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監督「ギレルモ・デル・トロ」の愛すべきモンスター映画10選

ギレルモ・デル・トロが最も愛し、最も得意とするもの、それは「特殊メイク」です。モンスターを作らせれば右に出る者はおらず、彼が制作に携わった作品には、必要不可欠な要素とも言えます。

彼の手掛けたモンスターは数知れず、それらはただ気味が悪く、恐ろしいだけではありません。感動を与えるモンスターや怪物、そして奇妙な世界へと私たちを導く姿に、多くの人々が魅了されてきました。

そんなギレルモ・デル・トロが手掛ける10作品を、紹介したいと思います。

クロノス【1998年】

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あらすじ

店主のヘスス(フェデリコ・ルッピ)は、自身の店に置く1体の像から、謎の機械「クロノス」を発見します。飛び出してきた針で刺されたことから、彼の人生は大きく変わることになります。

「クロノス」は人間を魅了し、身体そのものに変化をきたし、そしていつしか争いを生む謎の存在でした。

見どころ

メキシコ産ホラー映画で、ギレルモ・デル・トロ初監督作品です。

機械に操られる人間の欲を描いた本作品には、後に『ヘルボーイ(2004年)』で主演を務めるロン・パールマンが出演しており、彼との関係の深さを感じさせます。ロン・パールマンは、ギレルモ監督と結びつきの強い人物であり、他にも彼の監督作品に出演している、抜群の存在感を醸し出す俳優です。



ミミック【1998年】

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あらすじ

ニューヨークで多くの犠牲者を出した病気、それはゴキブリを媒介したものでした。スーザン(ミラ・ソルヴィノ)は、ゴキブリだけを駆除する奇跡の昆虫を作り出し、その結果、ゴキブリの死滅に成功します。しかし長い年月を経て、その昆虫はおぞましい姿へと変貌。再びニューヨークを恐怖が襲うことになるのでした。

見どころ

異形の存在がニューヨークを恐怖に陥れるホラー作品。ギレルモ監督作品の中でも、飛び切りおぞましい造形で、見る者を震え上がらせます。本作には、ジョシュ・ブローリン、ノーマン・リーダスと、現在活躍する人気俳優が出演しており、若かりし日の彼らの姿を見ることができます。

本作は大ヒットとまではいかなかったようですが、設定がウケたのか続編となる『ミミック2(2002年)』が制作されています。

ブレイド2【2002年】

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あらすじ

人間とヴァンパイアの間に生まれたヴァンパイアハンター、ブレイド(ウェズリー・スナイプス)は、人間を襲うヴァンパイアとの闘いの中で、かつての仲間の生存の噂を聞きつけます。そんな時、新たな種族の誕生を知ったブレイドは、これまで争ってきたヴァンパイアとの、共闘を受け入れることになるのです。

見どころ

ヴァンパイアとハンターによる、闇の戦いを描いた人気シリーズ第2作目。

ホラーアクションという、ギレルモ監督の得意分野であり、前作の人気も相まって、スマッシュヒットを飛ばします。主人公ブレイドを演じている、ウェズリー・スナイプスは制作にも携わり、続編となる3作目の監督は、本作で脚本を務めたデヴィッド・S・ゴイヤーが担当しています。

ヘルボーイ【2004年】

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あらすじ

新人捜査官のジョン(ルパート・エヴァンス)が担当になったのはなんと、幻の存在として噂されていた、真っ赤な悪魔ヘルボーイ(ロン・パールマン)でした。彼のお目付け役を言い渡されたジョンでしたが、配属直後に事件が発生します。現場に向かうとそこで、ある魔物が暴れていました。

見どころ

人気アメコミ作品を実写化した本作は、原作者であるマイク・ミニョーラ自らモンスターのデザインをしたことでも有名です。ギレルモ監督ならではの、メインキャラクターからサブキャラクターまで、モンスターのオンパレード。彼の世界を存分に味わうことのできる、アクションファンタジー映画となっています。

デビルズ・バックボーン【2004年】

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あらすじ

父親が戦死したことを知らないまま、孤児院で過ごすカルロス(フェルナンド・ティエルブ)。なかなか同じ孤児たちと打ち解けられず、大人たちもまた忙しくする毎日でした。

そんなある日、カルロスは見知らぬ少年を目撃します。実はその少年は幽霊で、そこからカルロスの奇妙な生活が始まるのでした。

見どころ

2001年に制作されたホラー映画ですが、ただ恐怖を煽るだけではなく、ドラマもしっかりと存在するストーリー性に溢れた作品になっています。

主人公カルロス(フェルナンド・ティエルブ)が暮らす孤児院は、内戦中のスペインが舞台になっています。この設定はギレルモ監督作品の『パンズ・ラビリンス(2007年)』とよく似ていて、両作品とも監督のお気に入りだと言われています。

評価も高く、アムステルダム・ファンタスティック映画祭でヨーロッパ映画グランプリに輝くなど、ギレルモ監督作品の中でも異彩を放つ作品となっています。

パンズ・ラビリンス【2007年】

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あらすじ

故郷を離れたオフェリア(イバナ・バケロ)は、厳しく振る舞う新たな父(セルジ・ロペス)と、内戦の痛みから寂しい日々を過ごしていました。

しかし、そんな彼女の前に妖精が現れたことから、オフェリアは不思議な世界に魅了されていきます。妖精に導かれ辿り着いたのは、大きな角を生やした番人パン(ダグ・ジョーンズ)。彼はオフェリアを王国の姫だと言うのです。

