今回は、2017年に公開したそんなホラー映画の数々から、特に話題になったおすすめ作品を厳選してご紹介します。まだチェックしてないものがあった方は、ぜひご覧になってみてください!
目次
IT/イット "それ"が見えたら、終わり。
あらすじ
子どもが次々に失踪する事件が起こっている、とある田舎町。少年ビル(ジェイデン・リーバハー)は、弟のジョージー(ジャクソン・ロバート・スコット)が事件の被害者になってしまったことで心に傷を負います。そして、その時期と重なるようにしてビルには不気味な「それ」が見えるようになるのでした。ビルは同じように心の傷を抱えた少年少女たちとともに、「それ」の恐怖に立ち向かっていきます。
見どころ
子どもたちが、恐怖の象徴であるピエロのペニーワイズに立ち向かっていく姿を描いた作品です。ホラー映画でありながら、どこか『スタンド・バイ・ミー(1987年)』のような青春要素も感じさせてくれます。リメイク元である『IT(1991年)』は、一部の観客がペニーワイズへのトラウマから「道化恐怖症」を引き起こしたことでも話題になりました。2017年版の今作は興行収入でホラー映画史上最高の売り上げを記録したこともあり、まさにホラー豊作の年であった2017年を代表する映画と言えるでしょう。
スプリット
あらすじ
女子高生のケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)は、2人の友人とともに謎の男(ジェームズ・マカヴォイ)に誘拐されてしまいます。どこか室内に監禁されてしまったケイシーたちは、自分たちを誘拐した男の言動から、彼が多重人格者であることに気づきます。ケイシーたちはどうにか監禁場所から逃げ出そうとするのですが…。
見どころ
独特の作風やストーリー展開に定評のあるM・ナイト・シャマラン監督作です。一番の見どころは何といっても誘拐犯の人格が変わっていく描写で、いくつもの人格を演じ分けたジェームズ・マカヴォイの怪演には圧倒されます。最後にはシャマラン監督の十八番とも言える衝撃のエンディングを控えた、ラストまで目が離せない傑作ホラーサスペンスです。
ジグソウ:ソウ・レガシー
あらすじ
目が覚めるとどこかの密室に鎖でつながれていた5人の男女。彼らは突然「死のゲーム」への参加を強いられます。同じころ、市街地の公園で死体が発見されますが、その殺害の手口は10年前のジグソウによる連続殺人事件と酷似していました。犯人や関係者の死亡によって終結したはずのジグソウ事件は、「ゲームは始まった」というメッセージとともに再び動き出すのでした。
見どころ
ジグソウの事件が続くことを示唆して終わった『ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年)』から8年ぶりの続編です。シリーズおなじみのユニークなゲームシステムや、被害者たちの痛々しい描写は健在で、思わず目を逸らしたくなるようなショッキングなシーンの連続となっています。ギネスブックにも「最も成功したホラーシリーズ」として掲載されている物語の最新作として、多くのホラーファンの注目を集めました。
こどもつかい
あらすじ
記者の江崎駿也(有岡大貴)は連続不審死事件を調べていく中で、被害者たちが死ぬ数日前には決まって、その周辺で子どもが失踪する事件が起きていたという共通点を見つけます。その背景に「子どもの呪い」の噂があることを知る駿也でしたが、同じころ駿也の恋人である尚美(門脇麦)にも同様の呪いがかけられてしまいます。尚美を救うため、駿也は事件の真相に迫っていきますが…。
見どころ
『呪怨』シリーズで知られるホラー邦画の名手・清水祟監督が手掛けた作品です。児童虐待などの社会問題にもフォーカスしたストーリーが話題となりました。タッキーことジャニーズの滝沢秀明がストーリーの中心人物「こどもつかい」を演じ、アイドルとしてのイメージから大きく離れたキャラクターを表現しているところも注目ポイントです。
ゲット・アウト
あらすじ
写真家のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、恋人であるローズ(アリソン・ウィリアムズ)の家族に紹介されることになります。ローズの家族から熱烈な歓迎を受け、後日には親族の集まりにも招待されたクリスでしたが、黒人である彼は白人ばかりのパーティーの中でどこか居心地悪く過ごします。やがて違和感の正体が明らかになるとともに、ローズの実家に隠された秘密が暴かれるのでした。
見どころ
2017年のホラー映画の中でも特に注目を集めた異色作です。ホラーというだけでなく、シニカルなコメディ要素も随所に散りばめられています。アメリカの人種問題に鋭く切り込んだ内容で、ただの珍作ホラーでは終わらない深いテーマを扱ったことが広く批評の的となり、高評価を獲得しました。
