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アクション映画の金字塔『ダイ・ハード』シリーズをおさらい

2017年現在、過去に製作された映画の多くは時代とともに色あせてきてしまっていますよね。CGが嘘っぽかったり、セットがカッコよくなかったり。そんな中、1988年からスタートし今なお熱狂的なファンの多いのが特徴の、映画『ダイハード』。

今回はそんなブルース・ウィリス主演のアクション映画、名作『ダイハード』シリーズを振り返ってみます。アクション好きならきっとハマる本作、見逃しているタイトルがある場合はぜひ観てみてくださいね。

『ダイ・ハード(1988年)』

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ニューヨーク市警のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、別居中の妻ホリー(ボニー・べデリア)に会うためにロサンゼルスのナカトミ商事ビルに来ていました。そこでテロリストの襲撃に遭い、事態を収拾できない地元警察に代わって単身で立ち向かっていくのです。

「Die」は「死ぬ」、「Hard」は「激しく」。すると直訳的には「激しく死ぬ」、もしくは命令形で「激しく死ね」という意味に取ってしまいがちですが、この場合の「Hard」は「困難である」「難しい」というニュアンス。『Die Hard』で「なかなか死なない」。まさに主人公、不死身の男ジョン・マクレーンを指す言葉というわけです。

監督のジョン・マクティアナンは、1987年公開の『プレデター』に続き今作でハリウッド監督としての地位を盤石なものにしたと言えるでしょう。『レッドオクトーバーを追え(1990年)』でも見られるように、アクション映画に効果的な伏線を含むスリラー要素を取り入れた先駆者でもあります。『ダイ・ハード』シリーズでは、他に3作目の監督、4作目の製作を手掛けています。

主演のブルース・ウィリスも、このシリーズのヒットで人気を爆発させた俳優です。TVドラマなどで活躍していたコメディー俳優から一転、アクション俳優としてブレイクしました。コミカルなキャラクターでありながら激しいアクションをこなす活躍ぶりは、シュワちゃんやスタローンのようなマッチョ俳優が牛耳っていたアクション映画界に一石を投じたと言っても過言ではありません。



『ダイ・ハード2(1990年)』

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監督はレニー・ハーリン。『エルム街の悪夢4(1988年)』が評価され、他の作品で忙しいジョン・マクティアナンに代わってメガホンをとりました。

時間軸は1作目の翌年のクリスマス。妻を迎えにワシントン・ダレス空港にジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)が到着します。そこへ空港全体をジャックしようとするテロリストたちが現れ、またもやジョンはひとりで悪に立ち向かうヒーローとなるのです。2年連続で災難に見舞われたことで、これ以降「最も運の悪い男」と呼ばれることになってしまうジョン・マクレーンですが、不屈の精神はこの作品でも健在です。

この作品には、1作目に出ていた俳優陣が数多く再出演しています。妻ホリー役のボニー・べデリアをはじめ、お調子者ジャーナリストのリチャード(ウィリアム・アザートン)や、前作で相棒役を務めたロス市警のアル・パウエル巡査(レジナルド・ヴェルジョンソン)が良い味を出しています。

また、名だたる俳優陣が新たな共演者として起用されていることも印象的です。『LAW&ORDER』のアーサー・ブランチ地方検事としても有名なフレッド・トンプソンが空港のトルドゥ部長役、『星の王子様ニューヨークへ行く(1988年)』、『ドクター・ドリトル3(2006年)』でも活躍したジョン・エイモスが空港に出動する軍のグラント少佐として出演。その他にもウィリアム・サドラー、フランコ・ネロ、コルム・ミーニイ、ジョン・レグイザモなど、共演者は軒並み豪華な顔ぶれとなっています。

『ダイ・ハード3(1995年)』

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今作ではジョン・マクティアナン監督がシリーズに復帰。また、主人公のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)の相棒役に、『パルプ・フィクション(1994年)』での熱演が高評価だったサミュエル・L・ジャクソンが抜擢されたことも話題となりました。

これまではビルや空港内と、比較的狭い場所でストーリーが展開されましたが、3作目ではニューヨーク全体が舞台に。これまで2度もテロリストたちの大規模な犯行を防いできたジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、アルコール依存症で人生を棒に振る寸前という有り様でした。そんなところへ突如、爆弾を使うテロリストから指名がかかり、ジョンは「サイモンセッズ」と名付けられたゲームへの参加を強制されることになります。元タクシー運転手のゼウス・カーバー(サミュエル・L・ジャクソン)もひょんなことからゲームに巻き込まれ、2人はニューヨークの街を守るために奮闘するのです。