見どころ

現実か幻想か、少女の儚い世界を描いたギレルモ監督の代表作。

本作で、悲しみに暮れながらも夢を見続けた少女を見事に描いたとして、高い評価を獲得しました。第79回アカデミー賞では、撮影賞や美術賞などいくつもの賞を受賞。その他にも、英国アカデミー賞やゴヤ賞などにも輝いています。

本作で監督から制作、脚本までを担当したギレルモ監督。彼の代表作であり、ファンタジー作品としても歴史に残るものとなりました。

ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー【2009年】

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あらすじ

オークション会場が何者かに襲われたとして現場に急行したのは、ヘルボーイ(ロン・パールマン)率いる捜査防衛局。生存者の気配はなく、それどころかまだ何かが潜伏している気配を漂わせていました。そこに現れたのは大量の「歯の妖精」。なんとかその場を凌いだヘルボーイたちでしたが、それは来る災いの兆候でした。

見どころ

前作『ヘルボーイ(2004年)』から数年後を舞台にしたシリーズ第2作目。
前作で主人公ヘルボーイ(ロン・パールマン)のお目付け役だったジョン(ルパート・エヴァンス)はいなくなり、代わりに不思議な人間(?)が登場します。

続編ということもあり出演しているモンスターの数、バリエーションは前作を遥かに凌ぐ勢い。そしてそれ以上に本作のメインキャラクターの1人、半魚人のエイブ(ダグ・ジョーンズ)が非常に重要な役として活躍します。

パシフィック・リム【2013年】

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あらすじ

戦いで兄を亡くしたローリー(チャーリー・ハナム)は、毎日生きるために仕事に打ち込んでいました。そこへヘリに乗り、かつての上司が姿を現します。また戦ってほしい、と。

ローリーはかつて世界を襲う巨大な「怪獣」と戦うため、イェーガーと呼ばれる巨大ロボットに乗り込んでいました。そして新たなパートナーとともに再びイェーガーに乗り込みますが、彼らの知らないところで事態は悪い方向へ進んでいたのです。

見どころ

世界中、そして日本人を興奮へと叩き込むギレルモ監督渾身の一作。怪獣とロボットという日本では馴染みのある光景を、ハリウッドの技術を総動員して最高のエンターテインメントへと仕上げています。

本作では登場する「怪獣」をそのままKAIJUと発音しており、日本への愛が込められた作品としても注目を浴びています。ヒロインには菊地凛子、そして彼女の幼少期を芦田愛菜が演じており、日本人がメインを務める数少ない映画です。

世界中で大ヒットを記録した、ギレルモ監督の代表作になっています。

クリムゾン・ピーク【2016年】

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あらすじ

小説の執筆に打ち込む少女イーディス(ミア・ワシコウスカ)は、1人の男性に惹かれ始めます。彼はトーマス(トム・ヒドルストン)といい、彼女の父に投資話を持ち出しましたが門前払いとなってしまった男性でした。

その父がある日何者かによって殺害され、母親を亡くしていたイーディスはトーマスの屋敷でともに暮らすことになりました。

見どころ

ゴシックホラーと銘打たれ、20世紀初頭のアメリカを舞台に豪華な衣装と禍々しいまでのホラーテイストを描き出す作品。ギレルモ監督は脚本や制作も手掛け、ストーリーだけでなく衣装にも多くの注目を集めました。

共演者にはジェシカ・チャステイン、チャーリー・ハナムと、豪華キャストが揃います。美と恐怖を携えた、ギレルモ監督ならではの世界観が展開します。

シェイプ・オブ・ウォーター【2018年】

https://www.youtube.com/watch?v=wrffB5vzk4o

あらすじ

薄暗い施設で清掃をすることが、話せないエリーザ(サリー・ホーキンス)にできる唯一の仕事でした。

ある時そこに巨大な水槽が運び込まれ、エリーザは人間ではない生き物を目撃します。興味をそそられるエリーザは、徐々にその生き物との距離を縮めます。そして次第に不思議な感覚が芽生え始めるのでした。

見どころ

未知の生物と人間の女性との交流を描いたSFドラマ。その生物は水の中で暮らす半魚人で、たびたび姿を現すエリーザに惹かれるようになるのです。

本作で半魚人役として出演しているのは、映画『ヘルボーイ(2004年)』でも半魚人エイブ役を演じたダグ・ジョーンズ。同じ半魚人役ということもあり『ヘルボーイ(2004年)』との繋がりを感じさせます。

日本での公開は2018年となっていますが、2017年にヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映された際に大盛況となり、ギレルモ監督の最高傑作とも言われる『パンズ・ラビリンス(2007年)』に匹敵するとの呼び声も高い作品です。

最後に

モンスターやホラー作品を多く手掛け、特殊メイクでは映画界でもトップクラスの才能を見せるギレルモ・デル・トロ。そのほとんどがただの恐怖を描いているわけでも、グロテスクを追求したわけでもなく、そこには必ずといって「美」が存在しています。

美しく恐ろしい、これがギレルモ監督の作品であり、多くの人を魅了する彼の世界観なのです。そんな彼の世界観に魅了されたい方はぜひ観てみてくださいね。