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DC映画をもっと楽む『スーサイド・スクワッド』徹底解説

『ジャスティス・リーグ(2017年)』前夜譚として「DCコミックス」の敵役"スーパー・ヴィラン"を集結させ、その活躍を描いた映画『スーサイド・スクワッド』。政府否認の危険な軍事任務を遂行する部隊の、究極のアンチ・ヒーロー・シリーズです。

今回は本作のあらすじやヴィラン解説に加え、続編やスピンオフなどの最新情報をご紹介します。

『スーサイド・スクワッド』作品概要

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映画『スーサイド・スクワッド』公式Instagramアカウント(@suicidesquadjp)より

あらすじ

スーパーマンの死から2ヶ月後の世界。米国政府は最凶のメタヒューマンであるエンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)への対抗措置として、使い捨て特殊部隊「スーサイド・スクワッド(死亡必至部隊)」を結成します。

メンバーは凶悪犯たちで構成されており、元精神科医でサイコパスのハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、百発百中のスナイパーにして暗殺者デッドショット(ウィル・スミス)、凶悪強盗キャプテン・ブーメラン(ディガー・ハークネス)、元ギャング王エル・ディアブロ(チャト・サントス)、日本人暗殺者カタナ(福原かれん)など。彼らは減刑を条件に、反乱・逃亡を試みるだけで爆発するマイクロ爆弾を首に仕込まれ戦闘に向かうことになりますが、果たして…。

見どころ

ヴィランたちのド派手な暴れっぷりもさることながら、部隊のメンバーではないものの、バットマンの宿敵ジョーカー(ジャレッド・レト)がスクリーンに復活。今作では恋人であるハーレイ・クインの引き立て役でありつつ、最初から最後まで美味しいところをしっかりさらってゆく"悪党ぶり"にも注目です。そして何といっても、本作主役のハーレイ・クインのキュートな存在感こそが最大の見どころとなっています。



『スーサイド・スクワッド』まるわかり大解剖

本作はDCエクステンデッド・ユニバースのシリーズ3作目にあたり、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年)』と『ジャスティス・リーグ(2017年)』をつなぐスピンオフ作品として位置づけられた作品です。

舞台はスーパーマン亡き後のアメリカ。スーパーパワーを持った者がテロリストになったらどう対処すべきか、という懸念を政府は抱えていました。秘密組織の高官アマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)は、悪には悪をもって制すべく、凶悪犯罪者で構成するチーム「タスク・フォースX」またの名を「スーサイド・スクワッド」結成を提言します。

映画『スーサイドスクワッド』公式Instagramアカウント(@suicidesquadmovie)より

そんな会議のさなか、チームメンバーとして召喚された考古学者ジューン・ムーン博士(カーラ・デルヴィーニュ)が古代の魔女エンチャントレスに憑依されメタヒューマン化します。市民を次々とメタヒューマンに変えて街を占拠した挙句、人類滅亡を宣言。「スーサイド・スクワッド」は発動を余儀なくされることとなります。

こうして矢継ぎ早にスタートする本作のメガホンは、この冬話題のNetflix独占ダーク・ファンタジー・ドラマ『ブライト(2017)』(主演は本作にも出演のウィル・スミス!)のデヴィッド・エアー監督。

映画『スーサイドスクワッド』公式Instagramアカウント(@suicidesquadmovie)より

同監督は、自身が手がけたブラッド・ピット主演『フューリー(2014年)』でも第2次大戦中の戦場が舞台でありながら、どこかポップな要素を散りばめていました。その手腕は今作でもいかんなく発揮され、DCエクステンデッド・ユニバース前2作のダークな重厚感に相反する明るさを持たせることで、スーパー・ヴィランたちを「共感すら得られる存在」として描くことに成功しています。

『スーサイド・スクワッド』の魅力的なヴィランたち紹介

それでは今作でポップに、魅力的に仕上げられたヴィランたちを紹介しましょう。

ハーレイ・クイン/ハーリーン・クインゼル博士(マーゴット・ロビー)

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映画『スーサイド・スクワッド』公式Instagramアカウント(@suicidesquadjp)より

もともとはアーカム精神病棟(アーカム・アサイラム)の精神科医でした。投獄されたジョーカーと恋に落ち、精神と肉体改造を施され彼の右腕となったセクシーでチャーミングなサイコパス。「バットマン・シリーズ」に登場するヴィランです。

この難しい役どころを演じて原作ファンに太鼓判を押させたのは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート(2014年)』、『ターザン:REBORN(2016年)』のマーゴット・ロビー。すでに続編の製作が決定した『スーサイド・スクワッド2』、ジョーカーとの愛憎を描くスピンオフ映画『Harley Quinn Vs. The Joker(仮題)』の企画も進行中だとか。