これまでは冬の夜の出来事を描いていたこともあり、どことなくしんみりと悲壮感の漂う映画になっていましたが、今作はカラっと晴れた真昼間、大事件に奔走するヒーローを描いたド派手なアクション大作となっています。

第1作、2作は、頭を使って苦難に立ち向かうヒーロー像を作り上げ、新たな分野を開拓するものとなりましたが、この作品ではさらに謎解きの要素を加え、アクションとともに娯楽性を追求した作品となっています。後味をスッキリさせるために、原作と違うエンディングを採用しているのだとか。

『ダイハード4.0(2007年)』

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これまでの活躍が認められ、テロ対策班の警部補になっているジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)。妻のホリーとは離婚してしまったものの、娘のルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に対しては少々過保護気味。子どもたちと同世代の若者の警護を時間外に依頼されるところから物語は始まりますが、だんだん大きなテロに巻き込まれていくというストーリー展開です。

12年ぶりの本作は、アクション映画という分野が熟成されたことも踏まえて、観客を魅了するための大掛かりな仕掛けが随所に見られます。オープニング直後から銃撃戦が始まり、そこからハイスピードで前代未聞の大事件へ。ジョンに向かって自動車、戦闘機のミサイルまで飛んでくるという、迫力の演出が盛り込まれています。

コンピューターのハッキングなど、サイバーテロを題材にしているところも特筆すべきところ。国際的に使用された原題も『Die Hard 4.0』と、コンピューターソフトのバージョンナンバーのような表記となっています。

引きこもりのオタクが出てきたり、技術を持った若者を秘匿性の高いインターネット回線で犯罪に加担させるなど、社会風刺的な要素も取り入れています。ジョンが禁煙しているのも社会現象の影響なのではと思うほど。

犯罪集団の一員ランド(シリル・ラファエリ)は、当時注目されていたパルクールという体操競技のような身のこなしで街中を移動し、何度もジョンを追い詰めました。流行や社会情勢を作品に積極的に取り入れたことで注目を集めた作品と言えます。

黒幕の恋人で組織のNo.2でもあるマイ・リン(マギー・Q)も、圧倒的な存在感でした。アジアンテイストの美しい顔立ちから放たれる本格カンフーアクションで、観客の度肝を抜いています。彼女の活躍はTVドラマ『ニキータ』シリーズでも観ることができますよ。

『ダイ・ハード/ラスト・デイ(2013年)』

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今作は、2001年公開の『エネミー・ライン』でメガホンを取ったジョン・ムーア監督による作品。ミステリアスな展開やシリアスなチェイスシーンに定評のある監督で、戦場でのジャーナリストとしての活動が、悪役の残忍さやリアルな戦闘描写に活かされています。

ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)のもとへ、長く顔を合わせていない息子のジャック・マクレーン(ジェイ・コートニー)がモスクワで収監されたという情報が届くところから物語は始まります。終身刑になるかもしれないということで、ジョンは休暇をとり、何とか力になろうと単身ロシアに乗り込むのです。歳はとっても、世界一運の悪い男は果敢に立ち向かい、息子を助けるために奮戦します。

『ダイ・ハード4.0』では戦闘機が相手でしたが、今回も戦車や戦闘用ヘリなど、とんでもない相手と戦うことになります。さらに、変化していくオヤジと息子の関係からも目が離せません。過去の『ダイ・ハード』シリーズの名場面をオマージュしたシーンや、名台詞を取り入れるなど、ファンを楽しませる工夫も。

ジャック役に抜擢されたジェイ・コートニーは、TVドラマ『スパルタカス』や2012年のトムクルーズ主演映画『アウトロー』にも出演しています。本作の後は『アイ・フランケンシュタイン(2014年)』、『ダイバージェント』シリーズにも出演し、2015年の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』ではタイムトラベルして司令官の母親を守るという使命を受ける、カイル・リース役を熱演しています。

最後に

ここまで全5作の『ダイハード』シリーズを振り返ってきました。

もし今後さらなる続編が製作されるとすると、ブルース・ウィリスが派手なアクションをこなすのは年齢的に大変そうですね。しかしファンとしては、まだまだブルース・ウィリスのマクレーンの活躍を期待してしまうところ!

いつ新作が公開されてもいいように、一度はぜひ『ダイハード』をご覧になってくださいね!