ジェーン・ドウの解剖
あらすじ
田舎町で検死官として働くトミー(ブライアン・コックス)とその息子オースティン(エミール・ハーシュ)はある夜、身元不明の女性の遺体の検死依頼を受けます。2人はいつものように検死を進めていきますが、その遺体にはある秘密が隠されていました。
見どころ
「遺体解剖」がテーマという、かつてない異色ホラー。生々しい解剖シーンや2人の検死官を襲う怪現象など、ショッキングなストーリーが展開されます。「ジェーン・ドウ」とはアメリカで身元不明の女性を呼ぶ通称で、男性は「ジョン・ドウ」と呼ぶそう。『28週間後…(2007年)』など様々なホラー作品で視覚効果を務めたセブ・バーカーが製作に加わっており、全米最大規模のジャンル映画の祭典「ファンタスティック・フェスト」では最優秀作品賞に輝いた作品です。
グレースフィールド・インシデント
あらすじ
5人の友人とともにカナダのグレースフィールドにある山荘を訪れたマット(マチュー・ラザ)。彼は数か月前に事故で片目を失っていましたが、休暇中の様子を撮影しようと小型カメラを仕込んだ義眼を取り付けていました。その夜、山荘の近くに隕石が落下したことから恐ろしい出来事が起こり、マットのカメラはその映像を記録していきます。
見どころ
手持ちカメラの視点で映画が展開されるPOV(Point Of View)方式をとっています。エイリアンと遭遇する恐怖がリアリティ溢れる映像で描写され、観ているだけで現場に居合わせたかのような臨場感を覚えるはずです。次々とエイリアンが迫り来る緊張の展開が続き、ノンストップSFホラーとして注目されました。
バイバイマン
あらすじ
エリオット(ダグラス・スミス)、ジョン(ルシエン・ラヴィスカウント)、サシャ(クレシダ・ボナス)の3人は、田舎の屋敷に引っ越してきます。彼らは入居の直後から謎の体調不良や怪現象に悩まされ始めますが、ある日屋敷の中で「バイバイマン」という謎の存在に関する記述を見つけます。その名前を口にした者、思考した者にすら死をもたらすというバイバイマンの呪いを知ったエリオットたちは、状況を打破するために奔走するのでした。
見どころ
「名前を知っただけで呪われる」というハードな設定が話題になった作品です。次々に起こる怪現象や、じわじわとバイバイマンの魔の手が迫ってくる描写は、王道のオカルトホラーとしてストレートな恐怖を与えます。人間以外のキャラクターを演じることが多い個性派俳優ダグ・ジョーンズが務めたバイバイマン役の演技も要チェックです。
ライフ
あらすじ
火星探査機から送られてきたサンプルの中に微生物が発見され、国際宇宙ステーションで調査が行われることになります。しかしその微生物は急速に進化して観察容器から逃げ出し、クルーたちを襲い始めるのでした。逃げ場のない宇宙ステーションの中で、クルーたちの決死のサバイバルがくり広げられます。
見どころ
「閉鎖空間でエイリアンと戦う」という古典的なSFホラーです。『ナイトクローラー(2014年)』のジェイク・ギレンホールや『デッドプール(2016年)』のライアン・レイノルズ、そして真田広之など、豪華キャストが共演して緊迫のサバイバルを繰り広げます。最後まで一瞬も気を抜けないスリリングな作品です。
新感染 ファイナル・エクスプレス
あらすじ
ソグ(コン・ユ)は娘と一緒にソウルから釜山へ向かう列車に乗っていました。しかし、その途中で乗ってきた一人の女性が乗務員に突然襲いかかり、襲われた人はまた他の乗客を襲いだすという感染の連鎖が発生してしまいます。なんとか感染者を一部の車両に封じ込めたソグたちは、国中で同様のパニックが起きていることを知り、生き延びるため釜山まで列車を走らせることを決意するのでした。
見どころ
韓国発の大規模なゾンビパニック映画として注目を集めました。大量のゾンビと生存者の戦いが繰り広げられる様は、『ワールド・ウォーZ(2013年)』や『アイアムアヒーロー(2016年)』を彷彿とさせます。秀逸なエンタメホラー大作に仕上がっており、ホラー小説の帝王スティーブン・キングも絶賛したそうです。
最後に
名作のリメイクから斬新な設定の新機軸まで、2017年もたくさんのホラー映画が誕生しました。王道のオカルトホラーやゾンビもの、POV映画、SFホラー、ワンシチュエーションのアイデアが光る作品など、ジャンルもテイストも幅広い良作が並んでいます。
音響や視覚効果など、技術の進歩でますます面白さを増していく最新のホラー映画は、一度は観ておくべき傑作ばかり。ぜひお気に入りを見つけてみてください。
スポンサーリンク