話題になりました。
ヤング・ポープ 美しき異端児【2016年】
あらすじ
史上初めてのアメリカ人法王となったレニー・べラルド(ジュード・ロウ)。しかし、彼を教皇にしたのは枢機卿会による策略で、彼らの本当の目的はレニーを裏で操ることだったのです。そんな思惑に気づいたレニーは、自分の権力を利用し始めるように。さらに国務長官もそのことを知り、なんとか彼を失脚させようと動きます。
見どころ
ジュード・ロウのドラマ初出演作であり、製作も務めた本作。キリスト教の聖地であるバチカンが舞台となっており、教皇の権力争いという今までにないテーマで物語が展開します。教会内で喫煙したり、コーラを要求するなど、ローマ教皇であるにも関わらず破天荒なレニーの姿は必見です。
ウェントワース女子刑務所【2013~2015年】
あらすじ
夫の虐待に我慢できず、殺人未遂を犯してしまったビー(ダニエル・コーマック)は、16歳の娘を残してウェントワース刑務所に収監されることに。そこは女囚が作り上げた2大派閥が対立し、常識など通用しない厳しい世界でした。普通の主婦だったビーは、派閥のリーダーたちから目をつけられてしまいますが、仲間をレイプから助けたり、庇ったりしながら徐々に信頼を得ていきます。
見どころ
2014年から2年連続で、オーストラリアのエミー賞と言われるアステラ賞を受賞した大ヒット作。女囚たちがなぜ刑務所に入ることになったのか、過去にどのような生活を送っていたのかが細かく描写されているので、キャラクターに感情移入しながら楽しめる作品です。普通の主婦だった主人公が、派閥内で上り詰めていく様子は痛快です。
LAW & ORDER:性犯罪特捜班【1999年〜】
あらすじ
エリオット・ステイブラー刑事(クリストファー・メローニ)が率いるニューヨーク市警察性犯罪特捜班のチームは、性犯罪の解決に取り組んでいました。ある日、67人をレイプしたセルビア人が死体で発見されます。母親がレイプされたことで出まれたオリビア・ベンソン刑事(マリスカ・ハージティー)は、その事件を担当することになるも個人的な感情を抑えきれず捜査を混乱させてしまいます。
見どころ
レイプ被害者に感情移入してしまうベンソン刑事を演じたマリスカ・ハージティは、2005年度エミー賞とゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞。最新の科学技術を駆使して事件を解決するドラマが多い中で、本作はレイプ被害者の心の傷に寄り添いながら捜査を進めていきます。卑劣な性犯罪の現実に向き合う主人公の姿に、性犯罪へ対する少しの希望を持てるような作品です。
最後に
数あるの海外ヒューマンドラマ作品の中から、戦争、刑務所、ゲイ、麻薬取引など見ごたえのある作品をご紹介しました。映画俳優が出演する作品もあるため、ニコール・キッドマンやジュード・ロウなどが劇中でどんな演技を見せてくれるのかにも注目です。
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