昨日は斉木楠雄のΨ難を撮影した栃木の足利と、僕の地元である小山で舞台挨拶させて頂きました🤣基本的にお客様から質問を頂き答える形式でやってたのですが、小山の劇場が地元だけに時間をたっぷり取ってくれていたため、なんと!映画本編と同じ90分超えの舞台挨拶をやっちゃった😁楽しかったわあ🤣 pic.twitter.com/GPn2lVGFUI
— 福田 雄一 (@fukuda_u1) 2017年11月12日
福田雄一Twitterアカウント(@fukuda_u1)より
もともとは三谷幸喜の構成したドラマ『やっぱり猫が好き(1988-1991年)』の小林聡美が好きすぎて、この業界に入りコメディへの道を辿ることになったという彼。本人いわく「三谷幸喜と宮藤官九郎のスキ間の笑い」を狙っているそうです。今回はそんな、独特の魅力あふれる福田雄一監督作品を10作ご紹介します。
目次
勇者ヨシヒコ シリーズ【2011-2016年】
あらすじ
『勇者ヨシヒコと魔王の城(2011年)』『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵(2012年)』『勇者ヨシヒコと導かれし七人(2016年)』からなる勇者ヨシヒコシリーズは、福田雄一の出世作とも言えるドラマ作品。正義感は強いが馬鹿で空気が読めない勇者ヨシヒコ(山田孝之)が、人情にめっぽう弱いおっさん戦士ダンジョー(宅麻伸)、いじられ役の村娘ムラサキ(木南晴夏)、役に立たない魔法使いメレブ(ムロツヨシ)と共に魔王を倒すために旅を続けます。
見どころ
ストーリーからコスチュームに至るまで、人気ゲーム『ドラゴンクエスト』の完全なパロディで、劇中には紙のハリボテで作られたスライムが登場したり、ゲーム効果音が用いられたりします。本家スクウェア・エニックスも全面的に協力しているようです。
2017年に福田雄一が監督した映画『銀魂』の原作者・空知英秋は『勇者ヨシヒコ』について「"コスプレ感丸出しながらも、そんなのお構いなしで物語に引き込み爆笑させてしまう"」と語っており、ストーリーテリングと笑いのセンスがギッシリ詰まっているのも、本作の魅力。
話が長く役に立たない仏(佐藤二朗)が毎話のレギュラーとして登場する他、深夜枠であるにも関わらず、渡辺直美、安田顕、沢村一樹、古田新太、綾野剛、小栗旬、賀来賢人、青木崇高、濱田岳、有村架純、菅田将暉、堤真一など、超豪華なゲストを呼んでいる点も要チェックです。
コドモ警察【2013年】
あらすじ
悪の組織レッドヴィーナスの手により特殊ガスを吸わされ子供化してしまった神奈川県警大黒署のデカ長(鈴木福)率いる敏腕中年捜査官たちが、来日するカゾキスタン大統領の暗殺予告を受け、その阻止に動きます。
見どころ
悪の組織に子供化させられるという、アニメ『名探偵コナン』のシチュエーションを借りながら、まだ舌足らずな鈴木福君が『太陽にほえろ!』のボスを彷彿とさせるデカ長役をかわいく熱演。捜査課で大人の姿をしているのは勝地涼演じる新人刑事だけで、あとは本田望結ちゃんをはじめ、全て子役達が演じています。
セリフを噛んでも棒読みでもお構いなしの脱力感や、特殊ガスの毒素により精神的にも子供化が進んでゆくというシュールな設定も、笑えるポイントです。
HK 変態仮面【2013年】
あらすじ
ドMの鬼刑事とドSの女王様の子である色丞狂介(鈴木亮平)は、女性用のパンティーを被ったことで両親から受け継いだ変態の血が覚醒し、人間の潜在能力を100%引き出すことのできる超人「変態仮面」に変身します。
見どころ
原作ファンである小栗旬の脚本協力も得て仕上げられた、福田雄一監督・脚本による漫画実写化の金字塔的作品。映画『ダークナイト』シリーズのパロディなどが散りばめられ、巨大ロボットまで登場します。役作りのためにかなりストイックな肉体改造を施した様子の、鈴木亮平の肉体美にもご注目。
変態仮面のキメ台詞「世界の為なんだ。君のパンティを、俺にくれ!」が馬鹿馬鹿しくも格好いいと大ヒットを記録し、続編『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』も2016年に公開されました。
アオイホノオ【2014年】
あらすじ
島本和彦の自伝的漫画を原作にした青春ドラマ。1980年代初頭、漫画家デビューを目指して大阪芸術大学に通う主人公・焔モユル(柳楽優弥)が、強引で自分都合な屁理屈を並べながらも、日々挫折を繰り返して成長してゆきます。
見どころ
80年代の漫画家やアニメーター、またその作品のほとんどが実名で登場し、虚実の入り交じったエピソードが綴られる本作。当時の漫画・アニメ文化を徹底再現することでリアリティと笑いをつなぐ傑作として、ギャラクシー賞や東京ドラマアワードなど、数々の賞を獲得しました。
女子ーズ【2014年】
あらすじ
名字に色が入っているという理由だけで司令官チャールズ(佐藤二朗)のもとに集められた、クソ真面目なレッド(桐谷美玲)、ギャルのブルー(藤井美菜)、お嬢のネイビー(山本美月)、極貧のイエロー(高畑充希)、夢見る劇団員グリーン(有村架純)の「女子ーズ」が、突然の展開に疑問を感じながらも怪人との戦いに挑みます。
見どころ
正義の味方でありながら、恋愛、仕事、美容、野暮用などで、なかなか5人が揃わないという脱力系戦隊ヒーロー映画です。「うちの嫁が大変わがままで、社会人経験がなく、協調性のない女性だったため、こんな人が戦隊を組んだら面白いことになるだろうなと思ったのが、ことの発端です」とは福田監督本人による談。
内容にそぐわないほど豪華なキャストも見どころです。今、この女優陣を揃えることは不可能かもしれませんね。
宇宙の仕事【2016年】
あらすじ
宇宙人の地球侵略を阻止するため、変な光線で月に集められた会社員(ムロツヨシ)、受験生(菅田将暉)、バンドマン(賀来賢人)、かわいい子(西野七瀬)、体育教師(橋本じゅん)、EXILE大好きおばさん(池谷のぶえ)が、次々に侵攻してくる宇宙人と戦います。そのための武器は、「脇の臭い」と「説得」!?
