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日本を代表するバイプレーヤー、光石研の演技が光るおすすめ映画10選

日本映画界に欠かせない名脇役、光石研。16歳の時に『博多っ子純情(1978年)』のオーディションを受け主役に抜擢された彼は、40年以上のキャリアを誇る演技派俳優です。彼がこれまでに出演した作品は数多く、癖の強い役からとぼけた役まで幅広い役柄を演じることができ、どれも作品に良い味を出してくれます。

今回はそんな光石研が出演する作品の中から、彼の演技が特に光るおすすめを10選ご紹介します。

パッチギ!【2005年】

パッチギ!
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あらすじ

1968年の京都で日々争い合う東高校と朝鮮高校の学生たち。康介(塩谷瞬)はひょんなことから対立する朝鮮高校の生徒リ・キョンジャ(沢尻エリカ)に一目惚れしてしまいます。しかしキョンジャには朝鮮高校の番長を務めるリ・アンソン(高岡蒼佑)という兄が。キョンジャと仲良くなりたい一心で康介はあるモノを購入し…。

見どころ

本作はキネマ旬報ベストテンで1位を獲得し、日本アカデミー賞優秀作品賞など数多くの賞を受賞。塩谷瞬や沢尻エリカ、高岡蒼佑など多くのスターを生み出しました。

光石研は康介の担任の先生を演じており、朝鮮高校とのサッカーの親善試合を提案する役どころ。何色にも染まることのできる彼の教師姿はとても様になっていて、井筒監督から再評価されるきっかけとなった作品でもあります。日本と朝鮮のデリケートな問題が描かれており、その中で葛藤する若者たちに注目。



紀子の食卓【2006年】

紀子の食卓
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あらすじ

田舎に住む島原紀子(吹石一恵)は両親と妹の4人家族。一見平凡な女子高生の紀子ですが、ネット掲示板"廃墟ドットコム"の住人・ミツコという顔を持っていました。東京の大学に進学することを反対され、衝動的に家を出て東京に向かった彼女。そこで"廃墟ドットコム"のリーダー的存在・クミコと出会った紀子は"レンタル家族"という虚構の世界でミツコとして生きていきますが…。

見どころ

園子温監督の『自殺サークル(2002年)』の続編的作品。暗くて重い作品のため、観終わった後はどよーんと気持ちが沈みますが、麻薬的な魅力のある映画でもあります。紀子の妹ユカを演じた吉高由里子は、この作品での演技が評価され、徐々に売れっ子女優へと成長。光石研は紀子の父を好演し物語に馴染んでいる一方で、とても印象に残る演技が魅力的です。

悪人【2010年】

悪人
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あらすじ

肉体労働で日銭を稼ぐ清水祐一(妻夫木聡)は出会い系サイトで女の子と出会うことが唯一の楽しみという、寂しい日々を送っていました。そんなある日、石橋佳乃(満島ひかり)と会う約束をしていた祐一ですが、彼女は偶然見かけた思いを寄せる増尾圭吾(岡田将生)の元へ。

腹を立てた祐一は圭吾を追いかけますが、そこで佳乃ともみ合いになり彼女を殺してしまいます。気が動転する祐一ですが、出会い系サイトで新たに知り合った馬込光代(深津絵里)とともに逃亡を開始し…。

見どころ

日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞(妻夫木聡)、最優秀助演女優賞(樹木希林)、最優秀助演男優賞(柄本明)などを獲得する他、数々の賞を総ナメにした作品。光石研は祐一が務める解体会社の社長で大叔父の矢島憲夫を演じています。バラエティ番組で見せるコミカルな感じは全く無く、渋くて格好良い彼に注目。

1つの事件をきっかけに、儚くも歪んだそれぞれの愛の形に心を突き動かされることでしょう。

十三人の刺客【2010年】

十三人の刺客
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あらすじ

弘化元年、明石藩江戸家老・間宮図書(内野聖陽)が明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)の暴政に抗議し自決。この事件によって斉韶の異常な性格と暴君ぶりが明らかになりましたが、将軍の弟である彼を容易に処罰できない幕府に対し、老中・土井利位(平幹二朗)が彼の暗殺を企てます。