ジョーカー(ジャレッド・レト)

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バットマンの最大の宿敵。「スーサイド・スクワッド」の一員ではないものの、ハーレイ・クインの危機には必ず現れ暗躍します。本作ではモノローグであるものの、ハーレイとの馴れ初めもしっかり描かれており、エクステンデッド・エディションではさらに出番が増えたアイコニックな新生ヴィラン。

演じるのはジャレッド・レト。ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャーとアカデミー賞男優が務めてきたこれまでのジョーカー同様、彼もまた『ダラス・バイヤーズクラブ(2014年)』でアカデミー助演男優賞を受賞した実力派。

デッドショット/フロイド・ロートン(ウィル・スミス)

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「バットマン」、「アロー」に登場する超人的な命中率を誇るスナイパー・ヴィラン。原作やこれまで描かれてきた感情の見えない不気味さは、今作では封印。離婚した妻との間に娘がおり、彼女に説得されてバットマン(ベン・アフレック)に捕らわれるシークエンスや熱い性格面が強調されているのは、ウィル・スミスが演じているからなのかもしれません。

キャプテン・ブーメラン/ディガー・ハークネス(ジェイ・コートニー)

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DCコミックス「ザ・フラッシュ」に登場する、ぬいぐるみフェチで巨大ブーメラン使いの強盗ヴィラン。オーストラリアで銀行強盗に入り仲間を殺害したところでフラッシュ(バリー・アレン)に捕らえられるセコいヴィランは、『ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年)』でイケメン戦士カイル・リースを演じたジェイ・コートニー。

エル・ディアブロ/チャト・サンタナ(ジェイ・ヘルナンデス)

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元ロサンゼルスギャングのリーダーで抗争中に死亡。死後、炎を操る戦士としてよみがえりエル・ディアブロを名乗るようになった「バットマン」に登場する炎怪人系ヴィラン。クエンティン・タランティーノが総指揮のホラー映画『ホステル(2006年)』シリーズで主演を務めたメキシコ系アメリカ人俳優ジェイ・ヘルナンデスが演じています。

カタナ/タツ・ヤマシロ

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愛する夫をヤクザに殺害され渡米。夫の命を奪った刀剣「ソウルテイカー(魂を奪うもの)」を使い悪人たちの監視人として活動するカタナは、やがて「ジャスティス・リーグ」にも参加するヒーローの1人、今作のチームでは唯一ヴィランではありません。

演じるのはディズニーチャンネル「世界のディズニーリゾートへGO」のLA編でガレッジセール・ゴリのアシスタントとしてレギュラーを務めたものの、これが映画初出演の福原かれん。小柄ながら空手で鍛えたアクションと殺陣のキレは他に劣らない存在感。

『スーサイド・スクワッド』におけるジョーカーとハーレイ・クイン

他のヴィランとは段違いに時間を割いている本作でのジョーカーとハーレイ・クイン。2大ヴィランといっても過言ではない2人。本作では気になる小ネタが散りばめられています。

すでにロビンを殺していたジョーカーとハーレイ・クイン

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本作の冒頭、ハーレイ・クインの紹介テロップには「accomplice of the murder of ROBIN -ロビン殺害の共犯者」と表示されます。ロビンとはバットマンの相棒ロビンのこと。前作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』では、ロビンのコスチュームにジョーカーの仕業と思われるメッセージがスプレーされているシークエンスがあります。このことから、すでにジョーカーとハーレイによって殺害されていたことが示されていて、ここでも本作との時系列につながりがあることがわかります。

ハーレイの赤黒ピエロスーツ

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アニメ版「バットマン」で初めて登場したハーレイ・クインですが、そのときのコスチュームが赤と黒のピエロスーツ。当初は単発のキャラクターだったのが人気が出てきたためにコミックやゲームにも登場するレギュラー・ヴィランとなりました。本作ではピエロスーツでジョーカーとダンスを披露。さらに出所時の私物に入ったスーツを愛しそうに充ててみせるシーンもあり、ファン・サービスには余念がありません。

ハーレイの乙女な願い

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本作終盤、エンチャントレスの魔術によってヴィランたちが「真に望むもの」を幻影として見せられるシークエンスがあります。そこでハーレイが見ていたものは、ノーメイクでスーツを着た美しいジョーカーと天使のような2人の子ども、そして美しく幸せに満ちた専業主婦のハーレイ。本作のハーレイ・クインが魅力的なだけに、少し胸に来るシーンです。

最後に

すでに公開から1年が過ぎた本作ですが、ヴィランたちの背景を意識した視点で本作と、前作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』、『ジャスティス・リーグ』を見直しながら原作にも手を伸ばしてみると、より皆さんご自身の「DCエクステンデッド・ユニバース」が拡がるかもしれません。