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『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』を徹底解説

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』を徹底解説

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』は、オリジナル版『猿の惑星(1968年)』を描く同作のリブート作品第3弾。この記事では同作のあらすじや見どころ、解説、第1作とのつながりを記述しています。

長編シリーズの最後を飾る同作、この機会に全作品を観直してみることで新たな発見があるのではないでしょうか。

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』作品紹介

https://youtu.be/gBVh039d1oY

監督は、前作『猿の惑星:新世紀(ライジング)』に引き続きマット・リーヴスが務めました。

ALZ-113(猿インフルエンザ)によって起こったパンデミックにより、多くの人間が命を落としてしまった世界。その中で、高い知能とカリスマ性をもって猿のグループを統率してきたシーザー。

ある日、シーザーと敵対しながら死んだチンパンジーのコバを慕うグループとの抗争がきっかけで、マッククロウ大佐率いるアルファ・オメガ軍に襲われ、シーザーの妻と息子が殺されてしまいます。

人間のウィルに育てられ、人類とは平和に共生したいと考えてきたシーザーですが、深い悲しみから人間への憎しみを抑えられず、復讐を決意。生き残ったまだ幼い末っ子のコーネリアスを息子の恋人に託し、腹心たちとともにマッククロウ大佐のもとへ向かうのでした。

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』解説

個性豊かな仲間たちとの絆

猿の惑星映画公式Instagramアカウント(@apesmovies)より

仲間を安全地帯へと逃したのち、シーザーは1人で復讐に向かうことを決意しますが、どうしても彼と共に行きたいとついてくるのが、オランウータンのモーリス、ゴリラのルカ、チンパンジーのロケットの3匹。シーザーに深い敬愛を抱いている彼らは、それぞれの特質でもって復讐に取りつかれたシーザーを支えています。

マッククロウ大佐のもとへ向かう道すがら、人間の少女ノヴァと、動物園にいた片言の英語を話すチンパンジーのバッド・エイプがシーザーの一行に加わります。彼女を連れて行こうと決意した裏には、シーザーが銃を向けられた際、彼女の家族と思われる男を撃ち殺してしまった罪の意識がありました。

そして、アルファ・オメガ軍の基地へたどりついた一行は、人間に見つかり戦闘に発展。シーザーをかばってゴリラのルカが命を落としてしまいます。悲しみの中、「復讐に取りつかれているシーザーは、かつてのコバと同じだ」とモーリスは引き返すよう諭します。しかしシーザーは聞き入れずに怒りを燃やし、基地へ乗り込んでいくのでした。

ルカの死は、リブート第1作『猿の惑星 創世記(ジェネシス)(2011年)』で、ゴリラのバックがシーザーを助けるために命を落としてしまったことを思い起こさせますが、前作では人類と別れホーム(森)へ去ったのに対し、今回は人間を倒すために1人突き進みます。何が起きてもシーザーについていく仲間たちとの絆には、ついじんときてしまいます。

人類と猿、立場逆転の瞬間が描かれる

猿の惑星映画公式Instagramアカウント(@apesmovies)より

マッククロウ大佐は、かつて自分の息子が徐々に言葉を失っていったことがALZ-113(猿インフルエンザ)の影響による退化であったと考えていました。彼の考えから、ノヴァが言葉を話せないのもALZ-113(猿インフルエンザ)の影響だと推測できます。

『猿の惑星(1968年)』でマッククロウ大佐は、言葉が話せなくなるなら生きている価値はないと考え、言葉を失い退化していく人間を殺害しています。このように『猿の惑星』の中で、人間の力が衰え、猿の勢力が増していく様子は、かつての白人社会の栄光が陰り、有色人種に取って代わられる世界を表していると解釈されることもありました。

『猿の惑星(1968年)』との違い

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コーネリアスとノヴァは、第1作『猿の惑星』にも登場しています。コーネリアスは、知的で、言葉を話す人間にも歩み寄る考古学者。ノヴァは、口の利けない人間の女性である点は『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』と共通するものの、『猿の惑星』では捕虜として物のように扱われています。

しかし『猿の惑星(1968年)』は2673年の設定であること、また同作はリブート作品であることから考えても、コーネリアスとノヴァは第1作を想起させる共通点を持たせたキャラクターであると考えるのが自然でしょう。

第1作で人間は核戦争で衰退したという設定でしたが、リブート作品において衰退の原因はALZ-113(猿インフルエンザ)パンデミックです。第1作公開当時は世界中で核への恐怖が大きく、現代では核兵器に加えて難民・移民問題やテロの脅威が大きくなってきたことが、作品に反映されていると考えることができます。

最後に

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アンディ・サーキス公式Instagramアカウント(@andyserkis)より

同作の制作費は1億5000万ドル。アメリカでは日本より約3カ月早い2017年7月14日に公開されています。リブート3作を通してシーザーを演じたモーションアクターのアンディ・サーキスの演技と、感情を揺さぶる深みのある脚本、映画に説得力を持たせる特殊効果などが高い評価を受ける作品となりました。シリーズとしては通算で第9作目にあたり、シリーズの最後を飾る予定の作品です。
 
 
猿によって人間の勢力が脅かされていくにも関わらず、人間への復讐を誓うシーザーの立場から観てしまう作品です。物語ではまだまだ人間と猿の戦いは続きますが、シーザーの自分自身との戦いが終わる同作、ファンにとっては感慨深いものがあります。ぜひ、『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』を観てみてくださいね!

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