暗殺を命じられた島田新左衛門(役所広司)は初めは反対していたものの、斉韶の残虐非道な所業を聞いたことで意思を固め、12人の仲間とともに暗殺の旅へと向かうのでした。

見どころ

1963年の工藤栄一監督作品を三池崇史監督がリメイク。稲垣吾郎演じる斉韶の人格がとにかくひどく、見ていて身震いするほどの怒りを覚えます。

役所広司を始め、平幹二朗や市村正親、古田新太などベテラン俳優が多く出演し、迫力のある映画に。特にオーラスの戦いの際、「斬って斬って、斬りまくれー!」と叫ぶ役所広司さんは最高に格好良いです。光石研は浅川十太夫という役を演じており、市村正親演じる鬼頭半兵衛とともによく登場するため光石研好きにはたまりません。

しあわせのパン【2012年】

しあわせのパン
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あらすじ

北海道の洞爺湖の畔でロッジ風のカフェを営む水縞尚(大泉洋)と妻のりえ(原田知世)。尚がパンを焼き、りえがコーヒーを入れるこの店は地元の人々から愛され、遠方からもお客さんが来る癒しのスポットでした。夏のある日、恋人に振られた若い女性・齋藤香織 (森カンナ)がやってきます。失意のどん底にいた彼女でしたが、尚とりえと過ごしていく中で少しずつ元気を取り戻していきます。

秋のある日には、小学校を登校拒否する少女・未久(八木優希)がやってきます。ママが家を出て行ってしまったためパパ(光石研)と上手く話せないでいる彼女。2人はきちんと話せるようになるのでしょうか。

見どころ

自然に囲まれたほんわかしたカフェに訪れる悩みを抱えた人々と、水縞夫妻のやりとりが絶妙です。甘いことばかりではない、苦味があるのも人生。出演する俳優たちは名優揃いなので安心して観ていられます。難しい年頃の娘との距離感を上手く測れないでいる不器用な父を巧みに演じる光石研に注目。

東京プレイボーイクラブ【2012年】

東京プレイボーイクラブ
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あらすじ

スクラップ工場で働く勝利(大森南朋)は傷害事件を起こしてしまい、昔の仲間である成吉(光石研)を頼って彼が経営する"東京プレイボーイクラブ"というサロンにやってきます。しかし成吉と行った居酒屋で、地域を取り仕切るヤクザ3兄弟の三男・梅造(三浦貴大)と喧嘩をしてしまう勝利。

店のために謝る成吉を見て苛立った勝利は、彼の知らないところで3兄弟の次男・竹男(赤堀雅秋)をボコボコにしますが、事態は思わぬ方向へ…。

見どころ

監督の奥田庸介はこの作品を制作していた当時、25歳という若さでした。この若さが勢いとして映画によく現れており、疾走感のある気持ちの良い作品に。松田優作出演作品やテレビドラマ『傷だらけの天使(1974年)』が好きな人はハマるはずです。光石研が演じる成吉が1番まともで、視聴者の代弁者のように見えるでしょう。

アウトレイジ ビヨンド【2012年】

アウトレイジ ビヨンド
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あらすじ

片岡刑事(小日向文世)の部下・山本刑事(貴山侑哉)が何者かに撲殺され、車ごと海に沈められるという事件が起きます。この事件を巨大暴力団・山王会の仕業だと睨んだ片岡は、富田(中尾彬)や木村(中野英雄)、大友(ビートたけし)を使って山王会会長・加藤(三浦友和)を引きずり下ろそうと企てるのです。

しかし富田を使った作戦は失敗に終わり、大友ももう争うつもりはないと片岡の提案を断りますが、ある事件をきっかけに山王会の幹部殺害を決意します。

見どころ

大ヒットした『アウトレイジ(2010年)』の続編。1作目よりもスプラッターの要素を少なくし、ストーリー性を重視した本作はシリーズで1番面白いと言っても過言ではありません。「バカヤロー!コノヤロー!」合戦は健在で、エンターテイメント作品としてクオリティの高い仕上がりに。

