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『猿の惑星』最新作を観る前に!シリーズ全9作品をおさらい

最新作『猿の惑星:聖戦記 グレート・ウォー(2017年)』の公開によって、リブート3部作が完結した『猿の惑星』シリーズ。フランスの作家ピエール・ブールのSF小説をもとにした斬新な物語が、世界中で人気を博しています。

この記事では、今までのシリーズ全9作を公開年順に紹介します。シリーズごとに異なった視点から描かれており、各作品が交錯する不思議な構成になっているので、この機会に全作観直してみてはいかがでしょうか。

猿の惑星【1968年】

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あらすじ

未知の惑星に不時着した宇宙飛行士テイラー船長(チャールトン・ヘストン)。そこは猿が支配し、人間は言葉を持たない下等動物として扱われる「猿の惑星」でした。そこでテイラー船長は「猿の惑星」が、核兵器で荒廃した未来の地球であるという衝撃的な事実を知ります。

見どころ

監督はフランクリン・J・シャフナーが務めました。猿が支配する荒廃した地が未来の地球だった、という衝撃的なラストを知っていても観返したいと思える作品。また、「人間と猿」は「白人と有色人種」の暗喩であるとも言われており、人種問題を語る際に引用されるほど話題になりました。



続・猿の惑星【1970年】

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あらすじ

行方不明のテイラー船長(チャールトン・ヘストン)を追って「猿の惑星」へやってきたブレント少佐(ジェームズ・フランシスカス)。ミュータント化した人類と、猿の軍隊との争い中、ブレント少佐とテイラー船長の仲間ノヴァ(リンダ・ハリソン)が命を落とします。絶望したテイラー船長は核兵器を発射し、地球を消滅させてしまうのでした。

見どころ

監督はテッド・ポスト。主人公がジェームズ・フランシスカス演じるブレント少佐に変わったものの、チャールトン・ヘストン、リンダ・ハリソン、キム・ハンターなど、多くの俳優が前作に続いて出演しています。核兵器で地球が消滅してしまう、という核の脅威が描かれているので、現代を生きる人にはぜひ観ていただきたい作品です。

新・猿の惑星【1971年】

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あらすじ

地球が消滅する前にテイラー船長の宇宙船で脱出したコーネリアス(ロディ・マクドウォール)・ジーラ博士(キム・ハンター)夫妻とマイロ博士(サル・ミネオ)。彼らが辿り着いたのは、猿が支配する前の地球でした。その後、彼らはロサンゼルス動物園付属病院に移されましたが、未来の地球の情報が漏れてしまい危険な存在として扱われます。

見どころ

監督はドン・テイラー。第1作目に続いてコーネリアス役でロディ・マクドウォール、ジーラ博士のキム・ハンターは3作連続で出演。夫妻と一緒に現代の地球にたどり着くマイロ博士役はサル・ミネオが演じています。猿と人間の立場がまた入れ替わる展開になっており、第1作目と対比して観ると面白い作品です。

猿の惑星・征服【1972年】

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あらすじ

猿が人間のペット、さらには奴隷として使役されるようになった社会。コーネリアスとジーラ夫妻の息子マイロ(ロディ・マクドウォール)は、ブレック知事(ドン・マレー)に「シーザー」という名で飼われていました。猿たちが虐待を受けていることを知り、復讐に燃え反乱を起こしたシーザーは人類を制圧し、地球が「猿の惑星」であることを宣言します。

見どころ

監督はジョン・リー・トンプソン。マイロは、父親のコーネリアス役だったロディ・マクドウォールが演じています。猿が奴隷として扱われる社会は、アメリカにおいて白人と黒人の中に根強く残る人種問題の隠喩であるとも言われています。

最後の猿の惑星【1973年】

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あらすじ

シーザー(ロディ・マクドウォール)による人類への反乱は核戦争へ発展し、人間と猿の立場が逆転しつつありました。しかし、母ジーラ(キム・ハンター)から「未来で猿が地球を滅ぼす」と伝えられたことや息子の死をきっかけに、シーザーは人間と猿が平等に共生する社会を宣言するのでした。