見どころ
福田監督の主宰する劇団「ブラボーカンパニー」の同名舞台を原案としているオリジナルストーリー。そのため一つ一つの台詞が長いのですが、台詞を忘れたシーンなどもそのまま使っており、地上波では実現できない「変な間」を活かして笑いを追求した意欲作となっています。
スーパーサラリーマン左江内氏【2017年】
あらすじ
藤子・F・不二雄の漫画『中年スーパーマン左江内氏』が原作。建設会社の営業部で万年係長の左江内(堤真一)は、謎の老人からスーパースーツを託され、嫌々ながらもヒーローをするハメになります。
見どころ
助演レギュラーのムロツヨシや佐藤二朗の台詞はほとんどがアドリブで、それについていく堤真一との掛け合いは、もはや「即興お茶の間コント」。テレビでやっている馬鹿なものを皆で見て笑おう、という監督の気概がうかがえる作品になっています。
エンディングは三代目J Soul Brothersの楽曲『HAPPY』に合わせて出演者が全員で踊りまくるという、前クールでヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』を嫌でも意識させる構図となっています。
銀魂【2017年】
あらすじ
異星人に支配された江戸末期の幕府。かつて異星人たちと最後まで戦い「白夜叉」と恐れられていた侍・坂田銀時(小栗旬)は、刀を捨て、かぶき町の便利屋・万事屋銀ちゃんを営みながら呑気に暮らしていました。しかし、再び幕末の世が不穏な空気に包まれたことで、今一度、銀時は剣を取ることになります。
見どころ
「週刊少年ジャンプ」連載の空知英秋の看板コミックが原作。福田雄一の集大成として大ヒットした本作は、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、安田顕、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、佐藤二朗、菜々緒、堂本剛、中村勘九郎ら日本俳優界のオールスターが集結。壮大なエンターテイメントに仕上がっています。
斉木楠雄のΨ難【2017年】
\主題歌は「ゆず」❗/
映画主題歌は、ゆずさんの新曲「恋、弾けました。」に決定‼楽曲には原作から得たヒントも反映されているそう💡ゆずさん、福田監督、麻生先生3人からのコメントはこちら‼
👉 https://t.co/aqLqIKP5Xz#斉木楠雄のΨ難 pic.twitter.com/0saM5GIW3R— 映画『斉木楠雄のΨ難』公式 (@saikikusuomovie) 2017年7月14日
斉木楠雄のΨ難 公式Twitter(@saikikusuomovie)より
あらすじ
こちらも「週刊少年ジャンプ」にて連載中の麻生周一の漫画、『斉木楠雄のψ難』の実写化。平穏に暮らしたい超能力高校生・斉木楠雄(山﨑賢人)は、文化祭の日にテレポーテーションでバカンスに出かけるのが何よりの楽しみ。何とか今年も平穏な文化祭を迎えるために全能力を注ぎますが、そんな願いとは裏腹に何故か次々とトラブルが舞い込んできます。
見どころ
今作では、福田組初参戦の山﨑賢人に加え、お馴染みの賀来賢人、ムロツヨシ、佐藤二朗、新井浩文、橋本環奈らが脇を固めています。また、福田監督とは小中学校で「パパ友」だったという田辺誠一、そして監督が若いころからファンだったという内田有紀も主人公の両親役で華をそえています。
聖☆おにいさん【2018年放送予定】
あらすじ
最後は、現在『月刊モーニングtwo』にて連載中の中村光の漫画『聖☆おにいさん』の実写ドラマ版。イエスとブッダは、下界でバカンスを楽しもうと、「聖」という苗字で、東京・立川の風呂なしアパートで暮らしはじめます。
見どころ
福田監督自身、「"実は連載開始当初から実写化させて頂きたいと思っていた作品で、様々な問題に直面して実現が難しそうだったので諦めていた"」ところ、山田孝之が制作プロデューサーとして名乗りをあげ、福田監督に脚本と演出をオファー。ドラマ化実現にこぎつけたようです。現在は原作者の中村光を交え、鋭意制作中の様子。お笑い好きのイエスがブッダとお笑いコンビ「パンチとロン毛」を結成したり、家電好きで菜食主義者のブッダが誕生日に石窯スチームオーブンを贈られて号泣する話など、原作ファンには嬉しいエピソードが多く実写化されるようです。
最後に
バラエティ番組で培われた「笑い」のセンスが、ドラマや映画の制作でさらに磨かれ、難しいとされる漫画原作の実写化も次々とヒットへと導いている福田雄一監督。日本では稀有なコメディ・クリエイターの地位を確立した彼の、これからの活躍がとても楽しみです。
スポンサーリンク