光石研は山王会幹部・五味英二郎を演じています。一見人が良さそうでヤクザっぽくないのですが、役としてちゃんと成立しており、そのギャップが魅力的。

共喰い【2013年】

共喰い
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あらすじ

高校に通う17歳の遠馬(菅田将暉)はセックスするときに女を殴る、という性癖を持つ父の円(光石研)とその愛人の琴子(篠原友希子)と3人で暮らしていました。顔にアザを作ってまで父と一緒にいる琴子のことが理解できない遠馬。近所では遠馬の母の仁子(田中裕子)が魚屋を営んでおり、空襲で左手首から先を失ったため、義手をつけて仕事をしていました。

ある日、琴子が妊娠したことを告白し円は喜びますが、しばらくして彼女は家を出て行ってしまいます。琴子は遠馬にだけ出て行く旨を告げていて…。

見どころ

芥川賞を受賞した田中慎弥の小説を青山真治監督が映画化。暴力と性を描いた衝撃的なストーリーで、セピア調の画面がまた昭和の時代をよく反映し良い味を出しています。偏った価値観を持つ父親を見事に演じる光石研が素晴らしく、彼の役者としての幅の広さを思い知らされる作品。現代ではなく昭和の地方での生活感が、余計に父親の狂気を際立たせています。

WOOD JOB!~神去なあなあ日常~【2014年】

WOOD JOB!~神去なあなあ日常~
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あらすじ

大学受験に失敗した勇気(染谷将太)は彼女にも振られ、これからの人生をどうしようか悩んでいました。何気なく見ていた林業の募集チラシに写る女性に一目惚れした勇気は、安易な動機で申し込むことに。携帯の電波も繋がらないような三重県の山奥へと辿り着いた彼は来たことを後悔します。しかし性格の荒い先輩に怒られながらも段々と成長していく勇気でしたがある日…。

見どころ

現代の人々が忘れがちな自然のありがたみや美しさを心から感じられる作品です。監督は『ウォーターボーイズ(2001年)』で知られる矢口史靖が務め、彼らしい笑いやポップさもありながら、勇気という人間の恋愛観、仕事観、人生観が変わっていく様が実に見事。光石研は勇気が働く中村林業の社長を演じており、準主役級の大事な役どころですが、林業に長年従事していたかのような説得力のある演技を見せてくれます。

シン・ゴジラ【2016年】

シン・ゴジラ
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あらすじ

東京湾羽田沖で謎の水蒸気が発生。政府は原因を海底火山ではないかと推測しますが、矢口蘭堂(長谷川博己)は、早くから巨大生物の可能性を主張していました。生物の尻尾のようなものが確認されたことで政府も巨大生物と認め、矢口を中心に巨大生物の対策本部が設置され、解明と対策を急いでいました。

そんな中、矢口の元にアメリカからカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)がやってきます。カヨコは今回の騒動のキーマンとなる牧悟郎という男を探して欲しいと依頼。牧は行方不明でしたが、彼が残した資料には"GODZILLA"という文字が…。

見どころ

特撮怪獣映画『ゴジラ』シリーズの最新作。総監督を『新世紀エヴァンゲリオン(1995年)』シリーズで知られる庵野秀明が務めたことで話題を呼びました。主演の長谷川博己を始め、超がつくほどの豪華キャストを揃えており、日本アカデミー賞で怪獣映画としては初の最優秀作品賞を獲得しました。光石研は東京都知事役で出演しており、抑えた渋い演技で活躍。

最後に

二枚目も三枚目も演じることのできる稀有な存在で、常に活躍し続ける光石研。彼が出演してきた作品はとても多く、そのジャンルや役柄も多岐にわたります。彼の演技はどの作品でも素晴らしく、今後も多くの作品に出演し日本の映画界を牽引していく役者と言えるでしょう。今回ご紹介した作品の中から興味を持ったものがあれば、ぜひ観て彼の魅力を存分に楽しんでみて下さいね。