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バットマン新3部作『ダークナイト トリロジー』徹底解説

今やマーベルと肩を並べ、アメコミ・ヒーローの映画作品を生み出すDCコミックス。そんなDCコミックスの躍進のきっかけとなった、クリストファー・ノーラン監督によるバットマン新3部作『ダークナイト トリロジー』。

今回は、007シリーズ最新作『Bond 25(2020年公開予定)』への監督起用が有力視され、『ダンケルク(2017年)』での話題も記憶に新しいクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト トリロジー』全3作を徹底解説していきます。

『ダークナイト トリロジー』とは

クリスチャン・ベール公式Instagramアカウント(@christianbale_)より

『ダークナイト トリロジー』とは、クリストファー・ノーラン監督が手がけるバットマンシリーズ3部作『バットマンビギンズ(2005年)』、『ダークナイト(2008年)』、『ダークナイト ライジング(2012年)』のこと。

なぜ億万長者ブルース・ウェインがバットマンスーツを身に纏い、ゴッサム・シティーに蔓延る犯罪と闘うようになったのか。財力・テクノロジーの恩恵と肉体改造だけを頼りに街を守り続ける信念は何なのか。そんな彼に平穏は訪れるのか。8年に渡り、アメコミ・ヒーローとして活躍するバットマンの姿が描かれています。



『ダークナイト トリロジー』の登場人物

ブルース・ウェイン役/クリスチャン・ベール

クリスチャン・ベール公式Instagramアカウント(@christianbale_)より

バットマンとして悪と戦うのは、クリスチャン・ベール演じるゴッサム・シティ最大手企業「ウェイン産業」の社長ブルース・ウェイン。

幼少期に両親を目の前で殺害された過去の痛みを抱える彼は、悪に立ち向かうべく7年間に渡って世界中を放浪します。テロ組織に加わるなど犯罪者たちの中に身を置き、武器の扱いや白兵戦での闘い方、肉体を強靭化させる術を身に着け、ゴッサム・シティに戻ってきます。

そして、執事アルフレッド(マイケル・ケイン)、ウェイン産業の技術者フォックス(モーガン・フリーマン)、良心の刑事ゴードン(ゲイリー・オールドマン)らの協力を得て、ゴッサム・シティを自警する闇の騎士「バットマン」として活動を始めるのです。

クリスチャン・ベール公式Instagramアカウント(@christianbale_)より

そんなバットマンを演じるのは、ストイックな役作りで有名なクリスチャン・ベール。スティーブン・スピルバーグ監督作『太陽の帝国(1993年)』の主演で子役デビュー後、『アメリカン・サイコ(2001年)』での殺人鬼役で注目され、『ザ・ファイター(2011年)』でアカデミー助演男優賞を受賞します。

2018年には、西部劇『Hostiles(原題)』や、実在のアメリカ副大統領の伝記映画『Backseat(原題)』の公開が控えるなど大活躍の人気俳優です。

アルフレッド・ペニーワース役/マイケル・ケイン

マイケル・ケイン演じる、ウェイン家の執事アルフレッド・ペニーワース。両親の死後、ブルースのよき理解者であり続け、何があっても彼を見捨てない唯一の家族として登場しています。

マイケル・ケインは2度のアカデミー助演男優賞歴を持ち、エリザベス女王より「Sir」の称号を受けた英国の名優です。クリストファー・ノーラン監督作品には本シリーズをはじめ、『インセプション(2010年)』、『インターステラー(2014年)』、最新作『ダンケルク(2017年)』など多く出演しており、2020年公開予定の『Bond 25(原題)』で、メカニックQ役としての抜擢されたことでも期待されています。

ルーシャス・フォックス役/モーガン・フリーマン

モーガン・フリーマン公式Instagramアカウント(@morgan_freeman_oficial)より

ハイテク技術でバットマンの装備と武器開発をサポートする、ウェイン産業応用科学部の技術者ルーシャス・フォックス。執事のアルフレッドとも友人関係にあり、『ダークナイト トリロジー』全作に出演しています。

ルーシャスを演じるのは実力派俳優モーガン・フリーマン。『ドライビング Miss デイジー(1990年)』や『ショーシャンクの空に(1995年)』など、知的で温かみのある助演男優として知られ、クリント・イーストウッド監督作『ミリオンダラー・ベイビー(2005年)』ではアカデミー助演男優賞を受賞しています。

ジェームズ・ゴードン役/ゲイリー・オールドマン

両親を殺害されたブルースを励まし、腐敗したゴッサム市警を浄化しようと奮闘する心優しい警官ジェームズ・ゴードン。『ダークナイト』では警部補、『ダークナイト・ライジング』では市警本部長に昇進していく彼は、バットマンとともにゴッサム・シティに襲いかかる犯罪者へ挑みます。

