『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』作品概要
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』が2月23日(金)に公開されます。
監督を務めるのは、2003年公開の『ロスト・イン・トランスレーション』でアカデミー脚本賞を受賞し、また映画監督だけではなくプロデューサー、脚本家、女優、ファッションデザイナーとしても活躍するソフィア・コッポラ。主演にコリン・ファレル、ニコール・キッドマン、エル・ファニングやキルスティン・ダンストを迎えた本作は、今年開催された第70回カンヌ国際映画祭にて見事監督賞を受賞し、なんと女性としては実に56年ぶり、2人目の快挙となりました。
(c)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
あらすじ
閉ざされた女の園に、招かれざる男がひとり。
心かき乱され、本能が露わになる純白の聖女たちの愛憎劇。
アメリカ南部の世間から隔絶された女子寄宿学園に暮らす美しき女性7人。ある日、負傷した北部の敵兵に遭遇した彼女たちは、兵士を屋敷へと運び手当をする。女性に対し紳士的で、かつ美しい男性。彼と触れ合う中で、誰もが心を奪われていき、次第に彼女たちは情欲と危険な嫉妬に支配されてしまう。秩序を守るか、欲望を取るか、彼女たちが下した衝撃の決断とはー。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』作品レビュー
ポップでガーリーな世界観を描くことが多かったソフィア・コッポラですが、本作は従来のイメージを覆すスリラー映画。1864年のバージニア州にある、森の中にひっそりと存在している女子寄宿学園が舞台となっています。
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南北戦争から隔離され、平和に暮らしていた園長のミス・マーサ(ニコール・キッドマン)率いる女性たち7人。ところがある日、森の中で大けがを負っている敵軍兵士のマクバニーを発見し、男子禁制の園に一人の男性が踏み入ったことから、仲良く暮らしていた女性たちの人間関係に変化が訪れてしまいます。
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これまでも女性視点の映画を手がけてきたソフィア監督ですが、今回はイケメン男性の登場によって、歯車が狂っていく女性たちのダークな一面がリアルに描かれています。ソフィア監督いわく、女性同士の微妙な駆け引きや、男性が加わることによって起こる変化に興味を持ったようで、「人生のステージが異なる女性同士の関わり合いを見てみたかった」とのこと。
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本作はクリント・イーストウッド主演のサスペンス映画『白い肌の異常な夜(1971年)』のリメイクではなく、トーマス・カリナンの原作小説『The Beguiled』が男性兵士目線であったのに対し、女性視点で再解釈して映像化に臨んだものなのだそう。女性監督であるソフィア監督が描く女性たちの人間関係は、あまりのリアルさに戦慄が走ります。
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おとぎ話のようなメルヘンな世界観の中に女性たちのダークな愛憎劇が渦巻いており、まるで『本当は恐ろしいグリム童話』のようにどこか狂気を孕んだ作風が魅力的です。嫉妬や欲情、不信感から来る殺伐とした空気はまさに地獄そのもので、戦争と隔絶された場所でありながら、園内は女同士の戦場という様相を呈していきます。
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リボンやフリルが施されたドレスは、ステイシー・バタット率いる衣装チームがハンドメイドしたもの。舞台が南北戦争の時代であることも考え、あえて洗って色褪せさせ、太陽光にさらして退色させたのだそうです。可愛いだけでなく時代がかったレトロな衣装に、女性は思わずうっとりしてしまうこと間違いなし。
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園長であるミス・マーサを演じたのは、『誘う女(1995年)』でコミカルな可憐さと冷酷さの二面性を見事に演じ、最近では『パーティで女の子に話しかけるには(2017年)』でパンククラブを仕切る女ボスを演じたニコール・キッドマン。彼女のねじれた役どころが大好きだというソフィア監督は脚本の執筆段階からニコールをイメージしていたのだそうです。
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他に、2002年から2007年に公開された『スパイダーマン』シリーズのヒロイン、メリー・ジェーン・ワトソン役で知られるキルスティン・ダンスト。2歳の時に『アイ・アム・サム(2001年)』で、姉のダコタ・ファニングが演じるルーシー役の幼年時代の役としてキャリアをスタートさせ、最近では前出の『パーティで女の子に話しかけるには』でニコールと共演したエル・ファニングなどが脇を固めます。
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一見現在の私たちの日常とはかけ離れた世界に見えますが、女性の心の奥にくすぶっている集団心理が見事に表現されており、妙にリアル。不気味な静けさと鋭く砥がれた欲望の牙が、観客を恐怖に引きずり込みます。
危険な嫉妬と野心に苛まれて秩序を保てなくなった7人、そして男子禁制の園へと足を踏み入れてしまったマクバニーの運命は…?徐々に変化していく女性たちの心情や崩れていく人間関係、驚愕の展開に注目です!
予告編動画
監督:ソフィア・コッポラ『SOMEWHERE』『マリー・アントワネット』『ロスト・イン・トランスレーション』
■【キャスト】
ニコール・キッドマン『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』『めぐりあう時間たち』
エル・ファニング『ネオン・デーモン』
キルスティン・ダンスト『マリー・アントワネット』
コリン・ファレル『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
原題:The Beguiled
提供:東北新社
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES
宣伝:REGENTS
2017/アメリカ/93分/英語/ヨーロッパビスタ/ドルビーデジタル/
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は2018年2月23日(金)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開!公式サイトはこちら。
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