見どころ

監督は前作『猿の惑星・征服(1972年)』から続いてジョン・リー・トンプソンが務め、約170万ドルと、シリーズ全9作品の中でもっとも低予算で制作されました。シーザーもロディ・マクドウォールが続投。猿たちが人類とどう共生するか、試行錯誤していく姿が描かれた作品です。

PLANET OF THE APES/猿の惑星【2001年】

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あらすじ

人間の乗組員と遺伝子操作によって高い知能を得た猿を乗せたオベロン号は宇宙調査中。一方、磁気に吸い込まれた探索ポッドを助けようとして、母船を飛び出した宇宙飛行士のレオ(マーク・ウォールバーグ)が辿り着いたのは、人間が猿に支配される「猿の惑星」でした。やがて、オベロン号も惑星に不時着していると知ったレオは「禁断の地域」へ入っていき、ある事実を知ります。

見どころ

監督はティム・バートン。主演のレオをマーク・ウォールバーグが演じました。第22回ゴールデンラズベリー賞でリメイク賞、助演男優賞、助演女優賞を受賞。リメイクと認識されることも多いですが、実際は大部分がオリジナルで構成されたストーリー。気軽に家族で楽しめるSF映画です。

猿の惑星:創生記(ジェネシス)【2011年】

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あらすじ

製薬会社に勤めるウィル(ジェームズ・フランコ)は、猿の知能を高めるアルツハイマー薬ALZ-113の開発をしていました。そんなウィルに育てられたシーザー(アンディ・サーキス)はアルツハイマー薬を原因に、人間を傷つけ施設へ隔離されてしまいます。その中で人間の猿に対する酷い扱いを知り、憎悪を抱いたシーザーは人類に反旗を翻すため、ウィルに別れを告げ仲間とともに森の奥へ消えてしまうのでした。

見どころ

監督はルパート・ワイアット。シーザーを演じたアンディ・サーキスは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『キング・コング(2005年)』でゴラムを演じ、モーションアクターとしても高い評価を受けている俳優です。また、同作から続く3作はリメイクではなく新しい世界観を持つリブート作品。ウィルとシーザーの絆を見守ってきたからこそ、最後の別れには胸が苦しくなります。

猿の惑星:新世紀(ライジング)【2014年】

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あらすじ

アルツハイマー薬ALZ-113によるパンデミックで、猿が人類よりも優勢になってしまった世界。猿同士が協力し合う平和な世界を望みつつ群れを統率するシーザー(アンディ・サーキス)と、人類を絶滅させるべきだと主張するボノボのコバ(トビー・ケベル)は主導権を争います。

見どころ

前作『猿の惑星:創生記(2011年)』のルパート・ワイアット監督が降板し、代わってマット・リーヴス監督がメガホンをとった同作。WETAデジタル社による特殊メイクに代わるCGIは、第19回サテライト賞で視覚効果賞と編集賞を受賞しています。アクションシーンもあり、ストーリー展開のテンポも良いので見ごたえのある作品です。

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)【2017年】


映画『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』公式Youtubeアカウントより

※『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』のネタバレを含む可能性があります。

あらすじ

人間との共存を望んでいたシーザー(アンディ・サーキス)は、マッククロウ大佐(ウディ・ハレルソン)に妻子を殺され、人間への復讐を誓います。仲間たちとアルファ・オメガ軍基地と向かうも、マッククロウ大佐はALZ-113の影響で言葉を失い始め自害、別の軍も雪崩に巻き込まれてしまいました。無事生き残ったシーザーらは、再び新天地に向かいます。

見どころ

前作『猿の惑星:新世紀(2014年)』から引き続きマット・リーヴスが監督。リブート3部作を通して、人間に対する憎しみや仲間を失う切なさをリアルに表現したアンディ・サーキスの演技は、一貫して高い評価を得ました。長いシーザーの戦いの終焉を見守る作品となっており、安堵を感じるとともにどこか寂しさもあります。

最後に

こうして9作品をまとめて並べると、各作品の特徴やそれぞれの繋がりがわかります。現在、最新作にしてリブート3部作最終章となる『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』が公開中です。まだ観ていない作品のある人は、この機会に最新作と合わせて全作品を制覇してみるもの良いですね!