大学在学中にモデルの仕事を始めた阿部寛。当初は二枚目の役ばかりしか与えられなかったそうですが、今や多くのドラマ・映画に個性あふれる役で出演しています。
いろんな役柄を演じていますが、それでいて「阿部寛」というイメージを観ている人に伝えきれるところが魅力的。そんな阿部寛の魅力が溢れ出ている作品を紹介します。
目次
大帝の剣【2007年】
あらすじ
特殊な金属であるオリハルコンで作られた三種の神器のうち、「大帝の剣」を持っていた万源九郎(阿部寛)は、全ての神器を揃えるべく旅をしていました。道中で豊臣家の血を引く姫・舞(長谷川京子)と出会い旅を続けます。しかし、この舞の体には驚くべき秘密が隠されているのです…。
見どころ
この作品はCGと特殊メイクを使い始めた頃の映画で、設定も徹底的にぶっ飛んでいます。阿部寛演じる万源九郎は野武士のような格好で、オリハルコンで作られた大剣・クロス・独鈷鐘を使って悪い宇宙人と戦うというストーリーです。戦いの場面も多く、かっこいい阿部寛を見ることができます。
トリック 劇場版シリーズ【2002年〜】
あらすじ
背がデカイが気は小さい大学教授の上田次郎(阿部寛)とお金が無くて胸も貧しいマジシャンの山田奈緒子(仲間由紀恵)。この2人が常にお互いを言葉でなじりあいながらも、その掛け合いの中で、様々な超常現象的な事件を科学的に解決していきます。
見どころ
この映画は3シリーズのテレビ番組、3作のスペシャルドラマとともに劇場版として作製されました。『トリック劇場版(2002年)』、『トリック 劇場版2(2006年)』、『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル(2010年)』、『トリック劇場版 ラストステージ(2014年)』と全4シリーズです。
上田次郎の山田奈緒子への態度がちょっと傲慢で独りよがりだけど、最終的には山田を助けてしまうところがツボ。最後は、上田の大きい体とオンボロの小さな車のシーンで終わりますが、阿部寛だから出せるアンバランスさがまた良いです。
テルマエ・ロマエ【2012年】
あらすじ
古代ローマ帝国時代、公衆浴場(テルマエ)設計技師として働いていたルシウス(阿部寛)は、友人に連れて行かれた浴場でタイムトリップをしてしまいます。トリップ先は日本の銭湯。ルシウスは日本の銭湯文化に感化されて、日本とローマ帝国を往来しながら自国で新たな銭湯を次々と作り出して行くことに。
見どころ
ヤマザキマリの漫画を実写化した作品。当時、映画化されることを聞いて、主役は誰か?裸のシーンが多いけど大丈夫?と思った人もいたはずです。そして、阿部寛の役のハマりっぷりは観れば納得するでしょう。また、現代とローマ時代の違いを上手い具合に表現しています。
疾風ロンド【2016年】
あらすじ
栗林和幸(阿部寛)は医科学研究所の主任研究員。ある日、研究所から生物兵器「K-55」が盗まれて脅迫状が届く事態に。上司から「K-55」の盗難の責任を転嫁された栗林は、捜査に乗り出し野沢スキー場に向かいます…。
見どころ
東野圭吾の原作を映画化した作品です。栗林和幸の中間管理職としての悲哀、息子との関係、正しいことを正しいと言う勇気。それを阿部寛風に演じているところが魅力です。
恋妻家宮本【2017年】
https://www.youtube.com/watch?v=GgvGBXyMxys
あらすじ
自分に自信が持てなく、選択することが苦手な優柔不断な夫・宮本陽平(阿部寛)と妻・美代子(天海祐希)は、大学時代に合コンで出会い子供ができて結婚しました。その27年後、息子(入江甚儀)が結婚して家を出てしまい2人だけの生活が訪れると、お互いの自信のなさが疑心暗鬼となって離婚まで話が進んでしまいます。
見どころ
印象的な場面は、駅で陽平が美代子に本音を語るシーンと出演者が吉田拓郎の「今日まで、そして明日から」を歌うシーン。阿部寛が歌う瞬間に爽やかな顔になるところがたまりません。
ステキな金縛り【2011年】
あらすじ
妻殺しの容疑者である矢部五郎(KAN)の弁護を担当することになった宝生エミ(深津絵里)。事件を調べている中で、落ち武者幽霊の更科六兵衛(西田敏行)を証言者として見つけます。ここから前代未聞の裁判が始まり…。
見どころ
阿部寛は速水悠という弁護士で、主役の宝生エミの上司役です。殺人の証言者が幽霊と報告を受けて最初は信じていませんでしたが、その存在を後に信じることに。主役ではありませんが、脇役としての阿部寛がいい味を出しています。