そんなゴードンを演じるのは、豊かな表現力を持つゲイリー・オールドマン。
『ドラキュラ(1992年)』、『レオン(1995年)』、『ハリーポッター』シリーズなどエキセントリックな役柄で知られたゲイリーにとって、本シリーズのゴードン役は初めての誠実で心優しいキャラクターとなりました。

2017年にアメリカで公開された新作『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のチャーチル首相役では、ゴールデングローブ主演男優賞を受賞しています。

バットマン・ビギンズ【2005年】

バットマン・ビギンズ
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あらすじ

ゴッサム・シティのウェイン産業の社長である父と母を目の前で殺害されたブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、父の残した会社の支援を受けながら執事アルフレッド(マイケル・ケイン)に育てられました。

大学中退後、悪と戦う力を身につけるため世界を放浪。ラーズ・アル・グール(渡辺謙)率いるテロ集団「影の同盟」に加入するなど、ヘンリー(リーアム・ニーソン)の手ほどきによって、武器の取り扱い知識や戦闘能力を手に入れます。その後、ゴッサム・シティに戻るとともに、バットマンとして世のために身を投じる決意を固めていきます。

見どころ

ゴッサム・シティに戻ったブルースが、アルフレッドとともに両親の殺害に関与したマフィアを滅ぼし、かつての恩人でもある警官ゴードン(ゲイリー・オールドマン)との絆を深めるまでの、ヒーロー誕生ストーリーが描かれています。

さらなる巨悪に立ち向かうために技術者ルーシャス(モーガン・フリーマン)の協力を得て、開発放棄された軍事兵器を再利用し、防御力の高いボディスーツや飛行用マント、バットモービルに至るまでバットマン装備を作っていく過程も必見です。

ダークナイト【2008年】

ダークナイト
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あらすじ

前作での活躍で市警の警部補に昇進したゴードンとバットマンは、共にゴッサム・シティの犯罪者たちと闘っていました。そこへ正義感に燃える敏腕検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)も加勢する中、白塗りの凶悪犯ジョーカー(ヒース・レジャー)が現れます。

ジョーカーの魔の手は犯罪組織や警察内部にまで及び、「正体を明かさなければ、毎日人が死ぬ」というバットマンへの脅迫に続き、市警本部長を毒殺。そんな状況に耐えかねたハービーは事態を収拾させるために、「自分がバットマンだ」と会見し逮捕されることに。それを待ち受けていたジョーカーと、救出に向かったバットマンの一騎打ちに発展します。

見どころ

本作は、バットマン最大の宿敵であり最凶のサイコパス、ジョーカーを演じたヒース・レジャーの遺作となりました。そんなジョーカーの、敵を肉体的・精神的に追い込んで、怒りや復讐心を灯させながら「悪の道」に引きずりむ狡猾な悪の姿は本作の最大の見どころ。ブルースやゴードンの心を蝕み、ハービー・デントに至ってはトゥーフェイスという怪人に仕立て上げられてしまいます。

ダークナイト・ライジング【2012年】

ダークナイト・ライジング
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あらすじ

ジョーカーとの死闘から8年後。「ゴッサムの希望の星を消してはならない」として、ゴッサム・シティの英雄であったハービー・デントが怪人トゥーフェイスとして犯した罪を全て被ったバットマンは、闇の活動からも表舞台からも身を引き孤独な生活を送っていました。

そんな中、ウェイン産業を乗っ取るために雇われたセリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)と、悪の組織「影の同盟」の後継者ベイン(トム・ハーディ)によってブルースは自己破産に追いやられてしまいます。彼らの攻撃は徐々にエスカレートし、ゴッサム・シティは終焉の危機に晒されます。

見どころ

※この記事は『ダークナイト・ライジング』のネタバレを含みます。

『バットマン・ビギンズ』で壊滅させられたはずの「影の同盟」の後継者ベインが、バットマンへの復讐を狙うヴィランとして登場。さらには、ウェイン産業会長のミランダ・テイト(マリオン・コティヤール)が本当の黒幕であるなど、前作で散りばめられた伏線の回収はコミックファンをも唸らせます。

最後には、セリーナが公私ともにブルースのパートナーであることを示唆。そしてブルースの支援する施設で育った警官ジョン・ブレイク(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)の本名が「ロビン」であることも明かされます。彼が今後バットマンの後を継ぐ者のか、パートナーとして共闘するのかを敢えて語らぬまま幕を閉じる秀逸さは必見です。

最後に

特殊能力を持たずに生身の状態で戦うヒーローとして、観る者の共感を得たバットマン。クリスチャン・ベールに続いてベン・アフレックがバットマンを務める新作『ザ・バットマン(2018年)』や『ジャスティス・リーグ Part 2(2019年)』も公開が決まっています。最新作を楽しむために、ぜひ『ダークナイト トリロジー』を改めてチェックしてくださいね!