ゴジラ2000 ミレニアム【1999年】
あらすじ
人間の社会を破壊するために出現したゴジラ。時を同じくして、海底から謎の岩塊が出現。さらにそこから現れたのは地球を侵略するためにやってきたエイリアンでした。エイリアンはゴジラの細胞を吸収して宇宙怪獣オルガとなり、ゴジラはオルガと対決します。
見どころ
アメリカ・ハリウッドで製作された『GODZILLA(1998年)』が今までのゴジラと姿形があまりにも違ったため、ファンの反応を察知した東宝が従来のゴジラを復活させるために製作を開始。特撮によりゴジラの凶暴さとリアルさを追求しています。
阿部寛の役は、内閣官房副長官で日本の危機管理情報局の局長・片桐光男です。高官独特の傲慢さと冷酷さを醸し出した役柄で、最期はオルガを倒したゴジラに片桐が対峙します。阿部寛の怪演ぶりが見ものです。
ふしぎな岬の物語【2014年】
あらすじ
喫茶店「岬カフェ」を経営している柏木悦子(吉永小百合)。彼女は持ち前の優しい性格で村のみんなを受け入れていて、村人たちも悦子を慕ってカフェに集まります。ところが、カフェの常連客が次々と村を出て行くことに。また、亡き夫が残した喫茶店も火事で燃えてしまうという、悦子自身にも辛い出来事が降りかかりますが、村人たちの思いのおかげで立ち直っていきます。
見どころ
吉永小百合が初めて企画した映画です。阿部寛は悦子の甥役で、小さい頃から悦子に魅かれ無鉄砲で一本気な男を演じています。その役柄からも悦子役の吉永小百合の演技を支えているように感じられるでしょう。
カラスの親指【2012年】
あらすじ
平凡なサラリーマンだった武沢竹夫(阿部寛)は友達の借金の保証人になったことで、闇金の取り立てに合い、だんだんと犯罪組織に扱き使われるようになります。ある日、取り立てていた女性が自殺したことで一瞬自分を取り戻し、犯行グループを警察に告発。組織は壊滅しましたが、そのことで、武内は組織に追われることに。
見どころ
ミステリー作家・道尾秀介の原作を映画化。原作とも異なる内容は実際に観て確かめましょう。阿部寛は、この武内の役を淡々と演じて映画の中に引き込んでくれます。相棒役の入川鉄巳(村上ショージ)との掛け合いもピッタリです。
恋人はスナイパー 劇場版【2004年】
あらすじ
ある日、無差別に人が狙撃されるテロ事件が発生。警察は香港の刑務所で服役中の伝説のスナイパー・王凱歌(内村光良)に捜査の協力を仰ぎます。召喚された王凱歌は、かつての恋人で刑事の円道寺きなこ(水野美紀)と再開。2人は事件解明に向けて動きだします。
見どころ
この作品は、テレビのスペシャル番組と合わせて3部作の完結編です。その中で、阿部寛はテロ事件の首謀者・神宮寺を演じています。法律事務所の経営者としてクールで政府関係者にもコネを持った謎めいた存在ですが、犯行の首謀者とわかるにつれて、悪党ぶりは増していきます。彼は「自分の身は自分で守れ」という信条も持っていますが、これは彼の悲しい過去に起因しているのです…。
事件の解決はお決まりの展開ですが、戦いの結末に「あれ?」と思わせるシーンがあるので確認してみてください。
HERO【2007年】
あらすじ
久利生公平(木村拓哉)は6年ぶりに東京地検城西支部に戻ってきました。離婚調停中の芝山貢(阿部寛)に代わりに傷害致死事件を担当。しかし容疑者の梅林圭介(波岡一喜)が一転無罪を主張し、敏腕弁護士の蒲生一臣(松本幸四郎)は裁判で久利生を追い詰めます。
見どころ
TVの人気ドラマに続く劇場版。この傷害致死事件が代議士・花岡錬三郎(タモリ)の贈収賄疑惑に繋がることが判明し、国民の注目を浴びる裁判に発展。久利生は幾多の妨害を受けながらも花岡の罪状を立証します。阿部寛演じる芝山はドラマでも映画でも一匹狼的な存在。芝山の語り口が独特で演技としても印象に残ります。
最後に
まだまだ紹介しきれないほど出演作はありますが、阿部寛のこんな役柄も素敵だなと思える作品ばかり。背が高くハッキリした顔立ちで演技も目立ちすぎてしまうのでは?と思うかもしれませんが、静かに佇む役柄もハマる名俳優です。今回ご紹介した作品をまだ観ていない方は、ぜひご覧になってください。2018年公開予定の『空海』も楽しみですね。
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